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34 キョーコ、ドワーフの養子になる

「お爺様、こっちのタマゴマヨも美味しいですよ?」


 キョーコがドワーフのお爺さんを餌付けしていた。まずは蒸かしたジャガイモにバター。次にツナマヨのコッペパンだ。とどめはタマゴマヨのコッペパンだな。


「旨いのう。旨いのう。勇者様がみんなキョーコ見たいなら良かったのになぁ。祭りは減るけど」


「おじいちゃん、じゃがバター美味しいよ。ホクホクだよ!」


「うわ!美味しい。じゃがバターうまうまだよ。この食べ方は知らなかったなぁ。タマゴマヨもいいね!」


「たくさん食べなさい。イモ村だから芋はたくさんあるからな。子達がお腹いっぱい食べられる。平和だってことだ」


 ジャガイモとバターの出会いは衝撃的だった。いままでも蒸かしたジャガイモは食べてきた。不味くはない。素の状態、これが当たり前の味だった。バター。これも知っていたけど、この村には少ない。王の都には普通にある。この組み合わせがまさかのシンデレラフィット。簡単だけど侮れない。キョーコ…恐ろしい娘。って勇者様だもんね。お爺さん、泣かないで?


「よし、キョーコはどんな武器が好きかな?ワシが打てる最高の一本を打つぞ?」


「お爺様?私は武器の扱いになれてません。だからこれで練習して上手になってからお願いに来ますから。ね?」


「マーちゃん?ワシ、この娘を養子にしたい。そして最強の武具を装備させたい。ダメかな?」


 ギルドの売店の樽に刺さってたミスリルの剣を構えてキョーコがお爺さんに今のところ要らないって答えた。それに感激したのかキョーコを養子にしたいそうな。キョーコはこの世界に身内いないしなぁ。


「本人が良ければ良いんじゃない?」


「お爺様、私はこの世界に身内がいません。本当のお爺様になってくれるのですか?嬉しい!至らない娘ですが、よろしくお願いいたします。あと旅しますから家を空けることが多くなるかもしれませんが…」


「ワシ組合に行ってくる!あ、好きに見ていてくれて構わないぞ?持っていってもかまわん。怪我には気をつけてな?」


 お爺さんは走って組合、冒険者ギルドにいってしまった。勇者様史上初、ドワーフの義理の娘の勇者様が誕生した。そして、おそらく近い将来、最強の装備をした最強の勇者様が誕生する。倒す相手はいないけど。魔王は生き急ぐ勇者様が倒してから産まれてない。モンスターはいるけど戦争しなければ割りと平和だ。


「マチルダ、これは何?」


「ミスリルの全身鎧だね。あの戦でも見なかったよね…籠手は子供の頃の私が投げてどこかへやった。あの辺の用水路浚うと出てくるかな?」


「マチルダ、こっちは?」


「弦外してあるけど、ミスリルの弓だね。下にミスリルの弦もあるなぁ…オールミスリルだから、たぶんジュリア辺りが見ると倒れる」


「マチルダ面白いジョークを言うようになったね?あははははは?…え?本物?いや、まさかね?…マジか!?」


 店先に無造作に色々と置いてある。ほとんどミスリル。奥のショーケース見るのが怖い。本当に怖い。ちらっと手前の棚に見えるのでもミスリルが何層にも重ねられた刀が見える。見えるところに置いてあるから、片手間で作ってそう。


「うわぁ、ミスリル256層の刀ですって。お爺様が片手間で作った子供のおもちゃみたいだけど、私の鑑定が弾かれるよ?詳細がわかんない」


 たしかあれでイーちゃんとチャンバラしたな。よく死ななかったな。勇者様の鑑定が弾かれるって何?


「戻ったぞ?無事キョーコがワシの娘となった。あと、ギルドから友達連れてきたぞ?」


「マチルダ?査定終わったから、パーティー口座に全部入れておいたからね?ドワーフのおじいさん、というかキョーコのお義父さん、改めまして、マチルダの友達のジュリアです。てへ?」


「よろしくな。ジュリアはハーフエルフって事だが、母親がエルフか?」


「はい。母がエルフです。今はエルフの里にいるはずです。遠いからなかなか会えませんね。父は先の戦で亡くなってます。魔法兵として参戦したって聞いてます」


 そっか。ジュリアのお父さんはあの戦でなくなってたんだ。城壁の上にいたのかな。城壁の上も安全じゃなかったからな。


「母親の名前はヒルデ、ヒルデリアンか?」


「え?そうです。ヒルデリアン。親しい人はヒルデって言いますね。おじいさん、母を知ってるんですか?」


「あぁ、250年前に勇者様と一緒に旅をした仲間だな。先日、弓を買いに来た。娘にプレゼントするって言ってたからジュリアのことだな」


 世間って狭いな。友達の母ちゃんがお爺さんの知り合いだった。友達の勇者様がお爺さんの娘になるし。


「まさか、母と恋仲だったとか?」


「いや、ワシは巨乳至上主義だから、まな板はちょっと」


「ぐ、ぐふぅ…そういえばマチルダが言ってたわね」


「お、お義父様!?」


「キョーコはワシの娘だから、まな板でも大丈夫だ!ワシの認める男にしか嫁にやらん」


 お爺さん、許してあげて?キョーコもジュリアも吐血しそうだよ?


「ごめんください。ジオウちゃん、私、弦を買い忘れちゃって。弦頂戴?あら、珍しいわね。先客がいるなんて?娘に似た子もいるし。あら?勇者様もいるのね?襲撃かしら?それともお祭りかしら?お姉さん、加勢しちゃうわよ?」


 あははははは?何これ?何これ?エルフだ?普通のエルフとちょっと違うぞ?神々しい。神々しさを引いて、あざとさを足すとジュリアに似てるかな?


「おーいマーちゃん、祭り始まるよ?今日はエレナさんもダンスに参加するって。あれ?ヒルデさんだ!一緒に踊り明かしましょうよ?久しぶりの祭りですよ!ね?初代ダンシングクイーン?」


「ねぇ、マチルダ。何このカオス…」


「あははははは?」


 私がいない間に、村は大変なことになってました。いや、戻って来てからかな?あははははは?

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