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4 はじめての冒険者ギルド

 馬車組合の事務所にきた。ここでは馬車関連の手配をしてくれる。馬車だけでも、馬車と御者の手配もしてくれる。兵士の時にも利用した。だって私達が乗る馬車、国が忘れてたんだもん。嫌でも御者覚えたよ…。だから私達に御者は要らないから、馬車だけレンタルすることに。


「こんにちは。明日から半月ほど借りられる馬車ありますか?」


「いらっしゃいませ。こんにちは。少々お待ちください」


 受付のお姉さんが後ろのボードにかかれた賃貸情報をみる。


「幌、有り無しで何台かありますけど、如何いたしましょう?」


 幌つきの資料を見せてもらった。一番小さなもので最大4人+荷物、大きなものだと10人+荷物だった。あの戦の時に6人乗りに10人乗ったなぁ。もうぎちぎち。ええ、武器も満載だよ。


「マチルダ、一番小さな4人で良いよね?」


「そうだね。あ、これより小さなのってないですか?」


「はい。これより小さなものは出払ってますね。ところでどのようなご利用を予定されていますか?」


「はい、イモ村まで、二人で行こうと思ってね?」


「イモ村ですか、ちょうど間にある山は天気が変わりやすいですから、幌がある方が安心ですよ?なので幌つきをオススメします。それと、これは独り言なんですけど、イモ村のお芋を帰りに載せてきて商業ギルドへいくと良いことあるかも?」


 そうか、時期的にお芋が沢山採れるはず。私の村にはサツマイモもある。


「うん、じゃあ幌あり4人で!」


 二人で4人乗りだからスペースは結構ある。幌のなかで二人が寝るスペースもありそう。帰りはお芋満載だね。


「ありがとうございます。それではこちらをご記入ください。お値段は先払いです。1日辺り幌あり4人乗りですと、5000ギルです。半月の15日ですと割引が適用されて70000ギルになります」


 メアリーが保証関連の用紙をさらさらと記入してくれている間にお財布から金貨を七枚、受付のお姉さんに渡した。


 ちなみに金貨一枚が10000ギル、銀貨一枚が1000ギル、銅貨一枚で100ギル、鉄貨一枚で10ギル、鉄粒一つが1ギルだ。


 勇者様は10000ギル、5000ギル、1000ギルを紙で作りたかったみたいだけど、この王国では流行らなかった。今では金貨だと重たくてしょうがない時に使う。例えば土地を買うときなんかは銀行で発行してもらうんだ。振り込みって言う方法もあるから、記念に紙幣を発行する人もいるんだって。


 私達の近衛班は英雄手当てがついたお給料もらっていた。ちょっと特殊で班に支給されたお給料を六人で割っていた。六人で割ってたときでも、受付のお姉さんの年収以上を月に貰ってた。それが今では私とメアリーで半分だから。ちょっと恐ろしい。メアリーも私も、たぶん残高5億弱くらいあるはず?


 受付のお姉さんの平均年収はだいたい200から250万ギルだ。これは王の都だと平均的な年収みたいだ。銀行振込って便利!って兵士になったときに思った。


「ちょうどお預かり致します。それでは領収書になります。こちらの札を明日、受け付けに出してください。それではありがとうございました」


 馬車組合をでて、明日からの旅に必要なものを買おうとしたけど、私もメアリーも学校卒業してすぐに兵士になったから、旅用品がどこにあるか知らない。だって兵士の時は後ろから荷物係がついてきてたから。足りなかったら伝令が走ってたな。


 さっき馬車組合のお姉さんに聞いておけば良かったなと思っていたら、メアリーが商人風の男の馬車を停めて聞いていた。物理的に停めるってどうなの?


「マチルダ!旅の食料は冒険者組合で買えるみたいよ!」


 冒険者組合はもともとこの国にあったものだ。商業組合もあったんだけど、時の勇者様が合併させた。これは割りと最近のようで、旧冒険者組合の職員とか、旧商業の職員もまだまだ残ってるって。何かで読んだ記憶が。そうだ、学校の社会の教科書だ。だいたい15年ほど前とのこと。


 そうそう、合併した新しい名前は冒険者ギルド。何故か勇者様がこだわってつけたらしい。王の都だとだんだんとこの名前も浸透してきていたけど、私達は組合って呼んでしまう。そろそろギルドって呼ぶようにしよう。


 合併したことにより、広くなったけど建物がへり、ギルド長も減った。職員数、特に受付も減った。仕事は増えたみたいだけど。まぁ、とにかく合併して一つの組織になっている。早速向かおう。


 冒険者ギルドの大きな建物に入る。中に入ると沢山の人がいた。買取窓口と販売窓口が見えた。買取窓口と販売窓口の中央に受付があるのも見えたのでメアリーに声をかけた。


「メアリー、受付に聞いてみようよ。私達は登録してないからさ?」


「うん、買えるかわからないもんね!」


 中央の受付には若い人が並んでいた。聞き耳をたててみると、冒険者ギルドへの登録のようだ。何々?あ、やっぱり登録しないと買取も販売も利用できないみたいだな。あと、登録料もかかるのね。ランクもあるのか。あと、討伐の記録で冒険者ランクもあるんだ。へー、勇者様が決めたんだ。


「いらっしゃいませ。冒険者ギルドへようこそ。今日はどのようなご用件で?」


「あの、初めてギルドにきたんです。僕たち商売をしたくて……」


「それでは登録をお願いします。登録料は年間10000ギルになります。はい、お預かり致します。ではこちらのカードに血を一滴お願いします。こちらの針をお使いください」


 この人たちが終わったら私達の番だね。このカードに血を一滴のシステムとかギルドに登録するシステムも勇者様が拘ったようだ。カードに本人の情報とか依頼の成功だとか失敗、売買の情報を登録するらしい。今までの話だとそんな感じだ。ちなみに合併前は登録なんてなかったと教科書に書いてあった。


 前の男の子達が、ギルドの受付のお姉さんに優しく治療魔法のヒールを軽めにかけてもらっていた。ぎゅっと手を握られて顔が真っ赤だよ。お姉さん美人だもんね。17、8位かな。


「…エロガキが!もげてしまえ!」


 メアリーがそんな事を呟いていた。刈り取る者の本領を発揮しそうだ。そんな事を考えていたら呼ばれた。


「次の方、どうぞ」


 私達の番になった。後ろには並んでいない。ここで受付のお姉さんは休憩かな?


「いらっしゃいませ、冒険者ギルドへようこそ。今日はどのようなご用件で?」


「はい、私達は初めてギルドを利用します。明日から旅に出る予定なんですけど、旅の支度をしたくて。どんなものが必要でしょうか。お恥ずかしいのですが、二人とも学校を卒業してから兵士をしてまして……」


「常識的なこと、ちょっと疎いんですよ!えへへ?」


 近衛隊の隊長に副業のこと聞いてなかったけど、まぁいいか。どうせ除隊するしね。

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