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25 夢の途中

 恋ばなで盛り上がって、そのまま眠りについた私はテントの外からの声で覚醒する。白馬に乗った勇者様が虐められてる私を迎えに来てくれたところなのに!私の手をとって、手の甲に口づけをしてくれるところだったのに!せめてあと一分、いや30秒でよかったのに。くそう。


「マチルダ、オークが攻めてきた!」


 メアリーの声に飛び起きる。キョーコも起きた。許さんぞ。オーク。貴様等はギルドの解体所送りにしてやる!なで斬りにしてやる!


「メアリー!オークは何体?」


「とりあえず2。後ろにも居そう」


 テントから出ると少し離れたところに、やつらは見えた。2体のオークには所々矢が刺さっていた。


「キョーコ、私の鎧は良いから。でもキョーコは着ておいてね?ジュリア、お願い!キョーコに鎧着けさせてあげて!」


 キョーコは私の鎧を着せてくれようとしたけど、私は籠手とすね当てだけを着けながら、ジュリアを呼んだ。


「了解。気をつけて!あいつら固いよ?」


「ありがとう。ジュリア。キョーコ、槍貸して?」


「うん、はい!気をつけてね?」


 キョーコがインベントリから、昼間に使ったのと別の槍を出してくれた。武器屋のおじさんのオススメだからあのメイスみたいに人族に使えないってことはないだろう。うん、大丈夫だね。こっちの槍の重さの方が私には合ってる。あのメイスにしても種族が違えば使えるからなぁ。例えばドワーフとか巨人族とか。キョーコが異常。私の腕より細いんだけどなぁ。


 メアリーが進行を押さえてくれていた。片方のオークはメアリーの分銅によって膝が割れていた。こっちはとりあえず無視。もう片方はジュリアの矢がプスプス刺さっている。片目潰されている以外は皮で止まってそう。


 メアリーに目で合図を送り、バックアップを頼む。そしてオークに走り出す。オークの棍棒が届かない位置で、私の槍は届く位置にステップをあわせて、槍を振り上げ、踏み込む。と、同時にオークの頭を目掛けて振り下ろす。少し外したとしても肩口に命中するはず。


 振り下ろされた槍の穂先がオークの頭頂部にあたり、めり込み、スイカ割りのスイカより綺麗に割れた。振り下ろした槍を引き付けて、とっさにバックステップ。大きな一歩を踏み出したオークの棍棒が私のいた場所の地面を抉り、そのままオークが倒れた。


 振り替えると膝が割れているオークが拷問器具の餌食になっていた。まだ持ってたのね。苦悩の梨。目はエグいな。可愛そうなオークは両膝どころではなく、各関節を砕かれていた。あれじゃ動けないから、やられるがままだな。


「メアリー、ほどほどにね?」


「うん。頭砕いたら戻るよ!」


 マジックバッグにしまってあった、頭蓋骨粉砕器が動けなくなったオークに装着され、キリキリと閉められていく。


「うりゃ!」


 メアリーの最期の一絞りによってオークの顎が砕け、耳と鼻から色々出てきた。頭蓋骨が割れる前に別の所が壊れたようだ。


「うーん、頭骨が砕けないなぁ。名前に偽りありだよ!」


 器具を装着したまま苦悶の表情のオークはマジックバッグに入れられていた。


 テントに戻ると、キョーコが鎧を纏い、メイスを装備していた。ジュリアは弓を構え、右手に矢を持ち何時でも引ける体勢だ。革の胸当てに革の籠手というスタイル。胸当てなくても弓引けそ…いえ何も言ってません。


「お疲れ様、メアリー、マチルダ!」


「ん?何かな?聞こえた気がしたけど?まぁ、お疲れ様だよ!はい。コーヒー飲んで?」


 この世界、召喚された勇者様達が色々と思い付く限り、開発できる限り、技術とか食品とか娯楽とかをもたらしている。コーヒーもその一つだ。かなり前の勇者様が、海の向こうの土地でコーヒーの植物を発見、栽培、加工してくれた。今でもその農園が生産を続けてくれていて、大きな街の港から入ってきたコーヒー豆が取引されている。今日では嗜好品として一般的に広まっている。はじめて入ってきたのは百年くらい前からだろうか。


 この深い香りのする飲み物は好き嫌いが別れるけど、私もメアリーも好きだ。私はそのまま、メアリーはミルクと砂糖をたっぷり入れてが好み。兵士の時もよく飲んでいた。


「ありがとう、ジュリア。いただくね?」


「ありがとう。ミルクと砂糖をプリーズ。ありがとう。あ、砂糖もう一個」


 コーヒーをひとくち飲んで一心地付いたところで、私は切り出す。


「3体以上出てきて、連携されると私達じゃ対応できないよ?」


「うん、1体、出てきても2体で、連携してなければ大丈夫だけど…2体でも連携されるときついかな?勝てるとは思うけど、マチルダを犠牲にする必要が出てくる。くっころしてね?」


 え?確かにキョーコを差し出すわけにはいかない。勇者様だしね?それならジュリアはどうだろうか。金髪ハーフエルフだ。美人だしオークは絶対に選ぶだろう。いざ、革の胸当てと服を剥ぎ取ったとき、オークががっかりして、別の乙女を探すのが予想できた。


 うん、私かメアリーだな。メアリーの方が武器の扱いが上手い。攻撃面でメアリーに軍配が上がるから仕方ないかな?私はどちらかというと索敵が得意。あと罠を仕掛けたりとか。う、メアリーはどっちも私と比べて、ちょっぴり劣る位だよ。なら私が捕まって貞操が無事な内に殲滅してほしいかな?


 まだまだ夜は長い。


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