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理由

“ここ寒いだろ?今、温かいお茶を用意するよ。君らはあの部屋で待ってて”


 ベルはそう言って少女らの後ろにある扉を指差してどこかへ消える。幸子は言われるままその扉の前に立ち雪も隣に続いた。

「「ひっっ」」

 扉を開けた二人は、自分達の眼にしたものに思わず声を洩らし足を止めてしまう。


 淡いパステルカラーの壁に囲まれ、飾り棚に置かれた観葉植物。アンティークと一目で分かる家具が並ぶカントリー風の可愛い部屋。

 そんな部屋の出窓から見える風景は―――禍々しい雲に覆われた空に絶えず雷が轟き、重々しく淀んだ霧の向こうにあまりにも大きな巨木が聳える黒い光景。

 あまりに不似合いで、驚き、固まったのだ。

「何、これ一体どこの国なの?げぇぇ!やだ、さっちゃん。何あれ?気持ち悪いよぅ」

 見慣れない景色の中、あるモノに眼を奪われた雪が指差す場所。

 そこに這いつくばり、もぞもぞと地面に顔をこすり付けている何かが蠢く。それは、とても醜く幸子も雪も始めて眼にする生き物だったが・・・本当に恐ろしいのは、二人ともあれが、人間の様にも見える、ことだった。

 怯えたまま今だ入り口に立ち竦み部屋に入れずにいる二人にカチャカチャと音が聞こえてくる。

 段々と近づく音に二人が振り向けば、お茶のセットをカチャカチャと鳴らしながらフワフワヨレヨレと飛んでくるお盆。

“あれ?何で二人とも立ったままなのさ。早く入って座りなよ”

「あの・・・私たち。その・・・」言い濁す少女らを見てベルは安心させようと“ここはね、聖女様の血界があるから危険なんてないから”と伝え強引に座らせる。

 そうしてベルは、渋々座った少女らに小さな身体をいっぱいに使いポットを持ち上げお茶を注ぐ。

 琥珀色の紅茶は、湯気と一緒に甘い匂いが漂い緊張と不安を癒していく。一口飲めば甘さとちょうど好い酸っぱさが口に広がっていった。

「うわぁ~、さっちゃん。この紅茶凄く美味しいよ」

「うん、本当。身体もあたたまるね」

 食いしん坊の雪は、早速とクッキーにも手をのばし頬張る。

「んんん~。このクッキーも最高だよぅ。今まで食べた中で一番美味しいクッキーだぁ」

 少しも遠慮しない雪に幸子が、ちょっと!と窘めた。

“あはは、いいんだよ。誉めてくれてありがとう。それ、僕が作ったんだ。お茶もお菓子もおかわりがあるからドンドン遠慮せずに言って”

「手作り?すごいよ~。ベルはお菓子作りの天才だね。他にも作れるの?」

 すっかりお菓子話しで打ち解けあった雪とベルは、和やかな雰囲気でおしゃべりを始めた。そんな雪とベルの話しを黙って聞いていた幸子だったが、眼の端にチラチラと映る外の風景はいつまでもお茶とお菓子を食べている訳にはいかないことを思い出させる。

「!!、あの、それで、私たちにお願いしたいことって何かな?」

 思いっきって尋ねてみれば、楽しくおしゃべりしていたベルから笑顔が消え“少し長くなるから”と前置き話し始める。

“・・・ここはね、常盤の王様が生み出された物語を管理する世界、常盤の森。君らが住んでいる世界とは全く別の世界なんだ”

 俄かに信じられない話しに幸子と雪の顔に警戒心が浮かぶ。

 そんな二人を前に“そうなるよね”とベルは呟きながら、キラキラと光る小さなガラスの欠片を棚の上から取り出しテーブルに置いた。

“これで少しは信じてもらえるといいけど”

 ベルがつま先で軽くガラスの欠片を蹴る。瞬間、破片から光が真っすぐに延び壁面にぶつかるとそこからパァ~と映像が映し出され、次いで部屋中に広がっていく。


「「!!」」


 ソファーに座りベルの話しを聞いていたはずの二人は今、見覚えのない場所に立ち、見覚えのない場所を眺めている。

“驚かなくて大丈夫だから。これは、水晶の記憶。君らは今、山の上にそびえる城のバルコニーから常盤の森を眺めてるんだ。ほら見て、あれが常盤樹。あぁ、森はあんなに綺麗で、それに常盤樹はもえるように緑緑としている。それに皆も・・・楽しそうだ”

 興奮でベルの声が少し大きくなる。幸子と雪は、常盤樹の佇まいに眼が離せずにいると風が吹いて森の緑がいっせいに揺れた。


 それはまるで自然のオーケストラのようで。 さわめく森は美しいメロディを奏で、鳥は清らかに歌う。


 そこに住む者たちの笑い声、話し声すら楽音となり、常盤樹は全てを包みこみ、解放する指揮者のようだった。

 

 だが、欠片は小さく映像は長くは続かない。ふと、映像が消える。

 幸子と雪は再びあの部屋のソファーに腰かけていたし、ベルは寂しそうに壁を見つめていた。テーブルの上に転がる水晶は、もうただのガラスの欠片にしか見えない。

“終わっちゃったか。これで、ここが君らの世界でないと信じてもらえたよね?”

