38 同行するハイエルフ
イモ村の名物、各種芋を買い込んだ。王の都の冒険者ギルドに卸す用と自分達で食べる用だ。抜かりはない。
「エレナさん。また来るよ。その時はまた祭りかも?」
「イモ村の冒険者ギルドはいつでもマチルダの帰りを待っていますね。ふふ、ジュリア、次は負けないわよ?」
「ははは?私も負けないよ?私こそが真のダンシングクイーン」
ギルドを出るとイーちゃんが働いているのが見える。少し離れてたから手だけ振っておく。振り返してくれた。また来るよ。12首持ってね。
「あのね?マチルダ。エレナさんを黙って鑑定しちゃったんだけど、渾名っていうか称号っていうか、そういう項目があるのね。それがダンシングクイーンってなってたよ?ジュリアの場合は、今までの称号の上にダンシングクイーンだね。イザベラさんはダンシングクイーン永世名人だった」
「ダンシングクイーンの称号…うれしい!」
キョーコの発言に驚く。そんなのが鑑定で見られるのか。ジュリアも嬉しそうだけど、金髪ハーフエルフの皮を被った変態の下なんだろうな。
「私のは?みんなに聞かれてもへーきだよ?」
「私のもね?」
メアリーがキョーコに聞いていたので、私も乗っかる。メアリーは、まぁ、桃尻と刈り取る者だな。
「桃尻と刈り取る者だね。マチルダは淡い色の、ボールクラッシャー、それと祭をもたらす者だね」
祭をもたらす者か。村による前には12首揃う能力とかつきそうだな。なんて素敵なんだろう。私が村に帰ると祭り。イーちゃん喜ぶだろうな。エレナさんも喜ぶかも。
「キョーコは?」
「私は勇者、黒髪の、愛娘だね」
実家の前を通る。留まって挨拶しようとしたけど、両親が通りまで出てきてくれていた。相変わらずお父さんは地面に口づけしているけど。
「お母さん、お父さん、王の都へ戻るね。また帰って来るから!」
「ふふ、いってらっしゃい。気をつけてね!」
「次は巨乳の娘をゴフッ…」
どうやら父の命日になりそうだ。
武具屋の前にはお爺さんとヒルデリアンさんが待っていてくれた。
「お義父様、王の都へ戻ります。お身体に気をつけて」
「いつでも帰ってこい。ここがキョーコの帰る場所だからな」
「ジュリアちゃん、私もついてくね?よろしくね?みんな」
ヒルデリアンさんがひょいっという感じで荷物が少なくなった荷台に乗り込んだ。王の都に行くの?馬車定員オーバーだけど大丈夫かな?
「え!?ちょっとお母さん!」
「いいから、いいから。あとこれジュリアちゃんにお母さんからのプレゼントだよ?みんなにもあるからね?あとお馬さんに賄賂贈ったら私は乗っても大丈夫ってよ?」
「ヒルデ!キョーコのことも頼んだぞ!ガハハハハ!」
「はいよー?ジオウちゃんまかせて?」
武具屋とお爺さんが小さくなる。挨拶もおわったかな。村の王の都方面の門へ向かう。門番は来たときと同じ隣のおじさんだ。
「おじさん、王の都へ戻るよ!」
「そうか。マーちゃん、ありがとうな?祭り楽しかったよ。また何時でも帰ってこいよ?気をつけて!」
馬車はゆっくりと道を進む。今日は山頂の小屋でキャンプする予定だ。
「え!?お母さん、これミスリルの弓じゃん!しかも弦まで!?ええええ!?総ミスリル!?………おっと意識が遠くなってた。こっちはミスリル糸で編んだ弓掛と胸当て!?これなら大きくなっても平気?」
「夢を見る権利はあるわ?お母さんの胸を見ても、儚い夢を見られるならね?」
「ぐふぅ…」
「お義父様のお店にはゴロゴロ転がってたよ?」
結局、奥のケースは怖くて見ることができなかった。キョーコは鑑定までしてきたらしい。でも口止めしてある。私の前で喋らないでね?
弦まで総ミスリルの弓だと、素手で引くと指の肉削げる。そのためのミスリルの弓掛か。弦が胸にあたると胸とれちゃうね。そのためのミスリル糸で編み込まれた胸当てか。あんなこと言ってるけど、ミスリル糸で編み込んだのを贈るあたり大きくなることに少し希望があるのかな。いや、今より小さくなることを防ぐためだな。普通の弓でも弦があたると痛いんだって。私は引いた事なきから知らない。
「これはメアリーちゃんのだよ?」
「うわぁーありがとう。ヒルデリアンさん」
「ヒルデもしくはお姉さんでいいわよ?長いでしょ?」
ヒルデさんからメアリーに紙の袋が渡された。そこにはミスリルの籠手と脛当て、そしてなんの器具?よく分からない。装置かな?
「うわ!?これって水滴を一定間隔で落とす装置?」
「ふふふ?そうよ?落とす間隔を変えられるのよ?」
「うきやぁぁぁ!!!凄いよ!凄いよ!すごおおおお!!!うおえ…」
奇声を上げて喜ぶほどのモノなのかな?よろこび過ぎて吐きそうじゃん。良くわからん。ミスリル装備より装置なのか。
「こっちはキョーコちゃんね?」
「ありがとうございます。ヒルデさん」
「ジオウちゃんからのもあるからね?」
キョーコが紙の袋を開けるとメアリーとデザインが違うミスリルの籠手と脛当て。それとミスリルのカチューシャだ。普通のカチューシャより幅が広く出来ている。細かな装飾が素敵だな。
「ジオウちゃんがキョーコの髪を束ねる防御力の高いものって考えて作ったみたいよ?キョーコの綺麗な髪を兜で隠すにはもったいないってね。でもそれ、普通の兜なんて足元にもおよばないわよ?」
「う!?1024層!?ミスリルの折り返し鍛練のカチューシャ。ドラコンの爪すら弾く?え?攻撃した側は無事では済まない?え?なにこれ?え?ええ!?」
キョーコの黒い髪にミスリルが似合っていた。キョーコは頭頂部の防御力が地上最高になった。ドラゴンだってドラゴンの爪が刺されば血でるよ。たぶん。
「よいしょっと、これはマチルダちゃんにね?」
御者の席に出てきたヒルデさんが紙袋を渡してくれた。
「ありがとうございます。後で見ますね」
「私が御者するから見てきなさい?」
「うん。ありがとう。ヒルデさん」
私のもデザイン違いの籠手と脛当て。それとブーツの甲から爪先を保護するミスリルの防具が左右、いや、私なら武器にもなり得るものだ。うおおおお!早速取り付けてみた。私にタマを蹴らせろ!
「どう?素敵でしょ?ボールクラッシャーさん?ふふふ?」
あれ?




