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擬人化短編小説  作者: 城島 剣騎
5/5

深夜の擬人化座談会


深夜の城島宅…


擬人化した物達が集い、城島が寝ている間に座談会を始めていた。

釣り竿が何故かしきり、口頭の挨拶をしていた。

「皆様、それじゃあ旦那が寝てる間に定例の座談会としゃれこもうかい!」

するとニヒルな目覚まし時計はクールに発言した。

「ふっ、アホぅが。

とりたてて話す内容なんぞない!」

あまりにつっけんどんな目覚まし時計の発言に、こたつ花魁はたしなめた。

「そんな事を言うものではないでありんすよ。

で釣り竿さん。

今日の議題は?」

こたつ花魁の質問に、釣り竿は待ってましたとばかりに明快に答えた。

「んじゃお二人さん、おいらが考えた今宵の議題を今から言うぜ?」

ニヒルな目覚まし時計は、さも面倒くさそうに言葉を発した。

「決まってるなら早く発言しろ!」

一同の目は釣り竿に集中した。

「実はな、おいら達でバンドをやろうと思うんだが、どうだい?」

この議題に感心を示したのか、ニヒルな目覚まし時計はニヤリと笑った。

「ほぅ。」

ついで、こたつ花魁も話にのってきた。

「で、誰が何をやるのでありんすか?」

乗ってきたな!

と上々の気分になった釣り竿は、皆の役どころを話した。

「おいらはニヒルな目覚まし時計は、ギターなんかが似合うと思うぜ?」

釣り竿の言葉に得心したニヒルな目覚まし時計は、短く応えた。

「ほぅ、悪くない。」

自分の役どころが気になって仕方がない、こたつ花魁は瞳を輝かせて釣り竿を見つめた。

「であちしは何でありんすか?

勿体ぶらずに早く教えなんし。」

釣り竿は本題にやっと移れると、にんまり笑った。

「こたつは間違いなくドラムを叩く役だな。」

この釣り竿の発言に2人は目を丸くした。

「ドラムなら目覚まし時計の俺の方がハマり役ではないのか?」

当然、こたつ花魁もこの意見には反論した。

「なんであちしがドラムなのでありんすか?」

期待通りの突っ込みに、釣り竿は理由を高らかに歌いだした。

「決まってらぁな!

花魁はドラマー♪

ヤクザなドラマーってなもんだい。」

石原裕次郎ネタの、あまりの古さと寒さに一同は氷漬けにされた。

気まずい静寂…。

その静寂を、こたつ花魁が破った。

「やはりあちしはヴォーカルが一番のハマり役でありんすよ。」

今度は釣り竿と目覚まし時計が目をパチクリした。

「なんでそうなるんでやんすか?」

「何故だ?」

2人の質問に、こたつ花魁はクスクスと妖艶な笑みを浮かべた。

「あちしの本業は花魁。

つまり殿方を喜ばせる事でありんすよ?

マイクのあの形状、あれはまさに…。」

しかし、こたつ花魁の答えは釣り竿と目覚まし時計のつっこみに遮られた。

「やらせねぇよ?」

かくして深夜の城島宅で擬人化した物達の座談会は夜明けまで続くのであった。



FIN……



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