「うん、世界が違うのは何となくわかったよ。ここは、凄くキレイな世界だったんだね」

 素直な感想を告げた幸子にベルは泣きそうに顔を歪めたが、すぐに笑顔に戻り“ありがとう”とお礼を口にした。

“でも今は、すっかり変わってしまった。もうあのキレイな森はどこにもない。あの日・・・”

 そう言って、悔しそうに口を噛み部屋の窓から常盤樹を見つめるベル。その眼は真っ直ぐ、あまりにも真剣で、幸子も雪も声をかけることができない。

“この世界は、二つの層で一つの世界が成り立ってる。まるで、コインのように表と裏があるんだ。紡ぎ出された物語は、いつかは終わりを告げるだろ?そうすると登場人物たちは役目を終えて、二つのもののうちどちらかに分けられるんだ。もちろん選択肢はない。魂に器を持つ祝福に満ち溢れた光の層の住人か、魂を楔に繋がれ闇に堕ちて眠る常闇の層の住人か・・・この二つの層は、絶対に交わることなんてないはずなのに・・・あの日、悪い魔女が旅の踊り子に成りすましてこちら側に魔人の身体の一部を持ち込んだのさ。そのせいで今では常盤樹は毒を膿みだし、森は毒腐をまき散らす。あの美しかった世界の住人達は醜い者に姿を変えられ、その毒を好んで啜っているって訳さ。でも、もっと酷いのは魔人によって王様たちはオルゴールに閉じ込められ、全ての物語が書き換えられたことだよ”


 振り向いたベルの眼差しは、今だ真剣で二人を見据える。


“僕のお願いは、君らにこの世界を救って欲しいんだ。この世界には「無理だよ」・・・”

 言い終わらない内にベルの言葉を遮ったのは雪。

「そんなこと無理。私たち何もできないよ。それにここは物語の世界なんでしょ?だったら本とかだと軍隊とか、すごい騎士団とか、勇者をお話から呼ぶとかできないの?それが・・・」

“違うよ!”

 今度は雪の言葉をベルが遮り首を左右に振った。

“違うんだ。常盤樹の王の一族。その役目は、物語を生まれたままに管理すること。それと、祝福を受けた魂の器に祝福を授け幸せを満たしていくこと。戦うことが役目だったのは・・・この世界を守る役目は、聖女様と呼ばれる方なんだ”


 “聖女様は”そう言ったベルの眼差しが少し和らいだように見えた。

“聖女様は、とっても凄い人なんだよ。この世界の異変に、原因不明の歪みに最初に気づいたのも聖女様なんだ。それから毎日いろいろな本を調べて、住人たちから話しを聞いてたりしてさ。でもある日、歪みの原因が分かったかもしれないってホッとしたみたいだった。それからすぐ聖女様は歪みを正す為にって、二つの層をつなぐ門をくぐって闇の世界に行ったんだけど・・・それっきり帰ってこなかったんだ。僕たちは何かあった時に聖女様の代わりを努めるように留守番を命じられたんだ。だから、聖女様がいれば!本当だったら悪い魔女なんて入れ来れないはずなのに!!きっと、この森だってこんなことになってなかったはずだよ。だから聖女様に選ばれた君らに戦ってほしいんだ”

 ベルの頬に大きな涙の粒が伝わり、床に零れ落ちる。そして、絨毯の上に一粒の宝石となって転がった。

 幸子も雪もこの世界に、ベルに同情した。でも何の力もなれない以上、どうもしてやれないと心を痛めるしかできない。

思わせぶりに長引かせて変に期待を持たせるより、はっきりと断ってあげた方が優しいことを二人は知っている。

「そんな急に戦えって言われても私には無理だよ。ベルの力にはなれない、ごめんね」

 すかさず雪も「私も無理だよ。あんな風になるかもって考えたら怖いの。ごめんね」と続き、外にいる生き物に眼をやった。

 断られると本当に思ってなかったのか、ベルの瞳にショックの色が滲み出、部屋を気まずい沈黙が支配した。しばらくの沈黙に耐えかねた幸子が「地球に帰してほしい」とお願いしようとすると、ベルが口から絞り出したように話し始めた。

“・・・・・・じゃぁ、簡単なことだけでもいいから手伝って。君らが目覚めた時、そばに本があっただろ。その物語が、君ら自身の物語だったことを思い出して欲しいんだ”

