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不味すぎる害虫駆除

さっき「お、PVが500超えてる、やったぜ」


いま PV600越え 「マジ?」

いつもご愛読ありがとうございます!

 何故このクエストに人気が無いのか、それは他のクエストと比較して割に合わない内容になっているからだという。内容はキャタピラーの駆除だが、他のクエストと比較して重労働だということ。薬草採取は10本で終了するし、木の伐採時の護衛はそう強いモンスターもあまり出ず、稀によってくる液体生物を適当に攻撃するだけで終わる。しかしこの駆除クエスト、薬草農園から全部駆除しなければ完了とみなされないのである。

 そして、虫を殺す際に出る体液が気持ち悪い。青紫色でヌメヌメしており、そしてすこし臭いといった三重苦。虫が苦手でなくともきついのだ、嫌いな人からしたら地獄でしかない。

 そんな苦しいクエストだというのに報酬が薬草採集と一切変わらない100ゲルという鬼畜仕様。結果このクエストを受ける人は消えていったというのである。

 因みに宿泊施設を利用するのに必要な最低限の金額は50ゲルである。これは大部屋で大量の人が狭い区画を取って寝るといった、テントの方が広々としていると評されるグレードである。そして薬草は一本15ゲルである。6本が限界だ。

 一応だが受けるメリットはある。キャタピラーから1%も無い確率でドロップするアイテム「キレイな生糸」、これは換金アイテムに分類されるもので、一つ5000ゲルで売ることが出来る。しかし0.n%の為に周回する人はいないのが現状。それ程確率は低いのだ。

「本当にそれ、選ぶの……薬草集めが一番効率いいよ?」

 案の定古参さん(仮)にも待ったをかけられてしまった。それ程までにおいしくないんだろう。ゲームを辞める原因にスタートダッシュミスが多く占める。辞めないか懸念してくれているらしいけど

「大丈夫です。実は私、虫が大好きで。ゲームでどれだけ描写されているのか、再現されているのかを観察したいのですよ。」

 大丈夫の旨を伝えておかねば。

「…そっか、なら止めないよ。うん、目的は人それぞれだもんね。」

 少し考えるような間の後に、最初に見た朗らかな笑顔でこう返してた。ゲームのアバターだ、現実は違うとはわかっていても、そのかわいらしくいじらしい仕草にドキッとした。

「そうだ、フレンド登録しようよ。そしたら何か困ったことがあった時に力になれるし。」

 からのダブルパンチ。この誘いに乗らない男がいようかいやいまい。

「ええ、お願いします。私の名前はクヌギです。」

 即答。それが答えだ、沈黙など捨ててしまえ。

「ありがとう。私の名前はフウランね。」

 返答が早すぎたのか、鈴を転がすような声で笑いながらフレンド申請を受け取ってもらった。

 ヤバイ、恥ずかしい。

「では、また今度、何かあったら相談しますね。」

 恥ずかしさにいたたまれなくなってそそくさと出張所を後にする。

「ナチュプラ存分に楽しんでね~」

 有難い声援を背中いっぱいに受け止める。それと同時に周りからじろじろと見られる。

 やっぱ恥ずかしいは。


皆さんは先輩ゲーマーの方々に教わったこととかありますか?

私はガン逃げしてんじゃねーぞでした、はい。


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