-blood moon-
これは特殊な能力を持つ少年少女達の暗い過去と複雑な想いが絡み合う、戦いと再生の物語。
【プロローグ】
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……誰かの声がする。
聞いたことのない、でもどこか懐かしいその声が段々とはっきりと聞こえてきた。
「……ク…、コ…ク……、……ハク…!、琥珀…!!」
私の名前を呼ぶその声に応えるよう閉じていた目をあけると、とても辛そうな表情をした美しい少女の顔が目の前にあった。
それと同時にに視界に広がった、目に焼きついて離れない紅く染まった月と血に燃える世界。
何故か初めて見るはずのこの景色に途轍もない既視感と胸のざわめきを覚えた。
何故か体が重くて動かせず、目も霞んで少女の顔もよく見えないが、ただその少女がどれだけ美しく悲しそうで、そして私にとって大切な存在であるかは理解することができた。
上手く言葉を発せられない口を必死に動かして、私はその今にも泣き出しそうで壊れてしまいそうな少女の名を呼んだ。
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第一作目となるこの小説、「紅夜」は今まで何年も何年も温めて続けてきた大切な物語です。
シリーズとしてかなり長いお話になると思いますので、どうが御付き合いいただければ嬉しいです。
初めて書く小説のため、誤字脱字・拙い文章力と残念な語彙力が目に余るかと思いますが、頑張って書いていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願い致します。
ー朔ー