 意味が分からず、二人が顔をしかめるもベルは構わずに話し続ける。

“君らの魂が、物語の中で生きて、幸せや感動を多くの人に授けた証。その魂が『器』と呼ばれるモノになるんだ。その『器』を持つ者はね、常盤樹に見守られ、誰かが物語を読み続ける限り『器』には常盤樹の王様によって祝福が注がれ、この森で永遠に幸せに暮らすことができるんだ。せめて、その器だけでも取り戻してほしい”

 それを聞いた雪が首を振る。

「だったら人違い。雪もさっちゃんもこの常盤の森?で暮らしたことなんてないもん」

“ううん、それは違うよ。何回、転生しても雪の魂は『器』だ。何でかまでは知らないけど雪は物語が終わると転生し、全く別の人間として生きることを望んだ。だから忘れてても仕方ないよ。器としての記憶を持ったままだと混乱して、心が壊れる可能性があるから常盤樹の王様が器と魂を分離させてるのさ。考えてもみろ。私、白雪姫なんですって言って可愛いのは小さい頃だけだと思わないか?大人になってまでとか・・・・・・キツい。そういうことで器は、本の中で眠ったまま。雪がいつ帰ってきてもいいようにね。まぁ、常盤樹の王様のいない今、器は自力で取り戻してもらうことになるけど・・・君らは特別な条件で選ばれた特別な人だから簡単だよ。本を開いて一言読んでもらうだけだから”

 ベルの熱意に圧倒された二人は、最初のお願いを断った罪悪感から「それぐらいなら・・・」と控えめに頷く。その返事を聞いたベルは、嬉しそうに二人の間を激しく飛び回る。

“やったぁ~。じゃぁ、気が変わらないうちに。ねぇ、さっきの本がそこにあるから開いてみてよ”

「さっきのって、マッチ売りの少女のこと?」

“そう。幸子はマッチ売りの少女、雪は白雪姫だ。その本の最後ページを開いて、書いてある文字を読んでみて。あっ、注意が一つだけあるんだ。二人でせーので声をそろえて読んでほしい”

 ベルに言われるまま最後のページを開けば、たった一行だけ書いてあった。

互いを見つめ合った幸子と雪が頷き、幸子がせーのと声をかける。


「「尽きぬ涙に祝福を。幸福は私の器と共にあれ」」


 本から溢れでる光と共にそれぞれの『器』が現れた。



 幸子の器は星。

 そっと手に触れると器は――夜空に舞う赤い蝶々へと変わり唇に触れる。



 雪の器は林檎。

 林檎をかじれば器は――たちまち小鹿に変わり跳ねまわりつつ唇に触れる。



 二人の器が、それぞれの使い魔となり口に触れた瞬間。


 不思議なことに二人の身につけていた服は消え去り、全く別の服を身にまとっていた。一般的にこれは、メイド服と言われるものだろうか?とマジマジとお互い驚きに目を丸くしたまま見つめ合う。

 幸子はゴスロリテイストに、雪はエプソンドレス風と二人のイメージどおり可愛いらしい仕上がりだ。

「何?何で?どうして?」と、軽く困惑している雪を幸子は「うわぁ、雪ちゃん。すごく似合ってる。可愛い服だね」と暢気に褒める。

“落ち着いて、君らは対価を支払って魂に器を取り戻したのさ。これで契約が終わったんだ・・・・・・と言いたいけどまだ完全じゃない。自分の物語を元に戻す、そうして器は本当の輝きに戻る。その時が、本当の契約終了だ”


 ベルは微笑む。――――明らかな確信犯の微笑み。


 契約?

 二人は、意味が分からずに首を傾ける。ベルは、もう一度本を開いてみてと促し“ここだよ”と指し示す箇所。

 そこには、本を近づけて尚、眼を細めて見なければならない程の小さな小さな小さな文字。


―――契約が結ばれた旨が記されていた。


「ベル?分らないんだけど。その契約って何なの?私たちベルに言われた通りにしたよ。これで帰れるんでしょ?」

 ベルの表情に二人の心に不安が沁みてゆく。ベルに問いかけた幸子の声も不安から少し上擦ったものになっていた。

“駄目だ、君らは戻れない。必要な力を手に入れる対価・・・それは、君らの日常だから。それに元々、君らをこちらに呼ぶことは出来ても元の世界へ返す方法を知らないんだ。だから、断られたらどうしていいか分からなくて。こんなことすると君らはきっと怒るだろうと思ったからお願いした時に頷いてほしかった。・・・帰る方法は、常盤樹の王様か聖女様なら分かると思うけど”


