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31 罪人に花を

 買取の建物に入って、じっくりと渡されたポーションの買取価格表を眺める。今日のレートだと、初級が2万ギル、中級が25万ギル、上級が300万ギルとなっていた。上級凄いなぁ。


「買取高くないですか?」


「あれ?本当だ。エレナ、間違ってない?」


 買取表を見たジュリアも驚いていた。


「ふふ、その価格であってますよ?最近はこのイモ村にくる冒険者も増えてるんですよ?ほらドワーフの武具を求めにね?まず売ってはもらえませんけどね?」


 ドワーフの武具。これはこの世界で製造される武具では最高峰の物とされる。あくまでも製造されるものだ。ダンジョンだとか国に保管されている伝説の武具にはかなわないけど、普通の勇者様であれば、普通に魔王を倒すことができ、魔王の攻撃を防ぐことができる。そんな武具が、ここイモ村にはある。


 何故か。その昔、勇者様によってドワーフが連れてこられ、イモ村で武具を作ることを命じられたからだ。曰く、そもそも魔王を倒してくれって召喚するなら、召喚される近くに最高峰の武具が揃ってた方が効率が良いから。何のために遠回りしてまで、武具を取りに行くのか。その間に侵攻されたら勇者のせいにするんだろ?ならここで作れ。一応一般人がひょいひょい来て買えないようにはしておく。何故ならば、私が並ぶのは嫌だから。って勇者様が言ったんだって。その時の王様を脅して。


 この話は村のドワーフのお爺さんから聞いた。本当かどうかわからないけど、お爺さんは勇者様に連れてこられたドワーフ何だって。250年前の出来事って言ってたな。まだ生きてるよ?ドワーフはそんなに生きないって?でもお爺さん生きてるもん。


 そのためなのか、イモ村は王の都から近いけど、非常に困難な道のりがある。今回も私とメアリーだけで来てたら死んでたな。あれ?学校に入学するときは楽に来た感じがしてたけどな?あれ?記憶の中の護衛についてくれた村の人が持ってる武具がミスリルのような?あれ?記憶違いだよね?


 で、この村に冒険者がくるようになった。増えるのは怪我をしてたどり着く冒険者達。大きな街からイモを買い付けにくる商人さんは鉄で被われた動く要塞と化した車を何頭もの鎧を着せた馬で引きやって来てイモを買っていく。それで採算合うのかと思ったら、ポーションの原料だった。それを知ったのは学生になってからだったな。小さな頃はあの馬車が怖くて怖くて。村に到着するときはだいたい血に濡れて苦悶の表情のモンスターがへばりついていて村の中で暴れたから。馬も巨体だしね?跳ねたり轢いたりしてもスピード落とさず村を目指すらしい。止まると死ぬからとか言ってたけど大袈裟だよ?


 話がそれたけど、冒険者がたくさん買うらしい。山越えコースが一番安全だけど、オークが大量に出る。死体が残ってないのは、オークや獣に食べられてしまうから。小屋が荒らされてないのは、これがあると人間がやって来るのを理解してるからだ。あいつらそれなりに考えてるんだな。


 そんなわけで量産されるのが手負いの冒険者だ。軽傷から重体まで選り取り見取りだそう。そうなるとポーションが右から左でウハウハ。怪我が治るなら高くても買うよ。


「それでは査定しますので、お売り頂けるものを出していただけますか?」


 馬車の初級ポーション10ケース、マジックバッグの中級ポーション10ケース、上級ポーション2本、ゴブリンの魔石10個、ウルフの皮と牙、ゴブリン、オーク、山賊、盗賊の持ってたものたくさん、オークたくさん、山賊の首たくさん、盗賊の首2つ、盗賊の死体4つを並べた。こんなものかな?忘れててもまぁ、いいか。後半がぐちょぐちょの血みどろでちょっと閉口。エレナさんもぐったり。ジュリア吐くならトイレだよ?


「うぷ…査定にお時間をいただき…う、ちょっと失礼しますね?おほほ、お花摘みに?うぇ…」


「う、エレナ、私も……うぇ…おえ…」


 ポツンと一人残されてしまった。どうしよう。離れるわけにもいかないな。


「おーい、マーちゃん!休憩だから遊びにきたよ?」


「あ、イーちゃん!良かったよ。ギルドのエレナさんが気分悪くなったのにお花摘みに行っちゃったから一人なんだよね」


 イザベラはこの村の出身だから、わりとこういうのは見慣れている。小さい頃、結構盗賊とか山賊の襲撃があった。その度にドワーフのお爺さんをはじめ、村の大人達が返り討ちにして、首を刈り取り噴水の外周に並べていた。並べられるとお祭りが始まる。体は村から少し離れた所に捨てる場所があって、そこに捨てておくと半日ほどできれいになっていた。大きな街との間くらいだっけ?ちなみに大きな街までは歩いて1日でつく。村の人に言わせると子供だけでは危ないけど、大人となら1日だって言ってた。街からくる商人さんとの差が気になるところだけど。


「うわー血祭りにあげたねぇ?今日はお祭りだよ!首だけにして噴水に並べよう!あ、だからお花摘みに行ったんだよ!」


「イーちゃん、査定が終わるまでは待って?終わったら並べよう!そうだね。首切らないとね。首だけのは座りがいいようにしないと転がっちゃう!」


 イーちゃんと話をしていたら、売店を見ていたメアリーとキョーコが戻ってきた。


「サイコパスだよ。サイコパスがいるよ。キョーコどうしよう、親友がサイコパスだったよ」


「うぷ…ちょっとお花摘みに……うぇ?」


 並べた首に飾る花を沢山摘んできて欲しいな。

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