目覚めたものの、\(゜ロ\)ココハドコ?
目が覚めるとそこは・・・ああ、空気がおいしい所ではないか。
温かい風に頬をくすぐられ、小鳥のさえずりで目を覚ます。
小鳥のさえずりは最高の目覚まし時計だと俺は考える。
さて、そろそろ現実を見ようじゃないか。
「お れ は い ま さ い こ う に ま い ご で あ る」
ここから俺の訳も分からない場所からスタートする迷子で放浪でホームレスな生活が始まる。
俺の名は哀昏 明、高校を卒業し大学受験の合格発表で大学の看板前で「やったー!」と叫び校舎にひびをはやしたことで少し有名になった元気だけは誰にも負けないような18歳である。まあ、ひびが生えたのはたまたまだと思うけどね。そうであってほしい。賠償金請求なんていやだ。
友人の伊藤仁と天野 雪と法でグレーゾーンな悩みを解決するという仕事をしていたが、なぜか俺は草原にいる。まあ、たぶん発明ばっかりしている伊藤の仕業だろう。
伊藤仁は何でも知っているといっても過言ではないようななかなか恐ろしい男である。こいつを敵に回してしまったら絶対勝てないだろう。俺の攻撃パターンも知っているのだから。
天野雪はなんと魔法使い!俺はオカルトなんて信じてなかったのだが目の前で見せられたら信じるしかない。まあ、その原理だと俺は種がわからないマジックも魔法と言ってしまうのだろうが。
俺、哀昏明はこいつらと違って特殊な能力は全く持っていない。むしろ特殊能力に全く干渉できない。例えば、天野が魔法で氷を生成してそれを俺に刺したとする。しかし俺は魔法で作られた氷を見ることも触ることもできないので、ダメージを負うこともない。だが、利用もできない。簡単に言えば次元が違う。世界が違う。ただ、地面にあった石とかを魔法で飛ばしてきたとしたら話は別だ。飛ばしてきた石自体にはちゃんと存在意義がある。この存在意義というものが大きくかかわってくる気もするが俺は難しいことはわからん!
取りあえず林っぽい草原を抜けなければ。この草原である程度食べ物を取ったら動いてみるか。
俺は立ち上がってみると、全身作業服だということに気づいた。皮のパンツにジージャン・・・なんという組み合わせ。
一番驚いたのは、腰に愛用のデリートソードがある。このソードは半径10センチ以内の魔法を吸い込んでしまうという恐ろしい刃物なのである。ただ、逆にこれ一本しかないのは不安だ。俺は他に愛用している剣が9本ある。まあ、どれも特殊能力に干渉できない人しか触れないものらしいので、俺以外に使われることはほぼほぼないだろうと考えていいだろう。
取りあえず近くにある東京タワーぐらいの高さがあるのではないかと思われるほど背が高い木の根元を横にぶって切って木の実を採取してみた。デリートソードは生命に必要不可欠な魔力を吸い取るので、とても切れやすい状態にして切りに行けるのがとてもいい所である。こんな広い草原にこんなでかい木があるのにも驚きだが、勢いよく倒れたのに折れずにまっすぐ木で線のようなものが地面に描かれるとは思いもよらなかった。
デリートソードの切れ味は健在みたいで何よりだ。俺はこの剣を研いだことがないので、前回の使用者が研いだものをずっと使っていることになる。刃は別にボロボロというわけでもないし、むしろきれいだし。俺が研いで変に細くするのも悪いと思うという言い訳を思い浮かべながら半分はめんどくさいと思ってたりと・・・まあ、怠けるための口実かもしれない。自分でもよくわからないよ。
東京タワーぐらいの高さの気をぶった切ってしまったので、木の実を取るのもなかなか大変な作業だった。そもそも木の実までの距離が半端なく遠い。俺は超短距離なら瞬間移動できるが、長距離は走っていかなければならない。それも面倒だ。
でかい木の木の実採取はあきらめてそこらへんにある背の低い木を次々とスッパスッパ切って小屋を建築することにした。取りあえず服はもともと着ていることにありがたみを感じ、食べ物と住み家を確保しなければならない。釘がないこの状況で建築するとするならば、木材と木材を組み合わせる方法をとるしかないだろう。不幸なことにデリートソードで木材の加工をしようとすると、デリートソードの半径10センチメードルに入っている木材がどんどん悪くなってしまうので、その選択肢はなかった。
適当な石を探し、デリートソードで斜めにスパッと切って、刃物もどきを作って木の加工を始めた。
