表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無双高校生の国造り with Harem(ハーレム)  作者: 上澤成龍
レトニア国民(仮) 篇
4/4

4.仮住まいの準備(後編)―家を買おう

 外に出て辺りを見回すと、反対側の店の前にカノンがいた。カノンもこちらに気づいて、手を振りながら「こっちですよー」と言っている。人混みの中を掻き分けて近寄っていく。綾斗は、カノンの元に着くと「何もなかったか?」と聞くが、カノンは「何にもなかったです~」と言って手をひらひらさせる。

 落ち合った二人は、早速ティオニス商会へと足を踏み入れる。

「いらっしゃいませ!!」

 店に入るや否や、大きな声がフロアに響く。

「おや、カノンおかえり」

「あー、ただいま」

 突然の家族モード。これには顔が少し引き()ってしまう。

「そちらの方は? 初めて見る顔ですが」

 自分の方に話を向けられると、綾斗は店の主人と目が合う。いきなりのことで綾斗が「えっ……あの……その……」などとたじろっていると、カノンが気を利かせて代弁してくれた。

「こちらは、先程ギルドにて前代未聞の記録を出した青年、カツラギ アヤトさんです。強いだけでなく、とてもフレンドリーで、気を遣ってくれる優しい方なんですよ」

 さりげなく、色々と褒められた綾斗は思わず赤面する。その一方で、主人は手を叩きながら笑っている。

「はっはっはっ、これはこれはアヤト様、ようこそティオニス商会へ。私はリディア・ティオニスと申します。以後、お見知りおきを」

 深々と頭を下げられ挨拶された綾斗も、「よろしく」と言って頭を下げる。その横で、カノンがクスッと笑ったのが聞こえた。

「それでは、アヤト様。まずこの店の説明をさせて頂きますが、よろしいですかな?」

「ああ、どうぞ」

 二つ返事で言葉を返す。

「では、軽く説明致します。ティオニス商会では、衣料品や食料品、日用品などを除けばほとんどの種類の品が揃っております。武器やポーション、さらには家まで販売しておりますので、何か欲しいものがあれば大体この店で買える、とも言われております」

(品揃えの良さが半端じゃない。現世にもこれくらい揃っている店があればいいのに)

 ほぼ何でも買えると聞いた綾斗は、そんなことを思いながら「ふむふむ」と相槌を打つ。

「次に、代金の支払いについて説明します。代金は、基本的に後での一括払いになります。ただ、お客様が希望される場合などには分割払いなどにもできます。代金の徴収は購入より3~5日程で、使いの者が参りますので、そこでお支払いください」

「希望すれば、購入したときにその場で支払うこともできるのか?」

「はい。お客様がお望みなら代金引き換えも可能です」

 別に疑うわけではないが、後払いより代引の方が安心だと思った綾斗は一応聞いてみるが、しっかり対応している。

「他に質問はございますか?」

「いや、特にはない」

「そうですか。では何をお探しで?」

 綾斗にとって、その質問に対する答えはただ一つ。

「家」

 それを聞いたティオニスは、笑いながら手を打つ。

「いやー、初めての来店で家を買うだなんて……面白い! 気に入りましたよ!」

 さっきまでの手拍子は拍手に変わる。チラッとカノンを見ると、そっちも失笑していた。

「おほん。では家を購入されるということですが、予算はおいくらほどで?」

 笑いが収まったティオニスは、喉の調子を整えると商人の顔へと戻り、予算について質問する。

「予算か。確か報酬が30Gと80Sだったから…………20Gくらいかな?」

「ほう! 20Gですか! なかなかですな!」

 予算が20Gということに、ティオニスは少し驚いているようだ。考えてもみれば、まだ17歳の男がいきなり「家を買う」などと言って、その予算が20G、日本円で2000万円ほどだ。普通ならば考えられない話だ。

