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10 エリには幸せになってほしい(願望)

「あら?そちらの方は?」


  ジュリアがキョーコを見て首をかしげた。


「私はキョーコ。今回の旅に連れていってもらうんだ。この列に並ぶからギルドの登録よろしくね?」


 列と言っても二組くらいかな。すぐ終わりそうだ。


「そうなんですね!ならキョーコの受付は私がするから。私はジュリア。このギルドの受付よ?」


 私達が列に並ぶとジュリアは走ってカウンターを飛び越えた。だから見えそうだって。ほらすぐ前に並んでいる男女混合のパーティーの男が前屈みになる。


「もげろ」


 メアリーが聞こえるように言っていた。いいよ?刈り取ってあげて?ほら、パーティーの女性陣も頷いてるから。メアリーが鎌を構え刈り取る仕草をしたら治った。


 お、そろそろ私達の番だね。


「次の方どう…ぶべら!?」


 ジュリアと入れ替えで受付をしていたお姉さんがジュリアに蹴り飛ばされた。パンツ丸出しでうつ伏せで痙攣してるから、あわててキョーコがヒールかけていた。泣かないで?朝市で買ったリンゴあげるから?


「ふーお騒がせしました。受付をしますね?ごめんよー?エリ?ちょっと勢いが着きすぎちゃった。てへ?」


 薄幸なエリにリンゴの他に、そっと金貨も渡しておこう。友達がごめんね?これで美味しいものでも食べて?え?二枚ね?それなら許すのね。強かな娘だよ。


 薄幸なエリとそんなやり取りをしていたら、カードに血を一滴のくだりだ。


「あのー、ジュリア。私は怖くてできないから、あなたが針刺してくれない?」


「むはー!これですよ!これ!私はこの反応が乙女だと思うんですよ!それじゃいくよ?優しくするから、ちょっと天井の染みでも数えていて?先っぽだけだからね?ぐへへへ?」


 金髪ハーフエルフの皮を被った変態がいた。私のつぶやきに頷くオーディエンス。まぁ、私達の時は抉るように突き刺してたからな。


「あう!?」


 変態が勇者様に針を刺した。そして落ちる一滴の血液はカードに受け止められた。椿の花がポトリと落ちるイメージが重なる。


「うふふヒール、はい、綺麗なままの指先ですよ?」


 あ、金髪ハーフエルフに戻った。良かったよ。消毒だって言って指をしゃぶってレロレロされたらどうしようかと。ところでメアリー、何で顔を赤らめてるんだい?


「ではこちらのカードをお持ちくださいね?良かった、普通の色だよ。これで口座も登録しますか?」


「あ、口座持ってないからここで作れる?」


「大丈夫ですよ?これに記入をしてくださいね?」


 ジュリアに差し出された書類を受け取ったキョーコは首をかしげたけど、さらさらと書き始めた。これは勇者様あるあるだ。異世界言語を理解するスキルで見たことのない文字を読めたり書けたりすることで戸惑う現象なのだ。私じゃなきゃ見逃してたね。


「はい、ありがとうございます。ではカードに口座を登録しておきます。通帳レスでよろしいですか?必要な場合は後日銀行で発行してくださいね?」


 なくても大丈夫だけどあった方が便利かもね。キョーコがカードを受けとると受付を後にした。


 販売の窓口にきた。小売りではなく業者販売だ。昨日の話の通りに初級ポーションを仕入れよう。


「すみません。馬車に載るだけ若しくは、ここにあるだけ初級ポーションください。」


 販売窓口のお姉さんは、ぽかんとしていた。


「あれ?ダメでしたか?」


「はっ!?い、いえ大丈夫ですよ?でも高いですよ?」


 初級ポーションといえども一瓶10000ギルだ。100本が仕入れの最小単位だ。1000本で値段はご相談とのこと。冒険者初心者マークがいきなり買えるわけないよね。


「昨日の方ですよね?ジュリアとここに来た。ジュリアに聞いてますよ?えーと、4人乗りの馬車の荷台ですね。そうするとケースがだいたい10ケースは載るかしら?在庫も丁度10ケースですね。」


 1ケースに100本のポーションが入ってるそうだ。一応馬車には載るね。寝るスペースはなくなるけど。


「中級もお願いできますか?あとその上は?」


 メアリーが窓口のお姉さんに聞いていた。そうだよね。私達の残高からなら中級でも大丈夫でしょ?


「えーと、中級ですと一瓶10万ギルです。割引は初級と同じですね。中級も10ケースの在庫です。上級は二本しかないです。一瓶100万です。割引は無理です」


「全部ください」


 メアリーが即決した。


「あのー?馬車に載らないと思うのですけど?もし重ねたりして積み込めたとしても馬が壊れます」


「ここは、私が払っておくよ?だからマチルダは売店で一番大きなマジックバック買ってきて?お姉さん、それなら大丈夫?」


「それなら私の…ふご?もが!?もが!?」


 キョーコがインベントリのことを言いかけたけどメアリーの手で口を塞がれた。


「マジックバックは必要だから。ね?わかったかな?」


 メアリーの言葉にこくこくと頷いたキョーコを見ながら、売店に向かった。朝市のおばちゃんならともかく、ギルド職員に勇者様とわかったら何を頼まれるかわかんないからなぁ。


 売店に到着した。早速マジックバックを訪ねると鼻で笑われた。


「良いですか?一番安いのこのタイプでも1000万ギルなんですよ?駆け出しの方にはそうそう買えるもんではないんですよ?」


 マジックバックは一般的に一番安いのだと満載の背負子2つ分くらい入るらしい。それの重量軽減なし、時間経過ありが一番安い。重いから普通に持とうとするとバックが壊れる。工夫が必要らしい。一番高いのだと大きさが20メートル四方くらい、重量無視、時間経過ありだそうだ。このタイプの重量軽減なしだと固定して使うのが一般的で箱形だそうだ。それ以上の物と時間経過の無いものは今のところ作ってないみたいだね。作れないのかも?


「一番大きいので重さ無視のください」


「良いですか?引き落とせなかった場合は冒険者カードにマイナスがつきますよ?今なら冗談で済ませておきます」


 いいからよこせや?


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