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初戦闘

その後のストーリーとの齟齬を解消するために、加筆修正しました。

全体の流れは変わっていません。

 この世界って、ホント美人が多いよな。

 今絡まれてるシスターさんも、肩まで伸びた黒髪に切れ長の黒い瞳がとても綺麗な美人だし。

 ローブの上からでも分かるスタイルの良さ。

 ちょっと、お近づきになりたい……。

 いざとなれば『空間転移』で逃げればいいから、頑張って助けよう。


「おいおい、金目のものを置いてけばいいんだからよ。金が無いならあっちの相手でもいいぜ。ぐへへ……」

 俺が後ろから近づくと、男が絶好調でゲスいことを喋ってる。

 ありがち、ありがち。

 じゃあ俺もありがちでいくかな。

「その辺でやめといてくれないか?」

 美人のシスターの前に颯爽と登場する俺、かっこいい?

 ん?なんかシスターが微妙な表情に。

「なんだてめぇ!関係ねぇ奴はひっこんでろ!」

 こっちの男達は定番の反応なのに、なんでシスターは眉間にシワを寄せて睨んでるの?

 昨日のトラウマがよみがえる……。

 も、もうちょっとキリっとして言ってみよう。

「女性に乱暴な事をする奴は見逃せないんでな。痛い目にあいたくなければ立ち去りな」「なんだこいつは!?おい、ちょっとアレで見てみろ」

 俺はかっこよく決めたつもりだったけど、なんか男達も様子がちょっとおかしいな。

 突然、男達のうちの一人が呪文を詠唱し始めた。

 攻撃呪文だとやばいと思ったけど、後ろに女性がいるのにそんな危険な呪文使うわけないか。

 というか、スキル『魔眼』のおかげか、魔力の流れが見える。

 相手の詠唱が終わると、相手の放った魔力が俺にまとわりつくように流れてきた。

 『魔眼』にストックしてみると、


【魔法】『情報開示』 相手のステータスを確認する


 なるほどね、よくある魔法だわ。

 俺の今のステータスは偽装してあるので、


【名前】ヤクモ

【レベル】1

【HP】20/20

【MP】10/10

【腕力】5

【敏捷】4

【魔力】5

【職業】冒険者

【スキル】無し


になっている。

 ちなみに姿は白髪碧眼に偽装してる。

「こいつ弱いっすよ。やっちまいましょう」

 俺のステータスを確認した男は、ボスっぽい奴にそう告げた。

 最初に召喚された時のステータスを参考に偽装したけど、やっぱり弱かったのか。

 俺は男達に『情報開示』の魔法を無詠唱で発動する。


【名前】ロッソ

【レベル】6

【HP】55/55

【MP】32/32

【腕力】20

【敏捷】12

【魔力】8

【職業】ヴェルデの部下A

【スキル】強化剣


【名前】ブル

【レベル】7

【HP】58/58

【MP】11/11

【腕力】40

【敏捷】15

【魔力】2

【職業】ヴェルデの部下B

【スキル】強化拳


【名前】ビャンコ

【レベル】6

【HP】25/25

【MP】52/52

【腕力】10

【敏捷】14

【魔力】32

【職業】ヴェルデの部下C

【魔法】ファイアボールLV1 情報開示


 レベルの割に弱くないか?


 ちなみにストックした魔法は1つなのに、『情報開示』を3回使えたのは、ストックした魔法はそのまま覚えられて、しかも無詠唱で発動できるようになったからだ。

 ヘルプにあった通り使用した魔法はストックから消えるけど、ストックすることで魔法を覚えれるから問題無いな。

 魔眼のストックから使った魔法はMP消費が無いようなので、MPを多く消費する魔法をストックしておくと緊急時にも使えそうだ。


 【職業】ヴェルデの部下――ヴェルデって誰?

 余計な事を考えてたら、男達が襲ってきた。

 一人目の男ロッソは、俺に向かって右手の剣を袈裟懸けに振り下ろす。

 でも、俺にはその動きがスローモーションのように見えた。

 元々動体視力はいい方だがステータスのおかげか、一流スポーツ選手が入れるゾーンみたいな状態になっているな。

 軽く避けて決めポーズ。くるっと回ってみると、後ろにいるはずの美人のシスターさんはもう居なかった。

 あれれ~、おっかしいぞ~?

 まぁ、危ないから逃げてくれていいんだけどね。

 助けたのにお礼の言葉も無いまま居なくなるなんて――いや、考えないことにしよう。

「このやろう!」

 今度は、ブルとかいう俺の2倍近い体格の強面の男が、『強化拳』のスキルを発動して殴りかかってきた。

 試しに相手の発動したスキルを『魔眼』にストックしてみたら、できてしまった。

 これすげー便利。

 よくよく相手を見ると、拳に魔力を集中してる。

 この世界のスキルは、魔力を使って発動するものでほとんど魔法に近いのかもしれない。

 俺はブルの拳を屈んで避けて今ストックした『強化拳』を発動し、ブルの鳩尾をチョンと軽く叩いた。

 そんなに力を込めていないのに、ブルの体はくの字に曲がって宙に浮く。

「げぶぉあ!」

 口からいろいろ吐いて白目をむいて倒れてしまった。

 やべぇ、力の差がありすぎたか?

 『魔眼』で見ると魔力で自己修復を始めたようで、患部に体中の魔力が集まっている。

 この世界の魔力って、赤血球とか血小板的な働きもするんだな。

 それよりも、もっと加減しないと危険だな……相手が。

「なっ、ブルがやられた!?」

 一人がやられた事によって、残った二人の目付きが殺気を帯びた鋭い眼光へと変わった。 シスターさんも逃げちゃったし俺も逃げていいと思うけど、ビャンコとかいう奴の『ファイアボール』を覚えておきたいんだよね。

 使ってくれないかな~?なんて思ってたら、ピピピピという警告音みたいなものが聞こえて足下に赤いサークルのようなものが浮かび上がった。

 この警告音やサークルは、周りの人間には聞こえないし見えていないようだ。

 これ、ひょっとして『危険予知』が働いて、直近の未来の危険な場所を示してるのか?

 足下から男達の方へ視線を戻すと、ビャンコが魔法の詠唱を始めていた。

 先程と違う魔力の流れから、それが『ファイアボール』だと確信する。

 さらに、ロッソも『強化剣』を発動してる。

 やったぜ!

 ファイアーボールの発動を確認してから、足下のサークル外に飛び出しつつ『魔眼』に『ファイアボール』と『強化剣』をストックする。

 ファイアボールを避けた俺に向けてロッソが剣を突き出してきたが、俺は難無く躱して二人の鳩尾にさっきよりもさらに軽めに拳を入れた。

「ぐぼっ!」

「げえっ!」

 加減したつもりだったけど、やっぱり白目むいて動かなくなった。

 男達を倒した俺の後ろにはもう誰もいなくて、ちょっと落ち込んだ。

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