DATA 1:開始
久しぶりの投稿です。
今作から、少し書き方を変えました。
愛知県、損害村――。
人口52人という少ない人口のこの村で、俺は育ってきた。
俺――空地天土。
こんな人口の少ない村も、俺は嫌いではなかった。
そんなある日。
「え?」
地面が――ひっくり返った。
* *
どこだ…ここは?目が開かないな…
「あなたの所為で、この世界は滅んでしまいました。
どうして くれるんですか。」
ん?
そんな――声が聞こえた。
さっきと違い、もう目が開く。
目を開けると――見知らぬ空間。
「目が覚めましたか」
「えっと……お前は?」
俺は、声の主に尋ねる。
「僕ですか?僕はこの近くの高校の2年生――
17歳、雨漏滴ですよ」
わーお……すげぇ名前だなぁ……と、俺は思った。
俺の名前も、人のことを言えたもんではないが。
ともかく。
「世界が滅んだって……俺とお前は、こうしてここにいるじゃんよ。
つーかここ何処だ?未だに現状を把握しきれてねーんだが……」
「信じてもらえるとは思いませんが……いいですか?
邪竜の復活です」
厨二臭ェ……。
「やっぱり信じてもらえないですね……」
いや、まだ何も言ってない。
「まぁとにかく、その邪竜が世界を滅ぼしたんですよ」
「なんでそれが俺の所為になるんだ?
つーかなんで今さら竜なんかが復活するんだよ……」
「あなた、昨夜、23時52分に火を焚いて、24時2分52秒に、本を読みながら目を閉じたでしょ」
「正確な時間は覚えてないが……大体それぐらいだ。
なんでお前にそんなことわかるんだ」
「それが邪竜復活の儀式なんです。
『天と地を司る名を持つ者……↑のことをすると
(文献にはちゃんと書かれています。滴くんは面倒臭がり屋なんです)
古代の邪竜、復活せし』ってね」
「はぁ…」
「邪竜の名は『ラ・トルメンタ』。
さながら暴風雨の如しということです」
ちなみに『火を焚く』というのは、灯かりのことだ。
損害村は文明が発達していない、原始的な村なのだ。
「あともうひとつ。じゃあなんで俺達は、こうして生きているんだよ」
「神の力です。神は、この廃れた世界を復興できる力を持った人達7人を、助けたんです。そのうち2人が、僕とあなただったってこと」
「……っざっけんな!
そんな力を持ってんなら、全員助けろよ!!」
「落ち着いて下さい。誰も『全員を助ける力を持っている』なんて言ってませんよ?
神も7人が限界だったのでしょう」
「……っ」
「とにかく、ここを出ましょう。
あのドアを開けると……他の5人がもう全員外に出ているなら、僕達も外に出ます」
滴が指す方向には、確かにドアが。
「5人のうち1人でもここと似たような部屋に残っているなら……その仲間がいる部屋に出ます」
「……はぁ」
「……あなたはバカですか」
「……は?」
何か知らんが、急に罵られた。
「まだ気付かないんですね。
もしそのルールだとしたら、絶対に全員合流しないと外に出れないじゃないですか。
誰か1人だけ外に出るという事は、不可能な筈です」
「???」
よく解らん。
「あなたはどうやら、この物語の主人公に選ばれたようです――
だからあなたと、同じ部屋にいる僕に、特別なルールが設けられたのでしょう。
――まぁとりあえず、説明をしちゃいましょう。
この部屋は、時間が流れないから歳をとらないし、お腹も減らないから食にも困らないそうです。
外に出ると、もうここには帰ってこれません。どうしますか?覚悟、決まりました?」
難しいから俺の脳じゃよく理解しきれないが、どうやら他の5人も2人ずつ、ここと同じような部屋で匿われていたらしい。
てことは――7人が2人ずつということは、誰か1人は独りということだ。
「……ああ、行こう」
世界を戻せるのが俺達7人しかいないのなら、俺達が覚悟を決めるほかない。
そう思い、ドアを開ける。
似たような部屋だった。
そこに居たのは、金髪碧眼の女だ。
身長は156cmくらいだろうか。身長199cmの俺からしたら、かなり小さく思えた。
「Hi,my comrade! My name is Jully」
「……何て?;」
「この程度の英語も解らないんですか、先が思いやられますね。
『やぁ私の仲間。私の名はジュリー』って意味ですよ」
「俺の村には学び舎なんてものはなかったからな…」
「あなた達も、神に助けられた子?(※英語)」
「そうです。(※英語)」
「でも私は実感が湧かないわ…私が、『力』を持ってるなんて(※英語)」
「はは……誰だって最初は信じられませんよ(※英語)」
「…………;」
英語って、なんて言ってるか全くわかんねぇな……。
「じゃあ、仲間も増えたことだし、そろそろ行きましょうか!」
滴がドアに手をかけ、開けた。
否、開けようとした。
「Wait!!」
声が――響いた。
「ねぇ…ずっとここにいない?
ここにいれば、安全よ……」
ジュリーさんの声は、震えていた。
「怖がることはないですよ。僕達がいますから。
さぁ、勇気を出して、いきましょう」
さっきからイヤミな奴だなぁ……と思ってたけど。
「うん……ちゃんと、護ってね」
なんだ、いいとこあんじゃん、滴。
「そんなの当たり前じゃないですか。
ほらあなたも、つっ立ってないでさっさと来て下さい」
「……っ(#^ω^)ビキビキ」
前言撤回。
つーか今、また心読んだ。
滴が再びドアに手をかけ、開ける。
目の前に広がる光景は。
荒れ果てていた。
To be continued…
キャラプロフィール 1
空地天土
齢:24
特化:戦術
性別:男
身長:199cm