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組織

いつも読んでいただき、ありがとうございます。

ブックマーク100件超えました。

ご意見・ご感想等も賜り、とても嬉しいです。

今後もよろしくお願いします。

「俺達の組織は『ウル』と言う。世界の裏側から、各国の戦争や政治に介入して平和を保つのが仕事だ。民が虐げられる様な法律を改正させたり、紛争の火種を潰したりといった、いわば義賊のような事をしている。マリアやハルナも所属していて、彼女達には世情調査等をやってもらっている」

 聞いてもいないのにラルドが語り出した……長くなりそうだな。

 年輩者は若者達に語りたがるが、若者にとってはいい迷惑だと早く気付いてほしい。

 マリアさんの方を見ると、ハードボイルドに語るラルドにウットリしてた。

 もう好きにしてくれ。

 ハルナはなんか頬を赤く染めたまま俺の方をチラチラ見ながら、モジモジしてるし。

 お花を摘みに行きたくなったのかな?

 ハルナが世界地図を書く前に話が終わるといいが。

 俺と妹達は、既にお経を聞いてる馬の如し。東の風が耳に心地良いぜ。

 ところで此って、話しを聞いた後で断ったら「秘密を知られたからには、生かして置けない」何てことに成らないよね?


「各国のギルド等にも諜報員が潜り込んでいるから、さっき出来なかった冒険者ギルドでの登録も出来る。戦闘能力に関しては冒険者ランクA以上の猛者揃いだ。お前達にとってもメリットはあると思うが、どうだ?」

 ようやく話が終わったらしく、ラルドが俺に向き直る。

 今後の事も考えると冒険者登録しておけるのは有り難いな。

 ルルとミーシャの事もあるから出来るだけ味方が多い方がいい。

 けど、義賊ってことは結局表立った行動は出来ないだろうし、何か怪しさ満点なんだよな。

 とりあえず、なるべく交渉を有利に運ぶ為にちょっと揺さぶりを掛けますか。

「商売や勧誘で信用を得るためにはメリットだけじゃなく、デメリットも提示した方がいいんだぜ?俺達が仮に所属した時に被る義務なんかはあるのか?」

 黒豹の眼が鋭く細められ、肉食獣の攻撃前のような威圧を受ける。

 ちょっと口調が生意気すぎただろうか?

 ラルドが年上だとしても、これは交渉だから舐められる訳にはいかないんで、対等にいかせてもらおう。

「特にデメリットは無いと思うが。仲間を売ったり、組織に害を成すような悪質な事をしなければ罰を受けることもない。あえて上げるなら、仕事上ある程度は束縛されてしまうことだが、任務外の時の自由は保証されている。無償ではなく給金もそれなりに出るしな」

 ラルドの説明に、俺はふむと頷く。

 それほどデメリットが無いならいいかな?

 最大のデメリットは、任務と学校がある日が重なるとまずい点だが、これはこっちの都合だしな。

「なるほどな。まぁ、俺達の力が役に立つなら協力するのにやぶさかでない」

「では!」

「だが断る!」

 言ってみたかった台詞第一位を言ってみました。

「何故だっ!?」

 ラルドが俺の肩を毛むくじゃらの手で思いきり掴んで揺さぶる。

 馬鹿力で痛ぇよ!

 そもそも直ぐに良い返事をしたら交渉にならんでしょうが。


 ガクガクと揺さぶられる俺に、ハルナが心配そうな顔をして近付いてきた。

 そして、桜色の可愛らしい口で懇願する。

「ヤクモ、私からもお願いします。どうか組織に力を貸して下さい」

「はい、やります」

「「お兄ちゃん、ちょろいっ!!」」

 妹達が非難がましい眼で俺を見る。

 まったく、何を言ってるんだ妹達よ。

 我が女神の願いとあらば、身命を賭して全てを捧げるは当たり前だろうが。

 ラルドの口があんぐりと開いてるけど、俺を食べる気じゃないよね?

