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43 垂らし続ける

 アラサーのお姉さんこと、ジュリアの姪っ子が戻ってきた。後ろにいるのがお姉さんの母親かな?うーん、若い。アラサーに見える。ジュリアの姉か。


「ちょっとジャスミン、どうしたの?仕事中よ?お母さん、そんなに早く走れないよ?還暦すぎてるんだから…」


 アラサーに見えるけど還暦越えだった。恐るべしハーフエルフ。


「ねぇ?ジュリア?前にほんの少し寿命がとか言ってなかった?」


 メアリーが水滴をポタポタとジュリアのおでこに滴ながら質問していた。ねえ?もうジュリアびちょびちょだよ?


「まさかお母さんがハイエルフだって知らなかったんだもん。てへ?」


「あら?ジュリアちゃん。普通のハーフエルフも人間と比べたら長生きよ?200年位かなー?クォーターだと100年くらいね」


 ハーフハイエルフはどうなんだろうか。聞くの恐いぞ?メアリーそろそろポタポタ許してあげて?アンシンメトリーの髪がべちょべちょでおでこに張り付いてるからさ。


「普通のエルフだと500年くらいなんだけど、一番上の長女は確か今それくらいね?ジュリアと500歳差のお姉さんだよ?その子供は既にね?200歳位で寿命かな?」


 少しだけ悲しい顔をしたヒルデさんがニコッと笑顔を向ける。ルシアさんより、アラサーお姉さんのジャスミンさんの方が先に寿命がくる。ジャスミンさん200歳くらい寿命がある可能性が出てきた。そしてジュリアは500年以上の可能性がでた。ヒルデさん幾つなんだろう。いえ、何でもありません。


「お母さん、こっち!」


「はぁ、はぁ、ちょっと休憩させて?ここ何十年は事務仕事しか…してないから走れないよ?」


「久しぶりね?ルシアちゃん。ジャスミンちゃんは良い子に育ったわね?」


 ヒルデさん、末っ子が変態なんですけど、その事に関して何かありませんか?金髪ハーフエルフの皮を被った変態なんですよ?そして、たくわん色のハーフエルフですよ?


「……え?お母さん?40年ぶりかしら?そっくりさんとかじゃないよね?ジャスミン?」


「エヴァ叔母さんのことも知ってたよ?それとお母さんの妹だってジュリアさん」


 姉妹にしか見えない。しかもどちらがお姉さんか聞かれたらかなり迷いそうだ。正解は親子か。そんなのわかるかー!


「…結婚式ぶりだよ。私より若い男と結婚するんだもん。そっかジュリア苦労するよ?早めに彼氏見つけなさい。私は彼氏がいたから心の平穏が維持できたから。そうじゃないと闇に落ちるわ」


「ううう…がんばります」


 ルシアさんはその数ヵ月後に結婚し、数年後に出産。三年ほど前にご主人が病気で他界したそうだ。ルシアさん結婚するまでは冒険者してたんだって。ジュリアガンバ!


「ねぇ、ルシアちゃん、馬車と馬をセットで買うんだけど、勉強してね?」


「…あまり大幅な値引きはできないよ?この子とこの馬車ね?通常だと400万ギルだけど…そうね380万でどうかな?」


 いいね。悪くない。というか買った!という前にキョーコがすっと遮り、ルシアさんに話し始めた。


「ルシアさんは、今、さつまいもとじゃがいもが欲しいのでは?そう、馬のおやつとして。でも今月は街からイモが入ってこない。何故ならばイモ村で収穫量が減ったから。じゃがいも、さつまいもは1ケースいくらで仕入れてますか?」


「え?そうね。この子達にあげるおやつが足りてないのも、街からイモが入ってこないのも事実ね。今年はどちらも1ケース30万。全然ないから去年の三倍位ね」


「ありがとうございます。ところでここにイモ村直送のじゃがいも、さつまいもがあります。1ケースずつを差し上げますので、350万で譲って頂けませんか?」


 あれ?キョーコに何か考えがあるのかな。


「それだと…私たちの組合が得しませんか?」


「今回、芋を仕入れる助言をしてくれたのは、ジャスミンさんだと聞いています。仕入れた価格を考えても得してますし、残りはギルドで売却するので、お互いに得しましょう!」


「ふふふ、ありがとう。でもまだこちらが得しすぎだから、そうね、馬車の置き場は今住んでるところにある?なければ馬車と馬の管理保管費年間で60万なんだけど、一年間無料でどうかな?」


 キョーコがニコッと笑って私とメアリーを見た。


「このカードから引いて、チームの所有にしてください」


「あ、このカードからも引いてもらえますか?半分ずつ。できますか?」


「交渉成立ですね?ではこちらのカードから175万ずつ引かせていただきます、馬車と馬はチームでの所有ですね。窓口で記入をお願いします。さ、ジャスミン、案内してあげてね?」


「わかったよ!お母さん。ではこちらへ。お芋も中でおろしていただけると助かります」


 窓口へ移動し、芋を降ろす。その間、メアリーに用紙を記入してもらって、馬車と馬が私たちのチームの所有となった。


「ありがとうございました。それではご利用なさるときに、受付にカードをお見せください。冒険者カードに馬車組合の情報も入れさせていただきますね?」


 私、メアリー、キョーコ、ジュリアの冒険者カードに馬車組合の情報を登録。誰が来ても借りられるようにしてくれた。


「すぐにご利用なさいますか?」


「いえ、また使うときに来ます。馬に会いに来るのは大丈夫ですか?」


「何時でもお待ちしてますので、会いに来てあげてくださいね?」


 馬の名前も決めないとな。キョーコが、これからもよろしくって、インベントリからニンジンを出して与えていた。相変わらずびちょびちょのジュリアと、結局馬車組合では水滴を滴り続けたメアリーだった。


 ヒルデさんメアリーの方が壊れちゃってない?あの道具大丈夫なの?

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