45 荷馬車に揺れる
「おい、そこのあんた、やっと気がついたか」
臭そうなロン毛おじさんが声をかけてきた。そう、護送馬車にのせられたら眠たくなったな。あれ?何でメアリーとキョーコが縛られてるの?そういうプレイ?こいつに強要された?
「その臭い口を閉じろ、ロン毛!お前か!メアリーとキョーコを縛りやがって。このド変態が!」
「ち、違う!俺はやってない!」
「ちっ、うるせーなぁ?このエルフはなにしたんだよ?凶悪犯なのは間違い無さそうだな?」
「お前ら!うるさい!黙れ!一番うるさいのは、エルフお前だな?お前らには猿轡噛ませておくから」
別の小物臭いおじさんが臭い息を吐いていた。その臭い口をとじろ?その息をメアリーにかけるんじゃない!くそ兵士に猿轡噛ませられた。喋れないじゃないか!私が主人公の回なのに!メアリーとキョーコはボールギャグでエロそうなのに、なんで私は普通の猿轡なの?なぜおじさん共はされてないの?
「そっちの黒髪のねーちゃんは何やらかしたんだ?」
ちょっと目を話したら臭そうなロン毛のおじさんがキョーコにちょっかいを出す。くそう。黙れロン毛、と思ったらロン毛がメアリーに蹴られてた。ざまあ。
馬車は都の外側にある塔へと向かっているようだ。二重になった城壁の内側だけど、町とは隔てられた場所。この塔は地下でお城と繋がってると、ギルドマスターの部屋の機密文書でみた。休日は市民にも解放されてるから機密文書でなくても良いのでは?と思った。
馬車が止まる。降ろされる囚人たち。それに混ざって私たちも降ろされた。
「今から名前を呼ぶものは、前に出ろ。メアリー?なにしてんの?マチルダ一緒じゃないじゃん。珍しいな?」
前に出るメアリー。ボールギャグ噛まされてるからフガフガ答えてた。きっと伝わってない。知り合いなのかな?そっかメアリーって兵士だったな。
「なに?緊縛プレイなの?はうっ!?」
メアリーに蹴られてた。痛そう。マチルダだったらつぶれてたな。
「お、俺はやってない!あっびゅっ!?」
針ネズミにされる小物臭いおじさん。射手の仕事が早い。せめて神様の名前の羅列を叫ばせてあげて?
「射手早すぎぃ~もう!私の台詞ないじゃん」
誰だおばさん。カッコいいなその兜。モヒカンみたい。
「隣町のロン・ゲクサイ前にでろ」
くそ…風体の通りの名前しやがって。くそ。くそ。こんなので、こんなので…
「隊長、こいつら二人は名簿に名前がないです。いかがいたしましょう」
「全員殺しなさい」
ちょっとおばさんなに言ってんの?こら?ちょっと私たちが可愛いからって、おばさん焼きもちはどうなの?ヒステリーなのか?
「まぁ、あれだお前達は死んで祖国へ帰れる。たぶん、きっと、おそらく」
ふと横を見ると既に処刑がスタートしてた。メアリー?なぜ首を刈る方に回ってるのかな?ボールギャグからヨダレを垂らして両手斧で首を刈る姿はトラウマものだ。
「助かるよ、処刑人が今日は勇者召喚の方へ行っててこっちこないんだもん」
振り下ろされた斧によって、ロンゲクサオだっけ?臭いロンゲはその体とおさらばした。首、切られたロン毛、体と三分割された。でも、ここはマチルダの方があうな。剣の音と渾身の一撃ね?ロンゲクサオもかつての英雄かもしれんし。
あぁ私の番かと思ったらモヒカン兜おばさんによって、キョーコが処刑場に膝をつかされていた。遠くから何か聞こえる。足音?
「なんだ?なにが聞こえる?調べなさい!ぶべら!?」
金色の光が線を引きモヒカン兜おばさんが横へ吹き飛ぶ。そして股間を蹴り挙げられ上に舞った。ドチャッと落ちたおばさんは物理演算がバグったように痙攣している。あれ?ドラゴンは?ドラゴンはどこ?
「ふージュリアちゃん、大丈夫?」
「何でメアリーは首を刈ってるの?またお祭りしたいの?エロいの着けて、え?キョーコもエロいのつけてる?よだれ垂れてるよ?二人とも。ジュリアはえろくないね!健全だよ」
お母さんとマチルダが来てくれた。お母さんが蹴り、マチルダも蹴ってくれた。でも、ここでドラゴンが来てキョーコが勇者だってわかるんじゃなかったの?私もエロいのがよかったのに!
「ちょ、処刑は待て。下着泥だから死刑でも当然だが、待て。下着泥に関してはジュリアは冤罪だった。グラス副ギルマスとオヴァサーン会計長の犯行だった。疑ってすまなかったなジュリア」
ギルマスも来た。だから名前よ!名前!そのままじゃん。あのメガネ、名前もグラスなのかよ。おばさんに至っては声もでねぇよ?なんだよオヴァサーンって。あぁもう。私の主人公回が、終わりを告げようとしていた。いろいろ混ぜすぎだよ?パロってパロって、収拾ついてないじゃん!ああぁぁぁぁぁ!!!
ここからは私のターンだ。ジュリアには任せてられない。猿轡噛まされてヴーヴー言ってるから。穴の空いたボールを噛まされたメアリーが血塗れの斧を片手にヨダレ垂らしてるからホラーだよ。キョーコがほどよくエロくてほっこり。仕方ないから全員の外した。
「だから私はやってないって言ったでしょ!」
「それについてはジュリア申し訳なかった」
ギルドマスターはジュリアに対して深く頭を下げた。おい、ジュリア余計なことするなよ?するんじゃないぞ?したらぶつよ?
「…土下座だ。土下座してもらいましょうか?いーから土下座ぶべら!?」
余計なことをする前になぐっておこう。話が進まない。色々混ぜすぎだよ。土下座は見えないところでやりなさい。
「ごほん…ジュリア。とにかく冤罪だった。オヴァサーンが試供品といって各種セクシーランジェリーを用意、女性職員が着替えたところで、着けていた下着を盗んだ。その下着をグラスが個人的に買い取っていたということがわかった。グラスのポケットから繋げられた下着が出てきて二人とも自供をはじめたよ」
「それでギルドマスターさん?話し合いの続きをお願いしたいんだすけど?」
ヒルデさんがギルドマスターに提案。ギルドの部屋へ戻った。
「それで、さっきの話の続きなんだが、グラスとオヴァサーンは極悪人として連行された。どうもこの後勇者様と何かやるらしくってな?よくわからんが、極悪人を用意しろと、さっき二人を追いかける前に王の名で届いてな?あいつらは城だ。その後は知らんし、知りたくもない」
恐らくくだらないことしてるんだろうな。この後、隊長に聞けたら聞いておこうか。




