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爆裂幼虫の綺麗な倒し方

祝!累計PV800突破!あともう少しで当初の目標だった1000PV突破します!

着々と増えていく数字に背中を押され、書く気力がどんどん湧いてきます。

これからもよろしくお願いします。


あと評価、ブックマークのほどよろしくお願いいたします。してくださると私が小躍りします。

 もぞもぞと腕の中でゆったりとキャタピラーが暴れている。こんなに可愛いのに臭いなんて、進化論はなんて残酷なんだ。この悪臭が身を守ってきたのだろう。捕食者が多数いるのならこんな依頼なんて出るはずが無いだろうし。

 とりあえず一匹。先ほどと同じように処理する。再度爆発、体液がまた直撃する。

 手で顔を拭い、体液を周りに散らす。臭い、臭すぎる鼻が逆に曲がる。

 二匹目、突き刺す場所を頭頂部にしてみる。見事爆散、一切関係なかった。体液の滴るいい男、しかしその匂いは香水で消せるほど軟なもんではない。

 三匹目、腹部の先っぽを狙って突き刺す。本日四回目の爆発だ。もう鼻がおかしくなったのか臭いを感じない。やったぜ、これが適応能力じゃぼけぇ……。

 四匹、五匹、六匹といろいろ試しながら突いたり切ったりとしてみたがものの見事に爆散していく。何をしよう色々試しているのかというと、仮死状態にできるかどうかといったことである。


 狩バチをご存じだろうか。ベッコウバチ、ジガバチ、ツチスガリ、これ以外にも多くの種がいるが今回は必要ないので割愛させていただこう。狩バチの仲間は特定の昆虫を幼虫のエサにする性質を持っていて、獲物を仮死状態にして鮮度を保ち孵化した幼虫に与えるといった子育てをする。

 毒が必要では、そう思うだろう。しかし狩バチ達はいつも同じ場所に針を刺すという。

 その理由は神経を破壊して毒が抜けたとしても暴れられないようにしているからだという。昔の情報で覆っている学説かもしれないのだが。

 もし、もし仮にこの神経構造がキャタピラーにもあったとしたらどうだろうか。もう爆発させずに済むのではないだろうか。しかし簡単にはいかない、そもそも捕食者はどうこいつを襲っているのか見当もつかない時点で難易度は相当なものとなっている。


 次はどこを刺すべきか、考え事をしながら七匹目を運ぶ。畑からでたタイミングだった。

 暴れたキャタピラーが腕から飛び出したのは。

 咄嗟に掴もうとするがもう遅い。尖った石にキャタピラーが突き刺さる。反射で顔を庇う。

 臭いを感じなくなったからと言ってあの体液を好き好んで受けたくはない。

 しかしいつまでたっても爆発しない。もしかして死んでいないのか。恐る恐る庇った手をどけると、すんとも動かないキャタピラーがそこにあった。そっと持ち上げてみると、胸部の中心からやや左上当たりの所に深々と石が突き刺さっている。

「見つけた、偶々だったが見つけたんだ…。」

 達成感が凄まじい。試しにクエスト画面を見てみる。

『クエスト: 薬草保護の依頼─キャタピラーの駆除─討伐数8/10』

 やった、仮死状態も討伐にカウントされている。ここまで来たらもうこっちのものだ。

 八、九と同じ位置に剣を突き立てる。見事、爆弾処理に成功したのだった。

 『クエストが完了しました。』


狩バチの生態は昔ファーブル昆虫記で読んだことしか記憶になくて、もしかしたら現代昆虫学では否定されているかもしれません。ですので話半分程度にとどめて貰いますとこれ幸いです。

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