 マリアさん、そのやれやれだぜって感じで首を左右に振ってるのは何故?

 そして俺はハルナが近付いたことで、また血の気が引いてる。

 なんでハルナはこんなに可愛いのに、俺の体は拒絶反応を示すんだ!?

 混沌カオスと化した空気の中で、俺達は組織『ウル』に所属することを決定した。


「で、どうやって行くつもりなのか教えて欲しいんだけど?」

「ああ、もう来てもいい頃なんだが……」

 俺の問いかけにラルドが意味不明な応えを返す。

 何が来るの?俺達は行く相談をしていたはずだよね……?

 ラルドの視線の先を追って入口の扉を見た――瞬間、バギャッ!という轟音とともに扉が砕け散った。

「な、何だっ!?」

 吹き抜けになった入口には、それが生物であったなら必ず毒を持っていそうな、蛍光ピンクの装束を纏った忍者っぽい人が立っていた。

 敵か!?

 俺と妹達が臨戦態勢に入っているのと対照的に、残念な孫を見る祖父母のような瞳でラルドとマリアさんとハルナはピンク忍者に話しかける。

「ようやく来たか」

「壊した扉の代金は後で請求するからな」

「忍者なんですから、もう少し静かに入ってきて下さいね」

 ハルナが注意すると、ピンク忍者は一歩前に出て高らかに宣言する。

「忍者であるが、忍ぶ気無し!」

 忍べよ!

 何なんだこの忍者……っていうか、これ忍者?

 三人の態度からピンク忍者は敵では無いようだし、ハルナが忍者と言っている以上忍者なんだろう。

 忍者って言い過ぎて忍者がゲシュタルト崩壊してきた。

 顔は蛍光ピンクの頭巾で覆われていて目元しか見えない。

 素顔を隠している点だけは忍者っぽいな。

 顔を隠していても、女性であることはハッキリ分かる。

 何故なら、内側に着込んでいる鎖帷子がはち切れそうになる程、胸元の二つのスイカが自己主張していたからだ。

 自己主張が強過ぎて全く忍べそうに無いな。

 あれはもう爆乳という名の兵器と言っても過言では無いだろう。

 人間兵器という点も一応忍者っぽいか?

 俺の中の忍者の定義が揺らぐ……。


 ラルドの方を見ると、黒毛の奥で頬を赤く染めたのを見抜かれたのか、マリアさんに思いっきりつねられていた。ざまぁ。

 それにしても、あの頭巾の隙間から見える黒眼と、はち切れそうな程の胸のスイカ爆乳。

 どこかで見たような気がするんだよな。

 どこだっただろうかと、鎖帷子が千切れそうになっている胸元をじっと見つめる。

 そんな俺をハルナと妹達がジトっと見つめる。

「ん?どうした?」

 三人で胸の辺りを抑えて、何か病気にでもなったか?

 回復魔法で治ればいいが。

「ヤクモもやはり大きい方がいいのですね……」

「お兄ちゃんのスイカ好き!」

「お兄ちゃんのメロン好き!」

 美紅と美緒の罵倒(?)は良く分からんからほっとこう。

 ハルナは何故涙目?

 俺の第六感が回復魔法では治らないと告げているが、何故だ?


 ピンク忍者に視線を戻すと、俺の方に歩み寄って来ていた。

「お前、何か見たことあるな」

 やはりこのピンク忍者とは、何処かで会っているのか……?

魔眼のストックについて、説明不足だったので本文を加筆修正しました。

ストックした魔法は使うとストックから消えるのですが、一度ストックした魔法は自分のスキルとして覚えてしまえます。

一応3つまでストックできるという設定は生きているのですが、魔法を覚えてしまえるので無制限にストックできているという誤解が生じていました。

拙い文章で読者の方を混乱させてしまったことをお詫びします。

今後も矛盾や誤字脱字等見つけましたら容赦無くご指摘ください。

ありがとうございました。

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