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絶対的な武器を奪われるケイドロ
ぜはー。
江角はひとしきり走ると、息をついた。
「もう、嫌になっちゃうなぁ...」
と、その時。
「おい、作者」
呼び声に振り返れば、そこにいたのは...あの男、「金属バットを持つ男」だった。
...何で皆、不意打ちが好きなんですか。
「そのバットを返して貰おうか」
台詞だけは悪人っぽいな。
「十四話の撮影で使うんだよ。心配するな、応援が来る」
へ...応援?
きょとん、としている一瞬の内に、男は私の手からバットを奪ってしまった。
はっと気付いた私は弁明する。
「...ちょっと、私の武器が!!」
「元々は俺の武器だ」
むぅ...確かに、その通りだ。
でも。
「欲しがってる作者から、無理矢理奪うのがお前なのかー!!」
私は男のバットにしがみついて言った。
「あぁ」
男は短く答える。
...何とまぁ、冷たきこと。
そして男は、私の願いも虚しく立ち去ってしまった。
...いや、丸腰でこれからどうしろと!?
さぁ、この後どうしましょ?