表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
廃人がヒロインなっちまった  作者: 大木戸 いずみ
21/34

21.美少女悪魔との会話 3

 ピンピンと元気で顔色の良い美人な悪魔が目の前に立っていた。

 ほう、これまたスタイルが良くて美しい女だな。滅茶苦茶男性陣に人気がありそうだ。制服は同じなはずなのに、着る人によってこうも雰囲気が変わるんだな。

 つか、胸元はせめて閉めてくれい。目のやり場に困る。

「貴女……」

 彼女は疑わし気な様子で私をじっと見つめている。

 あれ? 私何かした? どうしてそんな目で見られなければならんのだい。助けてやったというのに。

 というか、さっき彼女が発した「な」ってどういう意味だったんだろう。な、な……なめくじが通った! とか。……んなわけないか。

「何か問題あった? 目瞑ってたからほんっとうに何が起こっていたか分からないんだけど。なんか失敗してたならメンゴ」

 両手を合わせてちょびっと舌を出した。

 悪魔美女様は私の話なんて聞いていないのか、ずっと私を不思議そうに観察している。

「貴女、しんどくないの?」

「それがさ、全くしんどくなくて自分でも驚いてるなうぽよ」

「……信じられない」

「うんうん、私もこんな楽に気力を送れるなんて思ってもみなかったよ」

「違うわよ! 私が言いたいのは」

「ん? 何?」

 何故彼女はこんなにも戸惑っているのだろう。

 彼女が無事に立てているということは気力送りは成功したみたいだから別にいっか。それにしても、私、こんな超能力みたいな技が使えたんだ! 天使すげえ! 見直したぞ、天使!

「……何もないわ。……それで、助けてもらったんだもの。何が欲しいの?」

「だから、何もいらないって」

「それじゃあ、私の気が済まないわ」

 強情だな。……悪魔なのにその辺はちゃんとしているんだ。偏見だけど、悪魔はもっとずる賢いのだと思っていた。

「え~、じゃあ、名前教えて」

「名前? シャルロッテ・ギュルド、十六歳よ」

「…………はぁ!? え、今ギュルド、ギュルドって言った!?」

「え、ええ、言ったわよ。な、何よ。それがどうかしたの?」

 ……チーン、悲報ユユ・ベーカー死亡のお知らせ。

 こやつ、ギルドの妹だったの!! 道理で顔面が眩しいと思ったわ。てか、こんな美人で私より断然色気あるのに、同い年なのかよ~!

「どうしたの、そんなあからさまに落ち込んで」

「ギルドの妹だなんて思わないじゃん」

「あら、お兄様を知っているの?」

 これ以上、あの男に関わりたくないのに~! 妹を助けてどうするんだよ、私!

 悪役令嬢とギルドをくっつける作戦の難易度がどんどん上がっていくじゃん。本当に馬鹿だ、私の馬鹿馬鹿。もうこんなのカバになるしかないじゃん。

「昨日知り合ったんっすけどね~」

 遠くを見つめながら答える。

「あら、なんだか嬉しくなさそうね。天使ですらお兄様の魅力に惚れるっていうのに」

「いや~、あたしゃ別なんだわ。むしろ今、やばい状況なんっすわ」

「よく分からないけれど、お兄様に何かしたの?」

 ギルド妹よ、必死に消し去ろうとしている記憶をこれ以上私に思い出させようとするな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