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65 走り続ける

 私達は特殊遊撃隊、シュババ!


 時間はそろそろ夜。一つめの村だ。でも走り続ける。シュババ!


 馬車は見えない。シュババ!


「お腹空いたから、休憩ね?まーちゃん、メアリーちゃん!」


 隊長が空腹に耐えかねて、闇のなかで休息だ。ここどこ。


「うふふ。赤飯のおにぎり。うまうま」


 メアリーが早速食べてた。私も食べよう。オークステーキをモグモグ。素敵。


「お腹一杯だよ。今日はもう寝るよ!結界!」


 隊長が道の真ん中でごろんとなった。寝始めたよ。道の端によせて私達も就寝。おやすみ。ふごー。


 夜明け前に目覚める。とりあえずおにぎり。隊長が分けてくれた。ツナマヨのおにぎり。美味しい。でもツナマヨ1に対して赤飯2の交換は等価交換ではない。改善を要求する。


 私達は走り出した。シュババ!


 まだ馬車は見えない。シュババ!


 シュババ!お昼頃次の二の村だ。疲れたから今日は宿屋に泊まる。この村も一の村も宿屋は充実している。何故ならば、王の村と大きな街の中継地点として、休憩所として、だいたい一日でつく距離に配置されているから。


「まーちゃん、メアリーちゃん、今日はこの宿にするよ!ここでは任務は一旦停止ね?」


 隊長からヒルデさんに戻る。昼だけど、都と街を行き来する人は多い。人気の宿はすぐに埋まってしまう。特に料理が美味しい宿はすぐに埋まる傾向がある。あとは部屋がきれいな宿とか、お風呂が広い宿とか。


 もちろんヒルデさんの選んだ宿は、この村一番の料理自慢の宿だ。四人部屋が取れた。チェックインしてまずは村を散策だ。探してる馬車はこの村にもいないってことは街についてるのかな?


 人の行き来が盛んだから、村とは言ってもそこそこの賑わい。イモ村と比べてはいけない。


 賑わいがあるから通りには屋台も並んでいる。いろいろあるな。


「まーちゃん、これ食べよう?」


 ヒルデさんが指差すのはたこ焼き。もちろん昔勇者様が作り方を披露したものが広まったものだ。私はまだ食べたことがない。


「あー、たこ焼き!私好きだな。学生の解きによく食べたな、これ!」


 メアリーは食べたことあるのか。苦学生の私は学生の頃に食べたものと言えばパンの耳とかだからな。あとは仕送りで干しイモとかじゃがいもとかを大量に送ってもらってた。とある一日の私の食事メニュー。朝 パンの耳三本 昼 蒸かしたじゃがいも 夜 蒸かしたじゃがいも おやつ 干しイモ。


 あの時にバターがあったら人生が変わっていたかもしれない。


「はい、まーちゃん、メアリーちゃん。お姉さんの奢りだからね?」


「ありがとう!」


「ありがとう!ヒルデさん!」


 ヒルデさんはお母さんだったりお姉さんだったりと立ち位置がぶれぶれだけど、存在が神にちかいものだから許されるんだろうな。さて、いざ初めてのたこ焼き!


「はふはふうまうま」


 メアリーが一口で頬張ってるけど、私はやめておこう。熱そう。外はカリっと、中は熱々のトロトロだ。美味しいけど、口の中を火傷する。でも美味しい!


「はふはふ」


 たまらずひとくち頬張ってしまう。口の中の皮がベロベロだけど、もう一つ、もう一つと構わず頬張ってしまう。そんな魅力的な味だ。


 私もメアリーも口の中の皮がベロベロだけどおいしくいただきました。ごちそうさま。


 村の散策はつづく。馬車の痕跡をたどってるんだよ?一応。市場にきた。昼過ぎだから人はまばら。既にしまっている露店も多い。


「ねえ、おばちゃん。昨日はどんな人がきたの?勇者様が来たって噂を聞いたんだけど?」


 とりあえず聞き込みだ。これなら怪しまれないだろう。


「あぁ来たね。剥げたのが。威圧的でうちの野菜を持っていきやがった」


「うちもだよ。お供の騎士まで一緒になって店に並べたの持っていきやがるんだ」


 うちもうちもとでるでる。


「確か今朝出発したねぇ。二度と来るなって思うよ」


 市場では残っていたすぐに食べられそうな果物とかを買った。あとジュリアに大根のお土産。葉っぱつきだよ?


 おばちゃんたちから御礼を言われて、売れ残った野菜を中心に沢山おまけをつけてくれた。ラッキー。


 夕暮れ前に宿に戻る。


「ねぇ?シェフにこれで美味しいもの作れるか聞いてくれない?」


 宿に戻るとアイテムボックスから野菜を取り出したヒルデさんが宿屋の娘さんに聞いていた。


「うわぁ、いいお野菜ですね?お父さんに聞いてくるね?」


 厨房に聞きに行った娘さんが戻ってきた。


「大丈夫ですって。材料分代金から引くか、料理を追加するって言ってたよ?」


「料理を追加でお願いね!」


 即答で決まった。まぁ、ここのお金はヒルデさんが出してくれてるからいいか。野菜とかもろもろを渡して、部屋でゴロゴロ。


「お客さーん!ご飯ですよー!!」


 いい匂いがしてきたなと思ったところで、夕飯が出来たようだ。


「お客さんは一番広いテーブルね!」


 普段は六人掛けだろうテーブルに料理が並んでいた。うぉ!?


「さ、食べますよ!」


 食べに食べた。食べる側から空いたお皿が片付けられて、料理が追加されていく。なにこれ?夢なのかしら?美味しい料理が食べても食べても追加されていった。


 最期の一皿をヒルデさんが完食してごちそうさまでした。回りから拍手が聞こえた。


 何故あんなに多かったのかヒルデさんに聞いたら、秘蔵のお酒を一本渡したそうだ。ハイエルフ秘蔵のお酒か、私も飲んでみたいかな?


「そういうと思ったから、用意してあるよ!」


 グラスが三つ運ばれてきた。琥珀色の液体が入ったグラス。おかれたグラスを手にもち匂いを楽しむ。


「すごく芳醇な薫りだね?」


「美味しい!!」


 既にメアリーは飲み干していた。メアリーはあんまり強くないからほどほどにね?やだよ?倒れたメアリー運ぶの。だっておんぶした背中でリバースするもん。いや、した。まぁ、いいか。ひとくち飲もう。


「うお!?か、これは…美味しい!!」


 なにこれ?なにこれ!ふぉー!!


「うふふ?次に飲めるのは誰かの結婚式かしら?」


 よし、このお酒を飲むためにもジュリアとサムソンを早いとこ結婚させるよ?今回の旅も早急に終えなくては。


「じゃあ、寝る前に作戦会議だよ!任務開始だ!」


「ういうい!」


「アイアイマム!」


 お部屋で作戦会議が始められた。夜は長い。


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