「それで、その20Gは今お持ちで?」

 ティオニスがそんなことを聞いてきた。疑っているわけではないのだろうが、念の為ということだろう。

「ああ、持ってるぞ」

 綾斗はカノンに視線を送る。カノンはすぐに意味を理解し、手元のケースを開いて見せる。そこには金貨と銀貨が詰まっていた。

「えーと、はい、20G以上ありますね。分かりました、少々お待ちください。物件をリストアップして参ります」

 そう言うとティオニスはバックヤードへと消えていった。

「どんな家が出てくるのかな~。楽しみだ~」

「予算が20Gですからね……かなりの良物件が出てくると思いますよ」

「プール付きとか、広めの庭がある家があったらいいのにな」

「引っ越したら私も呼んでくださいね?」

 などと二人で駄弁っていると、ティオニスが奥の方から戻ってきた。

「色々と探した結果、おすすめの物件を3つ持って参りました」

 そう言って、その物件についての情報や、見取り図が書かれている紙を出した。

「まず1つ目です。こちらは南向きの家で日当たり良好です。そしてこの物件には、プールと広めの庭があります。他に……」

「これにする」

 またも即決。プールと広い庭、この2つだけで決めた。

「あ、こちらですか……他にもありますが……」

「これだ。絶対これ」

 譲れない。こんな良物件なかなか無い。現世で買おうものなら、億はいってもおかしくない。そんな豪邸を見逃せるものか。

「こちらの物件でよろしいのですか? ワケありですが」

「え? ワケあり?」

 ここでティオニスの口から、聞き逃せない言葉が出てきた。

「こちらの物件は新築なのですが、長い間買い手がいないために、汚れていたりしているので、多少の手入れが必要なんですよ」

 そんなことか、と思わず吹き出す。ちょっと汚れているくらいでワケありとは、なかなかの高基準だ。

「ちなみに築何年だ?」

「こちらは築5年です」

 築5年程度の汚れなんて、ちょっと頑張ればすぐに落ちる。これは買うしかない。

「よし、買った。いくらだ?」

「こちらの物件はですね、えーと18G 10Sです」

「予算内だし、ちょうどいいな。これに決めたぞ」

「はい、ありがとうございます! では、少しお待ちください。書類をお持ちします」

 そう言い残すとティオニスは足早に奥へと駆けていった。

「ふぅーっ。やっと買ったぞ。いやー、ここまで思い通りの物件が出るとは思わなかった」

「そうですよね! ワケありとは言え、プールもついているなんて……早く遊びに行きたいです!」

 また二人が会話を交わしていると、ドタバタとしながらティオニスが戻ってきた。手には6枚ほどの紙をしっかり持っている。

「お待たせしました! こちらの書類にサインと個人情報を記入していただければ、購入の手続きは完了します」

 その書類に目を移すと、文字がびっしりと書き込まれているが、読むのが面倒なのでさっさとサインだけ済ませた。その様子を横で見ていたカノンは「読まなくて大丈夫なんですか?」というのような目線を送るが、綾斗は気づくことなくサインをしていく。

「よーし、書き終わったぞー」

 綾斗はサインをした書類をティオニスへ提出する。

「では確認します…………はい、ちゃんと記入されてますね。では、これで手続きは完了です。しばしお待ちください、準備をして参ります」

 ティオニスは、またバックヤードへと姿を消す。そこからはゴソゴソと物を(あさ)るような音と、たまに「んー、どこ行ったかなー」などという言葉も聞こえてくる。

 いつもなら会話をしながら帰ってくるのを待っていたが、この時だけ二人は何も話さずにいた。

 そしていつものように数分で戻ってくるティオニス。何やら鍵を持っている。

「はい、お待たせ致しました。こちらが自宅の鍵になります」

 そう言ってティオニスは銀色に光る鍵を差し出す。その鍵には『L418』という数字が刻まれている。

「この数字は何か意味があるのか?」

 数字の意味がよく分からなかった綾斗はすぐに尋ねる。するとティオニスは「おや、言い忘れておりましたね」というと説明を始めた。

「えーとですね、この数字は『住所管理番号』と言ってですね、早い話が住所の代わりです」

 その説明にいまいちピンとこない綾斗は頭上に『?』を浮かべる。

「住所の代わり……というのは?」

「例えばですね、ラヴィア王国の人があなたに荷物を送りたいとします。その際、住所を箱に書かなければならないのですが、住所が長くて書くのが面倒だ、という時に住所管理番号を箱に書くだけでいい、ということです」

「なるほど。このアルファベットには別の意味があるのか?」

「はい、このアルファベットは国を識別するためのものです。レトニア王国は『L』、ラヴィア王国なら「R」、アウリス王国は『A』、テオドーラ王国は『T』、ルアーナ王国なら『N』という具合です」

 それを聞いて理解した綾斗は「なるほどなるほど」と言いながら鍵を手にする。

「さて、家の購入は済んだのですが、オプションなどはお付けします? アヤト様は新生活対象ですのでお安くご提供できますが」

「ほう、どんなオプションがあるんだ?」

 オプションが気になった綾斗は聞き返す。

「いろいろとありますが、オススメなのは『新生活家具セット』ですかね。生活に必要にとなる、ベッド、イス、テーブル、ソファー、クローゼットの5点セットをお安くお求め頂ける、というものです。また、家具はこちらでお運びして、家の中に入れておきます」

