55 キョーコのテンプレ
四つの頭のない死体を入れたマジックバッグと薬草を片手に来た道を戻っていた。帰り道は私達と破壊する者のパーティーメンバーとシルビアさんがまとまって歩いている。
「マチルダ、楽しいお知らせがあるんだけど?」
「なにキョーコ?」
「マチルダの称号が増えたよ?耳かして?」
キョーコは私の耳を手で覆いこそこそと話しかけてくれた。称号はサイコパス☆マチルダとマッドサイエンティスト☆マチルダだった。一気に2つか。星はなんなんだ?名前の前に星マーク入ってるって聞いて聞き直したよ。
「一応自己紹介しておく、パーティー名はさっき言った通り、破壊する者だ。俺はリーダーのスミスだ」
「私はジェシカよ。よろしくね?」
「おう、俺はマックスだ。よろしくな?」
スミスは金属の全身鎧、ジェシカは革の鎧を胴に着けてるけど、手には私達がしてる手袋より薄めの革手袋の上に厚手の布の籠手、足には頑丈そうなブーツ。マントを羽織っていた。マックスは私とかメアリーににた感じだ。部分的に金属を着けていた。
あと、シルビアさんは特性の金属製胸当て。デカイ。そして革の籠手とすね当て。マントを羽織ってる。ブーツは編み上げ。革のレギンスを履いてた。レギンスは側面が編み上げで地肌が。はうっ!?色っぽい!メアリー顔が真っ赤だよ
「私はメアリー」
「キョーコです」
「ジュリアだよ?窓口で何度か会ってますね?」
「私達のパーティーは旅する乙女たち。私はマチルダ。よろしくね?」
「お、パーティー名、決まったんですね。姉御!」
シルビアさんに姉御って呼ばれるのは何だか恥ずかしい。同い年だよね?そんな事を考えてたら門まで着いた。
「あれ?マチルダ、メアリー?早いじゃん。忘れ物か?」
「違うよ?お昼食べに戻ってきたんだよ?」
「ウフフ?門番さん。戻りました。午後もお仕事ふぁ、い、と!」
「美しいお嬢さんに応援されちゃ、張り切るしかないね!」
「通るよ?」
「おう!通りなさい!」
またジュリアのボディタッチが炸裂してる。サムソンのぼせるなよ?
ぞろぞろと歩いてギルドに到着。受け付けにはエリが見えた。よーし。報告しちゃうぞ!私もちょっとテンプレ楽しみなんだ。
「エリ!薬草採ってきた!」
「お疲れ様です。マチルダさん。薬草の採取でしたね。それならここで受付しますので、カウンターの上に束をお願いします」
エリに言われた通りに10本でまとめて一束にしてある。よしよし、柄の悪そうなのが来てる来てる。
「おう、ねーちゃんたち、お花摘みに行ったついでに薬草でも摘んできたのか?ぐへへ、俺がお花摘み仕方を手取り足取り教えようか?」
「テンプレきたよ?マチルダ!!うわぁ。絵にかいたようなテンプレだよ!いいねいいね!このがらの悪さとか、堂ににはいった屑っぷり!」
教科書通りのテンプレだ。そして柄の悪さも。これ以上ないテンプレ。キョーコもはしゃぐよ。私も楽しい。
「おいハゲ?その臭い口を閉じとけ?閉じないなら物理的に閉じさせるぞ?」
あ、メアリーが絡みだした。御愁傷様です。テンプレ男さん。後ろの席にもニヤニヤしながら見てる屑どもがいるな。よし巻き込もう!
「おや?そこの口臭なハゲは後ろにとっつぁん坊やな仲間と、髭のちびっこの仲間がいるんだね?一人で喧嘩もできないお子ちゃまか!シルビーママのおっぱい目当てで通ってるんでちゅね?エロがっぱだなぁ!」
「何だと!」
「ぶっ殺されてぇのか?」
私の挑発にハゲと髭のちびっこととっつぁん坊やが武器を構えた。私とメアリー、キョーコの目が光る。良いんだね?それを抜いたってことは。殺るか殺られるかだ。
「黙れハゲ!」
まずはメアリーがハゲ頭にげんこつをくらわす。かなり手加減しているけど、ハゲ頭凹んでない?
「うーん、髭が似合いませんねぇ」
キョーコは髭のちびっこの髭を両手に持ち、引きちぎった。うわぁ、えぐい。上唇ごといったよ。そのままボディ入れられた髭をなくしたちびっこはうずくまる。
「とっつぁーん、くらえ!」
とっつぁん坊やの鳩尾に爪先が突き刺さる。あ、ミスリルのトウ着いてたっけ?良かったはずしてた。あれ着いてたらとっつぁん坊や死んでた。爪先が背中まで突き抜ける所だった。
「あわわわわ、喧嘩はやめてって叫ぶ前に終わっちゃった…」
「そうそう、まだ5束しか出してなかったね?あと3つあるから!」
カウンターの上に倒れ混んでいたハゲ頭を床に落として残りの薬草を並べる。
「ジュリア。ちょっとこっちこい」
ジュリアがギルマスに連れていかれたけど、エリは黙々と査定してくれている。こいつら臭いから外に捨ててくるか。メアリー、キョーコ手伝って?
ギルドの外、馬車の駐車場脇の馬糞置き場に頭から突っ込ませておいた。髭のちびっこが馬糞の山に足だけ出してる。とっつぁん坊やとハゲ頭はうつ伏せで頭だけ埋もれていた。
「ふー。一仕事終えたね!」
「テンプレ楽しめました」
「いけ!苦悩の梨さん!」
ハゲ頭にとどめの苦悩の梨が突き刺さった。血塗れだよ?次のトイレが大変そうだ。
「ストップ!お前らそこまでだ。それ以上はやるなよ?」
「先にこいつらが武器抜いたよ?武器を抜いたんだから死ぬ覚悟はあるよね?」
ギルドマスターに止められたけど、メアリーが反論。これには私も賛成だ。
「それについては全面的にそいつらが悪い。死んでも文句は言えんな。ただ、手加減してやれ?…あぁ、くそ!こいつらの方がランク上か。ちっ、誰かヒール掛けてやってくれ!もしくは中級ポーションよこせ?」
このまま馬糞に埋もれるがいい。




