突然、彼が現れたケイドロ
さて、彼とは......?
「三角定規」の方の「彼」ではありませんよ(笑)
人の気配に気付き、私は振り返る。
「あ、貴方は......」
そう、振り返った先にいたのは。
「金属バットを......持つ男」
そう、無表情の彼だった。
「どうして...あ、助けに来てくれた......?」
どうなんだろう。
先程は勝手に金属バットを持ち出したのだが。
やはり作者だから、助けるのか。
それとも、金属バットの恨みを晴らされるのか。
唐突に──。
ふわ、と身体が浮いた。
え?
あ、ちょっと。
足元がぐらぐらする。
私は彼に、首を掴まれていた。
リーダー(仮)に首を掴まれた斉藤さん(仮)も、こんな気持ちだったのかな。
こんな、苦しみを受けていたのかな。
斉藤さん(仮)は、何故、あの彼女を殺したの?
私は、何故、目の前の彼に殺されるのか?
そんな理由も分からぬまま、私は金属バットを持つ男に身体を持ち上げられ──。
団地の最上階から、突き落とされた。
ごめんね斉藤さん(仮)、何も分からなかったよ。
この謎は、全て残されたまま。
ううん、最初から解く気なんてなかったんだ。
私は、ただ......
ただ、貴方の傍に居られたら良かったんだから。
私が死んだら、貴方は泣いてくれますか?
それよりも、「twilight world」の消滅を嘆きますか?