13 所見殺しの行程
私とメアリーが戦の英雄ってことがジュリアにばれてた。これはパーティー解散か?と、ちらっと思ったけどばれても特に問題ないよね。
「いやーギルドマスターの極秘資料に二人のことがあってビックリだよ?確かロビン王が王子の時に出したのと、前王の極秘資料だったよ?他言無用だったよ?ロピンの方は俺がいたから生き残れたって書いてあった。前王のはロビンの言うことは嘘だから気にするな。彼女らのことはそっとしておいてやってくれだって」
「あははは?」
笑ってごまかしておこう。
「キョーコはギルドに登録するまで何してたの?」
「私はこの国に召喚された学生だよ?それまでは異世界にいたんだ」
あう、異世界にいたんだを言わなければ、勇者様ってばれなかったのに…あれ?これもばれても問題ないかな?この中なら。
「へー、勇者様なんだ!凄い!凄い!おとぎ話みたいだね?私達は勇者様御一行なんだね!」
ジュリアの言葉にはっとした。夢がかなったじゃん。勇者様と旅をする夢が!当時から勇者様のお嫁さんになる気はさらさらなかったから、私にとって勇者様は男でも女でも良かったんだよ。うわー、感激だよ。ちょっと変わってはいるけど素敵な友達と一緒だよ?もうあんなへなちょこの指揮下で兵士なんてやってられるか。
門を出てしばらく進むと分かれ道だ。この分かれ道の一番小さい細くて整備されてない道の隣、草むらを進む。広くて歩きやすそうな道は大きな街に続いている。だから普通の勇者様は大きな街にたどり着く。ちょっとひねくれていても小さな道とか整備されてないけど道とわかる道を行く。だから私の故郷には勇者様が立ち寄った形跡が無いのだ。
イモを売るのは大きな街から来る買取の人に売っていた。大きな街との間にはそれなりの道が整備されている。ただ大きな街に来た勇者様はその街の港から船に乗りたくなって他の都市に向かうから、小さななんの取り柄もない村には着かないか、希望的観測で来てたかも知れないけど記録に残るほど滞在しない。
馬車を草むらに向かって進めると、メアリーとキョーコが慌て始めた。
「ちょっとマチルダ、道を外れたよ?」
「草むら入りましたけど!?」
流石にジュリアは知ってるようだ。慌てていないよ。
「うふふ、イモ村に直通する道が無いのですよ?だからわりと近いのに3日もかかるんです。途中の山越えも1日かかりますね、今日は山の麓で1泊ですね。キャンプです」
目の前に山が見えてる。あの山を明日越えるのだ。大丈夫。一応馬車が通れる道?はある。草むらをゆっくりと馬車は進む。
「途中の見晴らしのいい平原にポツンとある木でお昼休憩にするね」
この平原にはモンスターが出る。ジュリアが荷台で説明してくれた。冒険者に成ったばかりの人達は、平原のポツンとある木まででモンスターを狩る。そこから向こう、山まではモンスターのレベルが上がるようだ。そして山もモンスターのレベルが高い。山から向こう村まではこの辺りと同じくらいのようだ。あれ?命がけじゃない?私達初心者マークだよ?
「一応私はモンスター倒したことありますよ?木の手前までですけど」
ジュリアはモンスター倒したことあるそうだ。私とメアリー、キョーコはない。
「えーと、みんなには一応白状しておくね?」
キョーコがなにやら話し始めた。
「一応、私はステータス見ても勇者なんだけど、スキルがね?このインベントリと鑑定だけなんだ。魔法は使えるみたいなんだけど、回復と清掃しか今のところ使えないんだ。あ、正しくは召喚直後に兵士をぶん殴ったあの一撃もスキルなんだけど一回限定のスキルだったんだよね。だから私はインベントリ持ちで、回復魔法と清掃魔法が使える力持ちでしかないのよ?あとステータスは見れるかな?」
「え?なにそれ?恵まれてるじゃん。私もマチルダも魔法使えないからね?力持ちでもないし、アイテムボックスすら持ってないから。マジックバックは買ったけど」
「そうだよ?私は魔法は一応使えるけど、力はないし。アイテムボックスあるけど小さいからなぁ」
そうだよ。あのメイスをあれだけ速く振ることができるんだから弱くはないよ?片手剣で巻き藁切れなかったのも初心者ならしょうがない。だって刃筋たてないと切れないもの。あれ?みんなステータスのところはスルーなの?凄くない?
「だから安心して?一緒に旅をしよう」
御者の席からキョーコを励ます。ほんわかした雰囲気に包まれていたら何か素早く動くモノがよってきた。狼?
「みんな!野性動物かモンスターがよってきたから注意してね!」
御者席から叫ぶ。ジュリアが荷台から御者席に上半身を出して外を覗いた。
「あれは、グラスウルフです。初心者殺しの野生動物です。倒さないと馬をやられます!」
メアリーが荷台から飛び出した。私は投げナイフで一番近くのグラスウルフを牽制した。
飛び出したメアリーは貰った刀を抜いてグラスウルフに切りかかった。綺麗に首がとんだ。
荷台からジュリアが弓を引いているのが見えた。キョーコは震えている。
「キョーコ、これ使って!使い方はジュリア教えてあげて?」
私はキョーコにボウガンを渡した。
ジュリアはグラスウルフの眉間を射抜いて、ボウガンの使い方をキョーコに指導し始めた。
残りのウルフは3頭。私は馬車を停めて、ウルフに向かった。




