DATA 2:突入
お久しぶりで~す。
全てがもれなく薙ぎ倒されていた、『びる』という建造物。
それが、ドアを開けて最初に目の前に飛び込んできた、景色。
滴が口を開く。
「いいですか皆さん――聞いて下さい。
まずはあと4人の仲間を探しましょう。
道中、光る宝玉を見つけたら拾って下さい。残機が増えます。
あと、光る円を見つけたら乗りましょう。セーブができるので、死んでもそこから残機の数だけ蘇生してやり直しができます」
「……まるでゲームね」
「ゲームですよ。
邪竜の作った、僕達を駒にしたゲームです」
……。
英語が分からないから、この2人の会話にまったくついていけん。
さっきからちょいちょいゲームがどうとか聞こえるが、文明の未発達な損害村にゲームなどあるはずもなく、英語が分かったところでやっぱりついていけないのだが。
「仲間が全員揃ったら――世界各地にある、ダンジョンに入りましょう」
「あ?なんでそんなことすんだよ。
さっさと邪竜を倒しちまえばいいだろ」
疑問に思ったので訊ねてみた。
「だからあなたはバカなんですって……
僕達3人だけで、世界を一つ滅ぼせる力を持った化け物を、倒せるわけないでしょう」
「…………」
ごらんの有様だよ。
「ダンジョンというのは、
魂の遺跡
魂の神殿
魂の洞窟
魂の迷宮
魂の巨城
魂の大樹
魂の宮殿 ですね。
中には、『タマシイ』がいくつかあるはずなので、解放してあげて下さい。これからの生命を紡ぐ者達です。
また、彼らを解放すると、邪竜戦での僕達の戦闘能力が向上します。
で、ダンジョンの最後にはボスがいて、倒すとこの間違った歴史を修正するパーツが手に入ります」
「ほぉ~~……」
頑張って無理して頭に叩き込んだ。
と。
「ケケッ!!」
それは、俺達3人の声ではなかった。
「お前ら3人の首、ラ・トルメンタ様の手土産にしてヤル!」
そこにいた異形の戦士は、無き声帯で声を発していた。
「骸骨剣士!
あなた達、戦えますか!?僕は無理です!」
「私も……」
「俺、たぶんいけるぜ」
「本当ですか!?」
「イケルわけねーダロ!!クラエヤ~!!」
手にした剣で俺に斬りかかってくるスケルトン。
俺はスケルトンの斬撃をかわす。
「ナッ……」
驚いた表情のスケルトン。余程自分の腕に覚えがあったのだろう。
「じゃあね☆」
スケルトンの胸――胸筋はないが――に、掌底を入れてやった。
「ガ……ハッ……!!」
スケルトンはガラガラと音を立て、崩れ落ちていった。
最初からそこには何もなかったかのように、浄化えていってしまった。
「ふぅ……」
「結構すごいんですね、空地さんて」
「"結構"は余計だよねぇ……」
ゆらぁ。
まぁ、そんなこととかがいろいろあったわけで。
俺達は、日本の首都、東京――だった場所に来ていた。
元がいちばん栄えていた街だけあって、やはり残骸がいちばん多い。
その残骸の中の、一つをめくってみると。
光る宝玉が3つと、赤い鎌、ロケットランチャーがあった。
宝玉は1人1個ずつ使った。
「紅の鎌……ジュリーさん、使います?」
「ええ……貰っておくわ」
「じゃあ、僕はこのロケランを……っと」
「ねぇ、俺は」
「あなたは素手でも充分強いからいいでしょ」
「…………」
そんなこんなしているうちに、俺達は既に北海道の稚内だった場所に着いていた。
かかった時間は、1ヶ月くらいだろうか。
なんせ世界が崩壊しているので、青森~北海道間の海も干上がっていたのだった。
これまで倒した敵は、子守蝙蝠38匹(大量発生していた)、アメーバもどき6匹。
前回戦えなかった滴やジュリーさんも、武器を手に入れたことにより、戦闘に参加していた。
「着きました――ここが最初のダンジョン、『魂の遺跡』です。
そこの円に乗っておきましょう」
「いいのかよ?結局、仲間は誰一人見つからなかったぜ?」
「いいんです。日本、それに静岡から北海道までの道のりだけですが――ここまでの道のりまでは、くまなく探しまわったじゃないですか。
それなのにたったの一人もいないだなんて――」
「いや……4人だろ?そりゃいないんじゃないのか?」
「いいですから。もしかしたら、中にいるかもじゃないですか」
「もしかしたら、ね――にしても、世界が滅びてるっつーのによくここまで原型を留めてるよなー……」
「滅びたあとに、邪竜が建てたんですよ」
「…………
にしてもお前、よく滅びたあとにできた建物の場所がわかったよなー」
「勘です。」
「はあ!?勘でどーにかできるもんじゃねーだろ!?」
「僕は昔から運だけはいいんですよ。
1歳の頃から毎年初詣に行ってますが、16年間――一度として、おみくじで大吉を取り逃したことはありません」
「……まぁ、入ろうぜ」
ちょっと羨ましかったり、して。
中には、滴の予想した通り、人が2人いた。
1人はやたら筋肉質で色黒で、俺よりもさらに背が高い、ちょっと白髪がかった40くらいのおっさん。
もう1人はスラリとした長身美形――細マッチョっつうのかな?
長い黒髪の、和装の剣士。
入口の階段に座っていた。
「おっ!お前らも神の加護を受けた者共か!?おぉ、キレーなねーちゃんもいんじゃん!
俺、創 誠司っつーんだけど!」
色黒のおっさんが喋った。
あんたは羊の腸に詰めた肉か。
「私は立木流と水神流、2つの流派の当主――
慈心なる者です」
剣士のほうも口を開く。
「あなた達――何故、ここに留まっているんです」
滴が訊ねる。
「いや、このダンジョンに着いたのはいいんだけどよ――
詰んだ。所謂詰んだゲーってやつだ。
俺は頭のほうはあまりよくなくて……」
「私は頭にはそれなりに自信がありますが、なにせ『ゲーム』なるものをやったことがない故……」
またゲームの話っすか。
「ふむ……」
入口から右の壁を、ぺたぺたと触る滴。
「この壁、あなた達なら壊せますね」
「マジか!?おい心、行くぞ!!」
「はい!!」
「んんーー……『強拳病』ッ!!」
「立木流奥義――『松竹梅』!!」
おお、2人の連携が見事に取れている。
拳撃と剣撃の連打だ。
2人は結構長い時間一緒にいたんだな。
「おい兄ちゃんどういうことだ!壊れねーぞ!!」
「いや、今のでだいぶ傷みました。
あとは僕のロケランで……」
カッ
どぉぉぉん!!
ガラガラガラ……
大きな音を立て、壁が崩れる。
「さっ、行きましょうか」
壁の向こうに広がる仕掛けとは。
To be continued…
キャラプロフィール 2
雨漏滴
齢:17
特化:頭脳
性別:男
身長:151cm