やっと生死が定かになるケイドロ
はい、江角サイドに戻りました。
果たして、結果は...!?
ぱぁん。
乾いた音は、まるで花火。
...いや、実際は。
そんな可愛らしいものではなく。
一発の銃声に、放たれた銃弾。
それを浴びた江角は、
江角は、
江角...は...。
ドサッ。
嫌な音。
人が、生まれ落ちた地に平伏す音。
そう、凶弾を受けて倒れたのだ。
...相手が。
「ふぅ、助かった...」
私は正直焦っていたが、何とか死線を乗り越えた。
見下ろすと、血をだくだくと流すサングラス男。
腹に喰らった銃弾のせいで、辺り一面は血の海と化した。
...え?
江角は拳銃を持ってない、だって?
まぁ、そうだな。
しかし武器はある。
そう...あの金属バット。
彼の金属バットが、上手い具合に銃弾を弾き返したのだ。
入射角と反射角は等しい。
背の高い男が斜め30°に撃った弾を、私が斜め30°に弾く。
すると、彼は腹に銃弾を喰らうと言う訳だ。
「助かった...捕まれたのが、バットを持ってない方の腕で良かった」
こうして江角は、また一つ死線を乗り越えた。
しかし。
背後の気配に振り返れば、また別の視線。
見られている。
さては、さっきの銃声を聞かれたな...。
まずい、逃げなくては。
しかし...敵は一体、何人いるのだろう。
そして、私はいつまで逃げ続けなければいけないのだろう。
そんなことを考えながら、私は傷一つない金属バットを腰に差して走り出した。
はい、答えは"金属バットでガードする"でした。
ちなみにバットはへこんでません。
何故でしょうか(笑)
やはり、あの男の金属バットは頑丈ですよね。
武器としての金属バットですもん。