「よし、そのオプションをつけてくれ」

 家具のことを考えていた綾斗はまたも即決する。ティオニスは「ありがとうございます」と言って一礼する。するとティオニスはもう一つオプションを提案してきた。

「ちなみに、もう一つオススメのオプションがありますが……聞きます?」

「一応聞かせてくれ」

「もう一つの方は、こちらの清掃員がその家をキレイにしてから、お客様に受け渡しをする、というものです。いかがですか?」

「これも追加で」

 綾斗はさらにオプションを追加する。とりあえず面倒なことはしたくない、という綾斗の考え方によるものだった。

「よし、清算だ。全部でいくらになった?」

 オプションはこの程度でいいと思った綾斗は代金合計を尋ねる。

「えーと、待ってください…………はい、オプションの代金の合計が70Sですので、代金合計は18G 80Sになります」

「18G 80Sか、分かった。代引で頼む」

 そう言うと、報酬が入ったケースをカノンから受け取り、支払いの準備を始める。

「ありがとうございます。代金引き換えですね、少しお待ちください」

 ティオニスはまたも奥へと駆けていく。

 と、今度は会話をする間もなく、アタッシュケースのような大きな箱を持って戻ってきた。

「はい、お待たせいたしました。準備はよろしいでしょうか?」

(いや、戻ってくんの早すぎて準備出来てないし)

 綾斗は心の中で思う。恐らくカノンも同じことを思っているだろう。

「あと少しだけ待ってくれ」

 今の状況を綾斗が伝えると、ティオニスは「分かりました」と言葉を返す。

「えーと、18Gと80S…………よし、準備出来たぞ」

 綾斗は18枚の金貨と80枚の銀貨を差し出す。ティオニスは「では確認いたします」と言うとすごい速さで硬貨を数え始める。

「はい、18Gと80S、丁度ありますね」

 ティオニスは、そう言うと先ほど持ってきたケースに代金を詰め込んだ。

「では、支払いが終わりましたので、これから清掃や家具の搬入などをこちらで行います。夕方ごろには家に入れるかと思いますので、それまで街をぶらつくなりしてお過ごし下さい」

「夕方か……分かった」

 これからのことについて聞いた綾斗は席を立とうとする。すると、ティオニスが「お待ちください!」と綾斗を引き止める。

「これをお渡ししておりませんでしたね」

 ティオニスは、チケットのようなものを数枚差し出す。チケットには『商店街くじ引き券』の文字が書かれている。現実世界でも見たことのあるアイテムに、綾斗は聞き返す。

「くじ引き券? これは……?」

「この券はですね、ここの商店街の店で買い物をすると貰えます。こちらの券を持って、インフォメーションセンターの隣にあるくじ引き屋に行くと、1枚につき1回、くじを引くことができます」

「マジか! そりゃ嬉しいねぇ」

 今までにくじ引きで「はずれ」を出したことがなく、5回も引けば2等のひとつぐらいは出る男、葛城綾斗は思わず不敵な笑みを浮かべる。

「というわけで、くじ引き券10枚を差し上げます」

「ああ、ありがとう」

 綾斗はそのくじ引き券を大事に受け取り、ポケットに入れる。そして席を立ち、店の出入口へ向かう。カノンも後をついてくる。綾斗は「おりょ? なんでついてくるんだ?」と思ったが、特には気にせずに進む。扉のドアノブに手をかけ、店を出ようとしたとき、ティオニスがカウンターから声を掛ける。


「どうか、これからうちの娘をお願いしますね!」


 いきなりの事すぎて()せそうになるが、今は堪え「ああ、分かった」といって返事をして、店を出る。

「いやー、最後の言葉にはめっちゃ驚いたわ。なぁ?」

 カノンの方を見ると、顔を赤くしながら指先をもじもじさせ、下を見ている姿があった。

「あのー、カノンさーん? もしもーし?」

 その呼びかけに気づいたカノンは、我に返って綾斗のことを見る。目が合うと、さらに顔を紅潮させる。可愛すぎる。

「じゃ、そろそろ買い物に出かけようかな」

 商店街の方に体を向けようとしたとき、カノンが綾斗の服の袖をギュッと握り、さっきまで閉じていた口を開く。

「きょ、今日の夜、遊びに行っていいですか……?」

「え? 遊びに? 今日の夜?」

 ここでも不意打ちをかけられる。まさかの異世界転移して初日で、こんな美人と一夜を共にするのかと、そんなことが頭に浮かぶ。

「だ、だめですか……?」

「い、いやいやいや、全然いいよ!」

 断られるのかと不安そうな顔を浮かべていたカノンは、その言葉で表情を明るくする。

「行っていいんですね!? じゃあ今夜お邪魔します!」

 カノンはそう言うと、店の裏にある自宅のような建物へと駆けていった。

 置いて行かれた綾斗は、「意外と元気あるな……」などと呟きながらその様子を見ていた。

「よし、一人になったところで、早く買い物に行こう。食料と衣服に……そうだ、家具ももう少し欲しいな」

 今日買うものを考えながら、綾斗は商店街の方へと向かった。


                   ☆


「よーし、これぐらいでいいかな」

 すっかり日が落ち、街の明かりが綺麗に灯されている夜。綾斗は買い物を終え、食料品と衣服が入った大きな袋を3つ抱えながら自宅へと歩いていた。家具は自宅配送サービスを使っているので、手元には無いが、恐らくもう家に届いているだろう。

