記憶消去
アントニーは顔をいきなり険しくしバキに問いかけた。
「ソイツらのことどう思うんだよ?」
「なんか…モヤモヤするんだ。懐かしさ?………的な感じ…。」
アントニーはため息をしバキの目をじっと見て言った。
「バキ。…弟いるか?」
「……?」
バキは一瞬動揺し考え込んだ。
「家族、友人、夢、恋人…!さぁ!!答えろ!!」
アントニーはさらに圧力を叩きつけ、バキの肩に力強く手を乗せた。
その瞬間バキはしばらく無言になり一粒涙を流した。
「…ああ。何やってたんだろ…。俺。全て思い出した。」
「はぁ…。やっぱりか。」
バキはアントニーをすかさず一発殴ろうとしたがアントニーはバキの攻撃を読み握りこぶしを掴み攻撃を止めた。
「ごめんな。バキ……。お前の過去の記憶全て消去する。」
数時間後バキは椅子に座っていて両手、腹部、両足を固定されていた。ウトウトと目を覚ましたらすぐ目の前にアントニーが居た。バキをじっと見つめていた。だがバキは意識が朦朧とし全く驚かなかった。
「やぁ。」
アントニーは調子が良さそうに挨拶をした。
「…」
バキは今居る場所を見渡し今の状況を確認した。ここは…アントニーの部屋…?
アントニー……?
「調子はどう?バキ??」
アントニーが喋った瞬間全てを思い出した。
「アントニー…!!!!!!」
バキは怒りに燃え上がり恨んでるかのよえに低い声で言った。
「やっと起きたか〜☆麻酔薬効きすぎちゃったかな。まさか過去の記憶がよみがえるとはね。僕はまだ勉強不足かな。」
バキは暴れてアントニーに向かって言った。
「おい!!アントニー!俺を早く解放しろ!!!」
「なーんで?」
アントニーは陽気にパソコンの前に座りながら言った。
「ローたちに会いたいし、ローズと俺の弟にも会いたい。それとお前らの計画をぶっ壊すために…!!!!」
バキは固定されてる手を無理やり出して悪魔法を発動しようとしたが何故か出来なかった。
「…………?……あ??」
バキは一瞬にして思いついた。
「もしかしてあの薬品を…!!!!」
「セーカイ!」
アントニーは上から目線で言った。
「君と一緒に発明した悪魔法が使えなくなる素晴らしい薬品を使わせていただきましたぜ。後は何分何時間もつかだな。これこそ一石二鳥だね。」
バキはキレて言った。
「俺を使って実験するんじゃねぇ!!」
するとドアの方から男の声が聞こえた。
「何事かね?さっきから騒がしいぞ。」
アントニーはビックとしドアの方を見て即座に言った。
「申し訳ございません。アーネスト様。」
バキはキレ気味に言った。
「お父様。…どうゆう事です!?これは…!!!」
「すいません。僕の設計ミスらしくて記憶がまた…。」
「ああ。その話はもう聞いている。しょうがないさ。失敗は成功のもとって言うだろ?…それとバキ。」
アーネストはバキのほうにスッと歩いて行きバキの物凄く近くの後ろで印象深く言った。
「お前の力が必要なんだよ…我が息子よ。」
「はぁ?…。」
アーネストはアントニーのほうに手をかざし言った。
「アントニー。もう準備はできているか?」
アントニーは再チェックした。
「…はい。ちゃんと調整したんだ大丈夫です。」
バキはアントニーに向かって物凄く力強く抵抗した。
「おい!!!やめろ!!!クソ野郎!!!」
アーネストはニヤついた。
「やれ…」
「……了解。」
アントニーは少し動揺をしながらも記憶消去を開始した。
「ふぅ…。成功か…?。」
バキは意識がなくなってきた。頭がグチャグチャになってきた。
「クソッ……意識ィ…」
「期待してるぞ。バキ。」
バキはそのアーネストの言葉を聞いた瞬間、目を閉じ意識をなくした。