そういえば、俺は俺が最初にスポーンした場所をよく散策しないで草原に来てしまった。もしかしたら何か重要なものがあるかもしれないのに・・・日が落ちないうちに戻ってみなければ。
俺がこの訳の分からない場所に来た瞬間のことを思い返してみると、やはり俺は元気だということがわかる。
俺は昨日の夜ベッドでちゃんと寝たはずなのに起きたら変な遺跡というか石の塔がたくさんある場所に寝ていた。取りあえず「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」といいながらそこら辺を走り回ってパニックになって焦りまくって・・・。気が付いたら結構遺跡から離れていた。
パニくってた俺を思い返してくすくす笑いながら遺跡に戻ってみると、やはり変な形の塔がたくさんあるなぁと思った。
遺跡の塔を取りあえず一つ慎重に切ってみた。この塔が素材となればなかなかおしゃれな家ができるのではないかという淡い期待を載せて丁寧に切ってみた。
丁寧に石を切ってみてわかったが、中が空洞だ!感触がなんか薄い。
中にお菓子が入ってるかもしれないと考えながら俺は中のものが傷つかないように周りをきれいに切るようにして切った。お菓子が入っているわけがないということはじゅ重々承知であるが、それぐらいの気持ちで切ることで丁寧にきれいに切ることができると考えたからである。
石の中には地下への階段があった。これは想定外・・・ものが入ってると思いきやまさかの入り口だったなんて・・・まあ、家を作る手間が省けたことを考えて良しとしよう。ただこの階段の下に蛇やらの苦手な動物がいたのならば俺は引き返してしまうだろう。
勇気を振り絞り階段を下ってみた。実際下ってみると、かなりきれいな地下遺跡・・・というかラボがあった。世界観をぶち壊してくる感じこれは伊藤の仕業だと思ってきた。伊藤は昔から何かと俺に修行をさせてくる節がある・・・ひどい節だ。
ラボには機会がいっぱいある。まあ、一つもわからないので、正直触る気になれない。ラボにある洗面台はとてもありがたい。水道できれいな水が取れる。ガスコンロもある。電化製品もそろっているし、お湯だってでる。なんてありがたいんだろうか。
ラボの机に手紙が置かれているのが見えた。これを読めば俺のやるべきこととかがわかるだとうが、報酬のない依頼とかはあんまり気が乗らない。修行と思えば少しはやる気になるのだが、最近は受験勉強とかをやりすぎて修行すらしんどかったので、やりたくない。まあ、読んでみるか・・・読みたくないなぁ
。
俺は手紙を読んでみた。手紙には「哀昏よ、この手紙を見ているということは、お前は石を切って地下のラボに入っているということであっているだろう。石を切るなんて非効率的な行為を遺跡でやるおバカちゃんはお前ぐらいだと確信していたのでここにラボを作っておいた。あ、ちゃんと扉は開けたら閉めろよ。変な人が入ってきて機械いじられるとこっちの世界にも影響が出る可能性がある。まあ、それはいいとして、簡単に言えば今お前がいるところは俺たちが住んでる次元とは違う。別次元・・・もっと簡単に言えば異世界といったところだろうか。まあ、お前のことだ。「異世界まじだるいんですけれども」とか思ってそうだが、まあ頑張ってくれ。帰り方はそこの世界の中にお前の愛用の剣が散らばっているからそれを集めてこのラボのカプセルに入れば帰れる。まあ、とんでもなく長い時間がかかるだろう。お前の精神年齢が爺さんになったころぐらいに帰れるじゃないかと思う。がんば!」と書いてあった。
なにが「がんば!」だ!俺はここで人生が終わってしまうのか!?・・・まあ、伊藤のことだ。何か考えがあるのだろう。
すこしイライラしながらも手紙を机の引き出しに入れようとしたとき、手紙の裏にPSと書いてあるのが見えた。まあ、あの内容だけで終わらせられたらたまったもんじゃないもんな。
内容を見てみると「PS、お手伝いとしてそちらに遠距離攻撃の達人を用意しておきます。」と書いてあった。
ラボを隅々まで探してみても、それらしい人はいない。もしかしてほかの石の中にいるかもしれない。
俺はラボを出てほかの石を片っ端から開けてみた。すると、すごくメカメカしいカプセルがでてきた。
メカメカしいカプセルとラボに持ち帰り、ボタンぽいところを片っ端から押してみたが全くあかなかったので、力尽くで開けてみた。
メキメキメキメキ・・・バキ!