 余りに酷く理不尽な話しに幸子は呆然とし、瞬きも忘れベルを凝視していた。その横で、涙ぐんだ雪がベルに問いかける。

「帰れ・・・ない?・・・何、それ。聖霊ってこんな詐欺紛いなことすんの?もう皆に・・・会えないの?」

 そう言って泣き出した雪を見て、ふいに幸子の中に怒りが急速に込み上げくる。

「ベル、強引すぎだよ。私たち引き受けた訳じゃないのに。ましてや、呼ばれた時から帰れないなんて酷すぎるよ。特別な力で、何が出来るのか知らないけど私たちは、こんな力なんていらない」

 これを聞いたベルの顔から血の気が引いた。

“・・・何てバカなことを。君らの器は、普通とは違い特別、選ばれた者たちなんだぞ?それを持っていることが、どんだけ名誉なことかわからないのか?力を使えば誰の物語だろうと入って、真の終わりに導びくことができるんだぞ!その力があれば聖女様のことも探せるし、この世界の平和だって取り戻せるのに”

 ベルの勝手な言い分に泣いていた雪が、感情のままに叫ぶ。

「名誉?そんなものほしくない。こんなことなら特別な力もいらない。ベルにあげる。雪は今まで、力が使えなくて困ったことなかったもん。もうベルのことなんて信用できないよ!」

 そっぽを向いて言う雪に幸子も同意して「そうだね」と大きく頷く。

「ベル・・・取りあえず私たちを二人きりにしてほしい。今は、あなたの顔を見たくないんだ。分かってもらえるでしょ?」

 少女らの拒絶にベルの眼に悲しみが浮かぶ。何か言いたげに口を開いたが、結局何も言わずに部屋から出て行った。



 ベルのいなくなった部屋で、幸子はしばらくの間、雪を泣かせてあげた。

(どうしてこんなことになっちゃったんだろう?)

 幸子がベルの消えた扉を見つめながら一つため息をつく。

 ここへ来てどれだけ時間が過ぎたのか分からない。連れて来られた時すでに夕方だったし、もう夜になってるかもしれない。

(あぁ、きっと・・・)

怒る母親を想像していると鼻声の雪から声がかかった。

「ねぇ、さっちゃん。きっと私たち帰るのが遅いって怒られちゃうよね」

 同じことを考えていた雪に驚いて幸子の顔に笑みがこぼれる。

「やっぱり?もう本当にヤバいよ。うちのママ怒るとかなり怖いんだってば」

「うちもかなりだよ。あ~ぁ、あんまり遅いと晩ご飯抜きになっちゃうよぉ」

 帰りが遅いと怒る母親を想像すると怖かったのか互いに顔が引きつっている。と、同時に帰れないのに二人して何言ってんだかと雪に至っては食べれもしない晩ご飯の心配まで。

 可笑しくてクスクスと笑いだす。

 こうやって二人は無駄に見える会話で少しずつ冷静になっていく。

「ねぇ、雪ちゃん。泣いてばかりじゃ駄目なのは分かるよね?」

 慰めるように頭をポンポンとすれば、雪は「うん、もう大丈夫だよ」と涙を拭って言った。



□□□□□■□□□



 幸子に呼ばれ、ベルが部屋へ入って来た。まるで、これから刑期でも言い渡されるかのように緊張で身体を強張らせ俯いている。

「ベル、私たちは協力することに決めたよ」

 やっと聞き取れる程の幸子の小さな声。ベルは嬉しくて思わず顔を上げた。

 けれど目の前の少女らの表情は堅いまま。


 雪は壁を見つめたままこちらを見ようともしないし、当の幸子の眼差しは厳しく冷たいものだった。

「だけど、勘違いしないでほしいの。私たちは私たちの為にベルに協力するだけ。帰る方法が見つかった時は、この世界なんて関係なくさっさと帰る。それを覚えててほしい」

“うん、それでも十分だよ。本当に騙してごめんなさい。そして、本当にありがとう”

 そう言って頭を下げたベルに「じゃぁ・・・」と雪の不機嫌な声がかかる。恐る恐る頭を上げたベルと雪の眼が合う。

 幸子と同じ厳しい眼差しに何を言われるのか、ベルの小さな胸はバクバクと鳴る。

「じゃぁ、私からもいい?・・・ねぇ、ベル?すごくお腹がすいたの。だから何か作ってよ。もちろんデザートまでないとダメだかんね」

 これに驚いたベルはマジマジと雪を見つめる。

「もう、そんな顔しないで。まるで雪たちが苛めてるみたいでしょ。確かに騙されたことは悔しかったけど・・・これから毎日顔合わせるのにいつまでも怒ってギスギスするなんて嫌じゃん。だから美味しいご飯で許してあげるって言ってんの。ベル?これから宜しくね」

 そう言って少女らが笑う。その笑顔に心の底から安堵したベルの口から今日、二度目の“ごめんなさい”の言葉と“本当にありがとう”と感謝に二粒目の宝石が零れ落ちた。


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