2日ってかなり役に立つ
氷につけられた魚の入ったの青い水槽を3つ重ねてウイングの開いた荷台に積み込む。
ズッキル「いい働きっぷりだでな。若いってのはいいでな。」
大きなエラを揺らしながら星郎の働く姿を見ている。そんなことも気に留めず酒豪丸から50m程離れた湖の近くにある水揚げ場まで何度も往復しものの5分程で荷台は真っ青になった。
星郎「うっし終わり!いくらだ?」
腕のストレッチをしながらズッキルのもとへ行く。
ズッキル「そうだなぁ……1.2.3.4………一箱15匹入り、全部で240箱。今ならなんと、銀貨200ジムでな!こんな安売り二度とないでな!」
星郎「ジムとか義務とかよう分からんがこれで足りるか?」
マスターから渡されたコインの入った封筒を渡す。受け取ったズッキルは鋭い爪のついた指で数えていく。
ズッキル「ええと、どれどれ?うんうん、足りるでな。ありがとう。早く運ばんと鮮度が落ちるでな。」
星郎「おう、いろいろとありがとな!また来るぜ!」
ズッキル「デルさんによろしくな!気い付けるでな!」
星郎「おう!じゃな!!」
酒豪丸に乗り込み窓から手を出し別れを告げ谷の中へ入っていく。
魚を傷んではいけないといつも以上に丁寧かつ速く走る。元いた世界のように整備もされたいない道なので尚のこと星郎のハンドルを握る手から汗が吹き出してくる。
開拓地に荷台を確認すると特に傷んでいることはなく鮮度も保てていた。
マスター「いい仕事したな。これ、本当なら年に100匹入るか入らないかなんだぞ。」
星郎「へぇ〜。」
星郎は店の壁に寄りかかり煙草を咥えていた。
マスター「お疲れさん、今日の給料だよ。」
星郎「まだ早えしもう一走り行ってこよか?」
マスター「いや、いいよ。聞く話だとまだ街に慣れねぇらしいな。仕事があったって、金があったって使えなきゃ終わりだぞ。今日はしばらくはゆっくりしな。」
星郎「そうか?そんならそうさせて貰うわ。」
拍子抜けした様子で酒豪丸に乗りダンテへと戻っていく。
家に戻ると1人の女が部屋を見渡していた。
星郎「誰かぁ!!助けてぇ!!泥棒だぁ!!」
???「ちょ、やめてください!人聞きの悪い!」
星郎「誰だよ。」
アデーレ「と、隣に住んでるアデーレです。あなたがさ、さ、最近引っ越してきた方ですね!以後、お見知り置きを。」
焦った様な口調で話すアデーレに少し不信感を抱きながらも挨拶を返す
星郎「はぁ、星郎だ。よろしく。てか、なんで俺の家(仮)にいるんだ?」
アデーレ「わ、わ、私、研究家をしてまして、で、で、カーネリック様から聞きましたよ。異世界からきたって?」
星郎「あいつ……」
アデーレ「実はですね帰る方法が見つかりそうなんですよ。」
星郎「マジかよ……」