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8 激しいお買い物

 血を拭い終わった私はハンカチを洗って返すからと良いかけたところでキョーコが魔法を使った。


「エクストラクリーン!」


 私を中心にハンカチも部屋のなかもきれいになった。もちろんメアリーもピカピカ。流石勇者様だよ。


「そのハンカチは元の世界のだよ?マチルダにあげるよ?使ってね。所でマチルダとメアリーは休暇中だよね?」


「うん、1ヶ月位休暇中だよ?それと、除隊依頼中かな?」


「明日から旅に行くんだよ?」


 私とメアリーがそう答えると、キョーコの顔がぱぁっと明るくなった。ハンカチはなんだかいい香りがする。貰っちゃった。


「ねぇ、私も連れてって?」


 話を聞くと、へなちょこロビンが漏らして今日の召喚が終わった後、近衛隊の本隊の隊長の指示でこの宿舎に停まることになった。その時に私とメアリーを頼るように聞いていたそうだ。


「朝から探してたのにいないんだもん。でも会えて良かった!」


「わかったよキョーコ。明日から私の故郷イモ村に行くからね?」


「馬車4人乗り頼んで良かったね?明日は食料と水を追加で注文しないとね?」


「ごめんよー?でもでも、私…あ、ちょっと耳かして?」


 何々?キョーコの方に私は耳を近づけた。


「ちょっとだけだよ?返してね?それと、ヒールもお願いね?」


 メアリーは耳をちぎって渡してきた。そういう体をはったギャグはいいから。あわててキョーコがヒールで耳をくっつけていた。


「ふー、それでね?私はスキルでインベントリ、えーとアイテムボックスの上位互換だね。時間経過なし、容量無制限を持ってるから。一家に一人、持ってて良かった女勇者だよ?」


 私とメアリーは盛大に吹き出した。ぶふぉう。伝説のスキルじゃん。おとぎ話の世界だよ?アイテムボックスは割りといるって話だ。私もメアリーも持ってないけど、重力に負けたシンシアがそのスキル持ってた。超便利。大きさは詳しく知らないけど、流石に無制限じゃ無いはず。でも時間経過は緩やかだったのかもしれないけどあったな。戦場で腐った魚が出た来たから。敵兵士にぶつけてたな。あの兵士は気の毒だった。


 シンシアは大きな胸が重力に負けて垂れてたけど、魅力的な女性だ。垂れてるのがエロかった。だから一番最初にお嫁さんに行った。前王様の甥っ子だったかな?玉の輿だよ!イケメンだったよ!従兄弟のロビンとはえらい違いだよ!


「と、ところでキョーコは料理できる?」


 衝撃の告白を聞いて、心臓がばくばくいってるのを落ち着かせるようになんとなく聞いてみた。メアリーは唾が肺の方に入ってしまったのか咳き込んでうずくまっている。


「うん、料理大好きだよ?大学で独り暮らししてたときも、毎日作ってた。ちょっといろいろ試して、料理教室荒らししてたからね?でも、こっち来てお金がないから色々なもの買えなさそう」


「キョーコ、安心して?お金は私が出すから。キョーコの目で見て美味しそうな食材を買ってね?このコンロ使えるよね?」


 メアリーが目をキラリと光らせて立ち上がった。魔道コンロを持ちながらなのは流石だ。


「え?これコンロなんだ。この摘まみに魔力を加えながら捻るのね?あ、点火できた!火力も調整できる!これなら色々料理できるよ!薪だと不安だったんだよ?」


 明日はキョーコの装備を整えなきゃね?その日キョーコは私達の部屋に停まった。インベントリからベッドを出したよ?


