42 初対面
ふんわりと神々しさに包まれる朝。温かい布団と母の温もりを感じて安心の二度寝。
「おはよー?みんな朝ですよー?キョーコちゃん、ご飯まだぁ?」
朝からハイエルフが元気だ。キョーコに朝御飯をねだってる。綺麗に穴の空いたテントから光が差し込む。都に戻ったら当て布して塞ごう。戦のときポーションなくて人体を縫って鍛えた腕の見せ所だな。
身支度を整えてテントをでる。キョーコが魔道コンロに火をつけて何か作り始めた。
「今日はパンとベーコンエッグですよ?」
オーソドックスな朝食。塩コショウ派、醤油派、ソース派で争いそうになるも、何もつけない派のキョーコの好みはみんな違って当たり前。の言葉で和平。味の違いはあっても、おいしいは正義で平和だ。
「あとちょっとで王の都ね。うーん定員オーバーだから、お母さんは首に縄つけて引き摺られるよ?」
ちょっとハイエルフの娘は、なに言ってるかわからない。別に引き摺られることなくない?
「ヒルデさん、私が馬と歩くから、御者して?」
「はう!?ジュリアちゃん、お母さん、マーちゃんを娘にしたいんだけど?」
「ダメだよ?イモ村にご両親健在だよ?それに私と言うかわいくて美人な末娘がいるでしょ?」
「ジュリアちゃんと交換してもらう!」
「じょ、冗談は胸だけにしてよね?え?まじ?」
そういえば、イモ村の父親は生きてるだろうか。次回は巨乳の娘が遺言かしら。シルビアさんが線香あげると供養になるかな。今度頼んでみよう。
「ふふ、冗談よ。冗談。じゃあお願いするね?(みんなのスピードに合わせて)歩くの苦手なのー?」
ヒルデさんが御者台に座った。それだけで何かこう、幌つきの馬車が厳かな何かに見える。なんだろうお神輿?普通の馬車馬がペガサスになったみたいだ。光って見える。隣はキョーコが良かったって?私で我慢してよ?
門についた。サムソンが今日も門番していた。欠伸してると怒られるぞ?
「おはよー!帰ってきたよ!」
「あ、あのう、どちら様の馬車でしょうか?なんだか神々しさも感じるの…って、あれ?マチルダ?何で行きと馬車変えたの?」
「変えてないよ?借り物だもん。入るよ?」
「お、おう。通ってよし」
馬車に揺られて、私は徒歩で都に帰ってきた。都に到着するまでにみんなで話し合って、まずは馬車の返却(馬を含めて買取できるか相談)、次にギルドにイモを売る、ジュリアの処遇の話し合い、エリとシルビアさんにお土産、兵舎に戻り隊長と話し合い。隊長にお土産、話し合いによってもつれたらどこか手頃な家を探す(キョーコとヒルデさんが住むところ。私、メアリーも一緒に住むかも?ジュリアも処遇によっては)、武器防具屋のおじさん達にお土産を渡す、ヒルデさんが都に住んでいる勇者様に会いにいく。と決まった。一応一通り全員で行こうと決めた。
まずは馬車組合だ。受け付けに向かう。
「いらっしゃいませ。馬車のご利用ありがとうございました。返却でよろしいですか?」
「あのー、馬車を馬つきで買うことってできますか?」
「はい。大丈夫ですよ?ちなみに売却も引き受けておりますので、馬車を拾った場合も安心してお持ちください」
馬車を拾うってと思ったけど、盗賊等に襲われた馬車が荒野に放置されてたりするから、拾うこともある。大きなマジックバッグとかアイテムボックスがあれば一台位は入るんじゃない?
「それでは馬車本体と馬の状態を見て見積もり出しますね」
馬車組合の受付のお姉さんと馬車と馬を見に行く。さっき停めた駐車場にまだ停まっていた。
「よしよし、お前、良い所へお婿へいくかもよ?ほら、今日まで借りてくれたこの人たちよ?どう?お婿へ行くかい?美人揃いだよ?ハーレムだね?」
お姉さんは今日まで私たちを運んでくれた馬に話しかけていた。
「馬とお話出来るんですね!」
キョーコがお姉さんに話し始めた。お姉さんは少しだけ驚いた顔をしたけど、すぐに素敵な笑顔を向けた。
「うふふ?私、なんとなくですけどわかるんですよ。この子達が思ってること。馬車組合の受付らしいでしょ?」
「人族だと珍しいですよー?エルフだとたまに居ますけどねー?あら?クォーター?」
「うわ!?ばれましたか?実はクォーターなんですよ!」
受付のお姉さんはうーん、耳普通、乳普通。ようこそ、こちら側へ。
「お母さんは…エヴァ?それともルシアかな?」
ヒルデさんの知り合いかな?エルフのネットワークって凄そう。森を通じて世界でお話しできたりしそうだよ。
「え?母のこと知ってるのですか?ルシアです。エヴァは叔母さんです」
「はじめまして。ヒルデおばあちゃんだよ?そして一番若い叔母さんのジュリアよー?」
お姉さんはアラサー位だよね?ほらメアリーこっちで話に参加しよう?そろそろジュリアも水滴に耐えきれなくて発狂しちゃうから。衝撃の事実に叫びそうだけどね?
「え?おばあちゃん…って?え?確かに母に少し似てるかな?でもジュリアさんが叔母さんって年下ですよね?私33ですよ?」
エルフの血は薄くなってたけど、存在感を発揮。アラサー前半、30手前かと思ってたら、後半だった。
「うふふ?20年ほど前に産んだのよ?だから私の娘だから叔母さんね?」
10歳位年上のジュリアの姪っ子は仕事ができそうなアラサーだった。
「ちょっとお待ちいただけますか?お母さん呼んできます!この組合の経理やってるんです」
ジュリアの姪っ子は建物に走っていった。ジュリアと違ってあざとさはなかった。でも慌てたのかな?母って呼んでたのに最後のがお母さんになってた。ちょっとほっこり。ジュリアにもこれくらい奥ゆかしいあざとさを学んで欲しいと思った。




