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斎藤さん(仮)が身体を張ってくれるケイドロ

ふふふ、格好良いじゃないですか。

走り続けて、どれ位経っただろうか。


私達を乗せた車は、ただ駐車場をぐるぐる回り、敵のバリケードを(はじ)くだけだった。




全ての出入り口を閉鎖された世界の中で、これでは埒が明かない。

と、斎藤さん(仮)が突然こう言った。




「作者、此処は俺に任せて上に行け」


と。




「団地の中に行けば、何か分かるかもしれない。俺が建物内の侵入者を全て倒すから、お前は階段を上るんだ」


「え? ちょっと、何を言って...」


るの、まで言わせてはくれなかった。




私は、強く抱き締められた。




「無事を祈る」


そう言って、助手席のドアのロックを外した。




そこまで言われたら。

私だって、"NO"とは言えない。




「斎藤さん(仮)......貴方も、お元気で」


私も、そう答えるしかなかった。




「トランクにバイクがある。それで階段を駆け上がれ」


言われた通りに、私はバイクを発進させた。


初めて乗るバイクを、私は軽々と運転させた。

やはり夢とは恐ろしい。


そのまま、階段の手すりを駆け抜けて行った。




そして、私の姿が見えなくなった頃。


「ちょいと荒治療だが......許せよ、作者」

斎藤さん(仮)は苦々しく呟いた。




そして、背後には黒いサングラスのお兄さん方。




「はは...どうやら俺は、死亡フラグから逃れられないようだ」

彼は苦笑いを浮かべ、そう言った。




"でも、もし目覚めなかったら......ずっと斉藤さん(仮)と一緒ですね"


先程の、江角の言葉を思い出す。




小さく笑いながら、俺のために言ってくれた言葉。




「残念だけど、登場人物(おれ)作者(おまえ)じゃ永遠に傍には居られないんだよ」


銃を構え、相手を牽制しながら睨み付ける。


「だからお前は、待ち人と永遠に生きていけ」


思い出の中で、永遠に。

いつか俺を忘れる位に。




「でも、ありがとな」


その言葉を最後に、彼は黒いサングラスの男達との戦いを始めた。

格好良いですよね。




死亡フラグと言う呪縛から、逃れられないとしても。

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