お、開いた。よかったよかった。音はよくない感じだったが。
電気をつけてよく見てみると、黒いロングヘアーの俺と同じぐらいの女子?っぽい人が入ってた。なんか棺桶みたいなのから出てきたので、本当にお手伝いさんかわからない。俺はもしかしたら死体荒らしをやっているのではないだろうか。
無茶苦茶パニくってしまった。おろおろおろおろしている。
パニック状態の俺を差し置いて、メカメカしいカプセルから黒髪ロングが自力で出てきた。わぁ・・・ちゃんと生物だった。
一つ不安が減ってほっとしていると、一つ謎が増えた。こやつ、俺と真反対!?俺は白く短めな髪の毛で赤い目をしているが、こいつは黒く長い髪で青い目をしている。まあ、俺は細かいことは気にせんから別にいいけど。取りあえずコミュニケーションをとってみよう。
「ちゃっす!俺は哀昏明。絶賛パニック中の新大学生だ!」
「・・・」
反応がない。困ったなぁ。もしかして日本語ダメだったか?
「は・・・はろー?はわゆー?」
ダメだ。俺は英語がダメだった。ダメダメだった。
「・・・」
「・・・」
気まずいよ・・・せめて知り合いがいてくれたならよかったが、なぜ全く知らない人をよこした!?
「あの、その、明。」
おぉ!急に話したからびっくりした。
「なんだ。取りあえず名乗ってくれ。俺はなんて読んでいいのかわからない。」
「ごめんね。私は闇、哀昏闇。苗字が同じなんて珍しいね。」
「ああ。明らかに闇がありそうな話だな。」
哀昏は伊藤が俺に着けた苗字。つまり、こいつも伊藤関連の奴と考えて間違いないだろう。
「闇も伊藤に連れてこられたのか?」
「そうなるね。固い殻みたいなものに入れられてたから出れなかったけど、明は力持ちなんだね。」
まあ、俺には中国拳法の応用の「オーバークロック」というオリジナルの技があるので、力はかなり強くできる。代償はでかいが使いようによっては便利な能力である。
「まあ・・・力には自信がある。高校生活ですごく鍛えたからね。いろいろあった・・・。」
全てのオーソドックスな武器の修行は高校生の時に終わらせ、体も細マッチョに仕上げた。これでアクロバティックな動きだってできる。まあ、アクロバティックな動きをするため頑張った結果なので、オマケみたいなものだ。そもそも・・・いや、これ以上はやめておこう。長くなる。
闇との共同生活において気を付けなければならないところはたくさんある。そもそも性別が違うというところが致命的である。天野という魔法の腕が達人級の魔女と共同生活していたが、大変だったことを考えて、ラボでの共同生活は地獄級だと思っていいだろう。シャワーと風呂だって1つしかないしトイレだって1つだ。冷蔵庫はなぜか3つある・・・伊藤よ、お前俺で遊んでないか!?そんなことを思いながら俺は悩み続けた。乙女心を知りたい・・・まあ、伊藤のせいで一度女になったことはあったけど。もうあんな思いはしてくないのでその方法は没だ。
取りあえず闇にいろいろ質問してみよう。お互いのことをよく知ってた方がいいだろう。
「闇はどこに住んでたんだ?」
「・・・一度会ったことあるんだけど・・・北海道に明が修行に来た時・・・まあ、自己紹介しなかったから・・・おぼえてないのも・・・無理ないかな・・・。」
申し訳ない限りである。俺が忘れてたなんて。本当にすまない。
俺は深く闇に謝罪をし、改めて闇は何者なのかを訪ねた。
「北海道に住む遠距離攻撃を得意とする女子高校生・・・いや、新大学生?だから明と同じだね。」
なるほど。まあ、同じような年齢だとは思ってたが・・・まさか同じ年齢だったとは。
「なるほど。俺は東京で高校生をやっていた者だ。努力だけは惜しまない性格だがなかなか実らない。よろしく。」
これから闇との冒険が始まってしまうと考えると、不安要素はあるが、頑張ろう。そう心に誓ったのであった。
思ったより充実した生活が遅れそうで・・・なにより?