 次の日は早起きした。朝市で食材の確保だ。


「うーん、日持ちしそうなものだとじゃがいもくらいかなぁ?」


「そうだね。このじゃがいもたぶん、うちの村のお芋だよ?」


「ねぇ、マチルダ、メアリー、日持ちしないのでも大丈夫だよ?気にしないで私が持ってくから。ね?選んで良いかな?」


 はっと思い出す。キョーコが運べば、時間経過無しだった。私もメアリーもこくこくと頷いた。


 一通り朝市を堪能した。朝市でも冒険者カードで買い物ができるのは便利だね。キョーコが選ぶ野菜やお肉、お魚、卵等々を次々に買っていった。私達の通ったあとにはペンペン草しか生えてなかったよ?


 朝市のおばちゃんに話を聞くと、お店何かには既に卸した後で、一般の人が買いに来る時間には補充されるとのこと。普段は補充は昼頃らしいけど。朝イチで補充はこの朝市の記録更新したようだ。まだ7時前だよ。


 露店の串焼きを買って三人で朝ごはん。広場のベンチに座って食べた。外で食べるごはんは美味しいのだ。


 オーク肉って、なんの肉ってキョーコから聞かれて戸惑った。オークに決まってるじゃん。あの緑色の皮膚で二足歩行の。エロいことするために女の人を拐う。くっころで有名なオークですよ?


「ねぇ、豚肉って言って?お願い豚肉って言ってぇぇぇ!!でも美味しい……」


 キョーコには二足歩行の豚を食べる文化がなかった。美味しいのに。まぁ、慣れるでしょう。美味しいもんね。


 周りのお店も開き出したのでキョーコの装備を買うために、武器屋と防具屋に向かう。


「おはよー!またきたよ?」


「おはよう。おじさん、武器みせて?」


「なんだ、昨日のじゃあ不満だったか?」


 奥から禿げた頭が出てきた。朝日が反射してまぶしい。


「私の装備がほしくてお邪魔しました。よろしくお願いいたします。キョーコです」


「嬢ちゃんたち、こんな美人を連れてきてくれて、おじさん嬉しいよ。よし、どんなのが欲しいかな?お嬢さん」


 勇者様なら片手剣かな?両手剣も捨てがたい。いや、意表をついての弓、この選択も面白そうだ。妄想していたらキョーコが話し始めた。あ、刀もいいね!


「あのー、私は武器触ったこと無いんで、初心者にも使える武器をお願いします」


 そうそうハルバード振り回すのもカッコいいよね?あれ?何か言ってたな。


「それじゃ裏庭に来てくれるかな?ちょっと試そう」


 相変わらずメアリーは拷問器具を物色していた。その鼻フックは置きなさい?あれ?移動するの?ついて行くと裏庭だった。キョーコの力を見せつけるのかな?


「お嬢さん、まずは片手剣で、あの巻き藁を切ってみな?」


 おじさんから片手剣を受け取ったキョーコは巻き藁の前にたった。うん、私やメアリーなら巻き藁が地面につくまでに三回は切れるね。あの片手剣でも。


「とぉー!」


 キョーコが巻き藁に切りつけると、巻き藁は勢いよく倒れた。うん、切れてない。おじさんが確認すると中心の棒が粉砕されていたようだ。あれ?


「本当に初心者なんだな。でも棒が腐ってたかな?まぁいいか。はじめの内は打撃武器が良いかな?」


 おじさんは頑丈な木でできた棍棒から鉄製のメイス、変わり種の三節棍を取り出していた。あれ?勇者様の武器としてどうなんだろう?いや、このギャップに萌えるかもしれない。


「両手で持ってみて重すぎないものを選べば良い。重すぎると振り回せないからな」


 キョーコは鈍器を一つ一つ確認しながら持ち上げて振り振り。メイスが気に入ったようだけど、あれ?キョーコの持つメイスがどんどん大きくなるよ?


「おじさま、これ以上大きいのはないですか?」


「……あ、あぁ、それが一番大きいな?」


 え?それ何キロあるのよ?えーと、頭の部分が私とメアリーを合わせたくらいかなぁ?それに棒がついてる。それを軽々と振り振りしてる。ぱねぇぜ!勇者様!



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