54 巨乳との遭遇
森の奥深く。とある実験は4人の女によってはじめられた。
「マチルダ、これ」
メアリーが私に渡してきたのは耳の穴からピンクの何かが零れ落ちている首だ。さっきメアリーが殺した人攫いの手下Aだ。鼻が見事に粉砕され陥没している。痛そう。
「ありがとう。それじゃここへと」
首が先ほど刈り取った薬草の株元へ置かれる。供えられたとたんに、しわしわになる首。皮膚が見る見るうちに消えていく。吸収されてると思う。ちょっと目を離すとそこには崩れた骨のかけらがあるだけ。それも吸収されて消える。わさわさの薬草。刈り取る。
「マチルダ、これ」
キョーコが渡してきたのはさっきキョーコが殺した手下Cだ。こいつは頭を破裂させられたから体だ。胸に刺青があるな。何の形だろう。あれ?こいつらみんな同じ刺青してるな。お揃いか。と思いながら、供えると体は変化がない。おおう。メモメモ。体はだめと。お揃いの刺青あり。刺青の絵も書いておこう。
「マチルダ、これ」
ジュリアが渡してきたのはさっきジュリアが殺した手下Bだ。後頭部からいろいろと漏れている。そっとお供え。今度は株元から1メートルほど離してみた。首に変化はない。半分の50センチほど。まだ変化がない。25センチ、まだまだ。10センチ、ちょっと変わった。一番薬草に近い部分が吸い込まれていくような感じ。5センチにしてみた。一気にしわしわになる首。メモメモ。首を置くなら5センチと。5センチと10センチの差がわからない。だがこれは薬草界にとって大きな一歩だ。
「ところでジュリア。こいつらはどうすればいいの?首なくなっちゃったけど…」
イモ村への帰省のときは、首をギルドへ提出した。今回は首がなくなった。さてさてどうしよう?
「うーん、身体持ってく?こいつら特徴的な刺青あるし、一応提出して、この辺りででたってこと言えば報償金出るとは思うよ?」
盗賊や山賊などの犯罪者は身体的な特徴がギルドに報告されている。情報にも対価があるのだ。この情報で、次の犠牲者がでなくなるかもしれないから。情報大事。
「一度戻ってお昼にしようか?今日は準備してないからね?食堂行かない?で、午後から魔力草ね?」
キョーコが魅力的な提案をしてくれた。ギルドの食堂でご飯か。あ、私は今日はあれ食べる。エリが食べてたカルボナーラ。
森の奥から浅い場所まできた。
「あれ?シルビア!どうしたのこんなところで?」
茂みを抜けると巨乳が揺れていた。
「何だ、ジュリアかぁ。盗賊かと思ったよ。そんな所から出て来るから」
「ねぇ、シルビー?盗賊ってどんなの?」
メアリーがシルビアさんに訪ねていた。こいつらかな?
「あぁ、姉さんか。姉さん達なら話しても大丈夫かな?新人には言わないんですけどね?蛮勇で立ち向かって死にやすから。盗賊って言うか人拐いの四人組なんですよ」
「ちょっとシルビア落ち着いて確認をお願いできるかしら?ほら、マチルダ出したげて?」
「シルビアどうした?」
シルビアが即席で入ったパーティーのメンバーだろうか。男二人、女一人がきた。シルビアさんいるし大丈夫だろう。後で狙われても返り討ちにすればいいか。
「はいよ?ごめんよー?ちょっと汚れますよー?っと」
ドサドサと地面に落ちていく首のない遺体。悲鳴をあげる即席パーティーの女性メンバー。金髪ハーフエルフの皮を被った変態が喜んでそうだ。
「普通はこうだよ?普通はね?ぐへへ?」
「ちょっ!?ジュリア、こいつらはどこにいた?」
「森の奥だね。地図ある?地図で言うとこの辺りかな?」
シルビアさんの広げた地図は書き込みがしてあった。森の中の目印になるものを書き込んだようだ。ジュリアが指した所には白い枯れた大木と書き込みがあった。そうそう私そこで薬草見つけたよ。ほら?
「う!?たぶん私達が追っていた奴らだと思う…どう思う?スミス?」
シルビアさんにスミスと呼ばれた男は、全身鎧に身を固めていた。手には厚く重ねられた鉄の剣、剣と言うよりは鉄の鉈のでっかいのといったかんじだ。
「おそらくそうだろうな、身体の特徴をギルドで照合しないとはっきりとは言えないが…まさかこいつらを殺るとは…名うての盗賊団カマキリだぜ?お前ら等級は?」
「みんなFだよ?」
メアリーが答えてくれた。
「トウがたってるようにみえるが、Fだと?新人冒険者なのか!それが俺達が、C級パーティーの破壊する者の俺達が逃がしたこいつらをアッサリ殺したのか?」
ちなみに破壊する者の一人は盗賊団カマキリの罠で負傷して引退を余儀なくされたそうだ。だからパーティーにシルビアさんが加わってたのか。やるなぁシルビー。
「テンプレきたー!!」
ほら、そんな名前のパーティーで、C級パーティーなのに盗賊逃がすから、それを私達にアッサリ片付けられたから、キョーコが喜ぶじゃん。
「で、お前ら何しにここへ来たんだ?」
「薬草を取りにきたんだよ?ほら?」
採取した薬草はそれぞれのマジックバッグかアイテムボックスに入れてたから、代表して私が取り出した。どうせこの後盗賊の身体もしまうしね?
「…は?確かにFならそうだけどさ?」
「ちょ!?そんな…採取の片手間で?」
「し、信じられないわ?首が無くなってるけど、身体には傷がほとんど見えないわよ?」
私が後ろから刀で刺したの以外はいきなり頭に致命傷というか即死だったからね。
「流石です、姉御!」
シルビーさんの呼び方が姉さんから姉御に変わった。巨乳の谷間に獅子がキラリと見えた。




