81 付き添いで討伐
「ミヒャエルさん、ここには戦車ないですよ?乗ってた戦車ってタイガーですか?」
「タイガー?私が乗っていた戦車はヒマワリ6号だ。88ミリ砲は強力だぞ?」
「気象衛星みたいな名前ですね?私の知ってる戦車じゃないです。もしかしたら世界線が違うのかも?」
あはは?もうこいつら何言ってるのかわからないよ。戦車ってなんだろう。戦う車なの?馬車が戦うの?大きな都市からイモ村の馬車みたいな奴かな。
「ねぇ?ゴブリン狩に行こう?」
「そうだね。そろそろいこうか。ミヒャエルさんも行きますよ?」
「あぁ、済まない。ではキョーコまたな?」
キョーコとメイビスと別れて冒険者ギルドを出た。
「ところでミヒャエルさんは武器は何を使うんですか?」
「あぁ、さっきギルドの売店でツヴァイヘンダー買った」
おもむろに袋から両手剣を取り出してくれた。マジックバッグも持ってるのか。
「マジックバッグも持ってるのですね?」
「気がつくとあの部屋で、いきなり殺されそうになってな。腰につけていた拳銃で腕を撃って武器を落とさせた。あんな全身鎧着てたら拳銃じゃ抜けないからな。回りが騒いでいたから、同じ様にステータス確認したら、槍を素手で掴めるようになったから、襲ってきた兵士を撃退できたんだ。それで王に仕えるか、城から出るかって言われたから私は城から出た。その時にぶん取ってきた。この袋に金もあったから剣が買えたな」
「拳銃って何ですか?」
「これだ。弾は撃ち尽くしたから只の文鎮だな」
帰ったらキョーコに聞こう。ミヒャエルさんの着ている服は丈夫そうだ。足元もブーツだし、両手剣も持ってるからこのまま森に行っても大丈夫かな。
「じゃあ森へ行きますよ?」
「私達はこれを使います」
メアリーがミヒャエルさんに刀を見せていた。
「おお!カタナだな、キョーコが日本人なら貴女達が持ってるのも納得だな」
そうか、納得なのか。何に納得なのか不明だが。
森へつくと、金髪ハーフエルフと豪華な鎧を装着した男が倒れていた。あれ?ジュリアとサムソンだ。あれ?
「ちょ!?ジュリア、サムソン?大丈夫!?」
二人とも血を流して倒れていた。幸い息はしているが、出血がひどい。辺りを見回す。あ、薬草。薬草を摘んで汁を垂らす。応急措置。
「ぐ、あいつらジュリアの弓を奪っていきやがった、俺の剣も…」
サムソンは意識を取り戻した。ちなみに鎧はサムソンのからだにぴったりと作られていたから取られなかったのかな。いや、これは…サムソンの体の下からちぎれた手首が出てきた。二人とも血塗れだけど両手あるから、知らない誰かさんの手だろう。
「マチルダ、メアリー、私が回復魔法を使うよ。ただ、あまり回復しないがな?ヒール!」
ミヒャエルさんの魔法で一応出血が止まった。傷は塞がってはいないから、また出血しそうだけど、一応無事そうだ。今二人は気を失っている。
「この世界は追い剥ぎがいるのか?」
「そうね。盗賊団とかもいるよ?」
「人さらいもいるから」
ミヒャエルさんの質問に私とメアリーが答えた。
とりあえず、ジュリアとサムソンを地面に寝かせる。毛布とか持ってないから仕方ないね。
「マチルダ、ミヒャエルさん、お客さんだよ!」
メアリーか鎖ガマの分銅を回していた。この臭いは!ゴブリンだな。血の臭いに釣りて来たのか、茂みから物音がする。その刹那、背後からゴブリンが飛び出してきた。
「甘いよ?」
メアリーの鎌がゴブリンの喉元を切り裂いた。少し遅れて前方からのゴブリンはミヒャエルさんが両手剣で突き刺していた。しまった。出遅れたよ。
「そうか、ゴブリンはこの位の強さなんだな。メリケン兵より、小柄で素早いな。ただ力は弱いかな?」
メリケン…何それ?モンスターかな?
「マチルダも働け!」
メアリーに怒られたから、茂みの中にいるゴブリンを刀で刺しておいた。
「ほら、メアリーちゃんとやってるよ!」
「よし!許す!」
「やるなぁ。メアリーもマチルダも。ここでは私の方が新兵だもんな」
何だかんだでゴブリンを全滅させた。ひーふーみーよー…全部で8体のゴブリンを屠った。これなら依頼も達成かな?
「ミヒャエルさん依頼が達成できそうだから、あと2体狩ったらギルドに戻りましょ?寝かせてる二人も気になるからね。良いかな?」
「あぁ。大丈夫だ」
「マチルダー!そう言うと思って狩っておいた」
メアリーの仕事が早い。私の事をわかってるね。
サクサクと魔石を回収した。
「私がこの鎧の男を背負っていくから、こちらの女性は任せて良いか?」
ミヒャエルさんは紳士だった。これがこの間、あれ?なぜか数ヵ月前に感じるけど、気のせいだよな?この間イモ村で倒したキモデブハゲな屑勇者だったら、ジュリアのスカートに頭を突っ込んでくんかくんかしていたに違いない。紳士と変態か。同じ勇者なのに、えらい違いだ。
「マチルダ、私がジュリアを抱っこしてくから、ハァハァ」
メアリー?何故顔を赤らめ息が荒いんだい?




