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51 異世ペンのメアリーちゃん

 次の日は朝から冒険者ギルドへ。窓口のカウンターを飛び越えて、ひらりとしそうになるジュリアの襟を掴んで越えさせないようにした。少しの拍手と舌打ちが聞こえる。なんだかんだ言ってもジュリアは人気だ。主にぱんちらが。


「おはようございます。マチルダさん、メアリーさん、キョーコさん、あと露出エルフのジュリア」


 早い時間だけどもうエリが窓口にいた。冒険者ギルドもそこそこ混んでる。主に若い男女が多いかな。15才から20位の若い人。私達は何だかトウがたっているようで、場違い感がするけど、窓口についた。なにげにジュリアの称号増えたよね。


「ぐぬぬ、エリ、私達のパーティー名が決定したから登録しに来たの。登録用紙のその1とその2を頂戴?書き方は私が指示するから、他の子の依頼の引き受けをしてあげて?」


 ジュ、ジュリアが仕事してる!?キャリアウーマンだ。すげぇぇ。


「ではジュリア、こちらの用紙です。あちらの机使ってください」



 エリから用紙を受け取ったジュリアが指示された机に移動。私達もその机に行く。


「一番字がうまい人が書こうか。私はダメなのよ。こんなにきれいなのにね?字が残念なのよ」


 ジュリアは性格も残念だ。向こうでエリも頷いてるよ。


「私もこっちの字はどうなんだろ?うまく書けているかわからないんだよね?こっちの上手い字がどれかわからないからさ」


「キョーコの字って見たことないな。ちょっとあそこに書いてみて?」


 ジュリアのおでこを指差すと、キョーコは羽ペンにインクを付け、右手にもった。


「ん?ん?何かな?あれ?ちょ!?」


 キョーコはなんの迷いもなくジュリアのおでこに肉と書いた。うん。下手ではないけど、上手くもないね。うん。こんな時はメアリー、君の出番だ。


「ういうい」


 メアリーはキョーコから羽ペンを受け取り、インクを付けて、ジュリアの頬に渦巻きを書き込む。そのまま流れるように右目に割れたような傷跡を書き加えた。おぉ!すごい。


「ねぇ、ジュリア。書き方教えて?」


「あ、うん。ここにパーティー名を、こっちにメンバー名を。こっちの紙にはメンバーの名と住んでる場所だよ?」


 額に肉、頬に渦巻き、目には傷跡のジュリアが仕事をしている。向かってる場所は迷走しているけど。さらさらと羽ペンを動かすメアリーの字は美しかった。このまま上達すれば、日◯ンのメアリーちゃんとして初代と共演するかもしれないよ?一緒に爽やかな笑顔でキチ◯イと叫ぼう!


「これでいいかな?」


「すごい!メアリー字がきれい!…えーと、書き間違えもないし、完成だね。提出してくる!」


 メアリーから用紙その1、その2を受け取ったジュリアが走り出す。そして窓口のカウンターをひらり。そして計算されたかのようなちらり。しまった。


「ぶふぉ!?ジュリアお前、なんて顔してんだ?」


 ジュリアが窓口に入って少ししたらギルドマスターがマグカップ片手にきた。ジュリアの顔を見て噴き出す。


「あ!?忘れてた!てへ?」


 エリが濡れタオルでジュリアを拭いていた。まぁ、ジュリアはギルドマスターに吹き掛けられてびちょびちょ。ジュリアはびちょびちょになることが多いな。


「お、パーティー名が決まったのか、ほう、旅する乙女たちか。お!?これ略称か。略称は久しぶりだな。正式は旅する乙女~ハイエルフの娘たち~ か。ほー。良いんじゃないか?あ、そうか、あのお母さんハイエルフなのか?道理で神々しい訳だ」


 とりあえずギルドマスターにもお披露目が終わった。


「じゃあ今日は依頼を受けますよ!依頼表を見ましょう!」


 珍しいなキョーコがやる気だ。掲示板に貼られた各種依頼表。ただ、私達はFランクだ。討伐依頼はできない。採取依頼かな。


「お!これ受けましょう!薬草の採取と魔力草の採取ですよ!」


「キョーコ、それは常設依頼だから剥がさなくてもいいよ?エリー?これ受けるね!」


 ジュリアが窓口のエリに叫ぶと、エリは可愛らしくニッコリ微笑んだ。


「はい。承りました。細かな説明はジュリア頼みましたよ?」


 これだよ。この違いがベストとワーストの違いだよ。


「はい、注目!ジュリア先生よ?今から採取について説明するね。はい、マチルダさん、おしゃべりしない。次しゃべったら廊下に立っていて貰いますからね?」


「先生、私、しゃべってないよ?心でエリ素敵って思っただけだよ?」


「口答えしない。廊下に立っていなさい。それでは続けますね。どちらも10本で一束にしてください。納品するには束にしなくてはいけません。束になったら言うのです。美しいジュリア様ありがとうって…」


 廊下にたたされてしまった。くそう。窓口が空いていてエリがため息ついてるから教えてもらおう。


「エリ教えて?」


 メアリーとキョーコも来たよ。


「はい。説明しますね?えーと、薬草はこの絵の草になります。この都から分岐点のある場所、大きな整備された道を外れると森があります。そこに生えてますね。魔力草はこの絵です。これは一番小さな整備されていない道の隣の草原、一本木が生えてますね。その木までの所での採取をおすすめします。どちらも10本で一束になります、納品は束でお願いします。以上です。何か質問はあります?」


「ありがとう。エリ。薬草と魔力草を採ってくるね。あ、これ貼り出しておいて?」


 エリに頼んで結婚したいランキングしたくないランキングをギルドに貼り出して貰った。ジュリアの背中にも貼っておくか。


 崩れ落ちたジュリアに、とどめの一枚が背中に貼られた。ギルドマスターによって。

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