「いやー、安くて質がいい品物が多かったな。こんなにくじ引き券ももらっちゃった……あ、くじ引くの忘れた。まぁいいや、明日まとめて引こう」

 現在綾斗のポケットには、家を買った時の10枚に加え、買い物で貰った8枚のくじ引き券が入っている。買い物に夢中でくじ引き屋の存在をすっかり忘れていた。とりあえずそれは明日に回すとして、綾斗は今困っていた。

「家どこだ」

 家が見つからない。ティオニスにおおよその場所は教えてもらっていたが、なかなか辿り着けない。教えてもらった場所が間違っているのではないか、とも思うが今はこの辺りを頑張って探す。

「んー、見つからんなー。仕方ない、もう一度聞きに行くか」

 探しても見つからないので、ティオニスの元へと戻ろうとして振り返った時、一つの家が目に飛び込んだ。

「大きな屋敷……プールと広い庭……ここか……?」

 その家の門から玄関の方を見ると、なにやら大きな包みが数個置かれている。荷物のタグを見ると、『カツラギ アヤト 様』の名前が刻まれていた。

「ここかよ! うわー、探し物下手すぎかよ」

 綾斗は、探していたものがこんなに近くにあるのに気づけなかった自分に、何とも言えない気分になった。

「いや、ボケっとなっている時ではない。早く家に入ろう」

 我に返ると、門を開いて玄関へ向かった。その途中で見える、庭やプールを見ながら綾斗は期待を膨らませていった。

「よし、じゃあ入るか」

 鍵を開けると、扉を開いて自宅へと入った。

「おお、ここが今日からの我が家……違う、生活拠点だ。うん、そういう設定だったな」

 生活拠点兼自宅の内装を見て、その広さと装飾の細かさや綺麗さなどに引き込まれた。

「と、ところで明かりはどうやって点けるんだ?」

 まず部屋の明かりを点けようとするが、どうすればいいのか分からない。いろいろと探してみるが、電気があるわけなく、当然スイッチなどない……と思っていた時、奇妙なものを見つけた。

「なんだ? この木のレバーみたいなもの」

 とりあえず、レバーを引いてみる。すると、部屋に明かりが灯った。

「え? 電気なの? いや、でもあれは火だよな……謎だが……まあいい。明かりが点いたならいいや」

 なぜ火が付いたのかは分からないが、特には気にせず、明るく照らされた部屋を見ていた。

 その時、玄関から扉をノックする音が聞こえた。

「ん、カノンか? はーい、今行きまーす!」

 玄関へ向かい、扉を開くと、そこにはカノンが立っていた。服装を見ると、昼間の時よりも大人の雰囲気が漂い、露出が多めのものを身に着けていた。

「遊びに来ました……けど、準備できてますか?」

「ああ、大丈夫だ。上がってくれ」

「ふふっ、まだ準備できてないんじゃないですか?」

 カノンがクスッと笑うのを見て、綾斗は「え?」と声をあげる。

「玄関に家具が落ちてますよ?」

「あ」

 玄関に置かれている家具のことも忘れていた。さっき自信あり気に準備できてる、などと話した自分が恥ずかしくなり、綾斗は赤面する。

「ほら、早く運んじゃいましょう。私も手伝いますから」

「あ、ありがとうな」

 綾斗は外に出て、カノンと一緒に家具を中へと運び込んで、設置していった。

「ふぅ、これが最後だな。これは……寝室に置くテーブルだ」

 綾斗とカノンは最後の家具を寝室へと運んで、設置した。

「よし、これで終わりだ。手伝ってくれてありがとうな。助かったよ」

 二人はベッドの上に腰を落とした。

「いえいえ、アヤトさんの為なら……」

 そう言うとカノンは顔を赤らめる。それを見て綾斗も思わず照れてしまう。

 綾斗は今一度、カノンの顔を見つめる。カノンもそれに気づくと赤らめた顔を上げて綾斗と目を合わせる。

「綺麗だ……」

 思わず心の声が漏れる。その言葉をカノンにかけた時、綾斗の中で何かが外れた。

「え、綺麗……ですか……? あ、アヤトさんにそう言ってもらえるとうれ……」

 カノンが気づいたときには、綾斗と唇を重ね合わせていた。突然すぎてカノンは驚いているが、離れようとはしなかった。

 綾斗は、そのままカノンをベッドに押し倒すと、唇を離して、カノンの耳元で囁いた。

「俺のものに……なってくれるか?」

 カノンはその言葉で顔をさらに赤らめ、小声で「はいっ」と返事をする。


 そして二人はお互い初めての夜を過ごした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