名前は不詳、年齢不詳、全てが不詳のケイドロ
久々の更新です。
お待たせ致しました!!!
「ったく...世話のかかる作者だ。まさか俺が助けに来るとはな」
車を走らせる斎藤さん(仮)はぶつぶつと言った。
「ごめんなさい...」
申し訳なくて、頭を下げるのは──作者こと江角 稚である。
「...まぁ良い。早く"トワイワ"を撮影したいからな」
仕方ない、と彼は言う。
そうか、しばらく"twilight world"の更新も止まっていたのか。
そんなことは、すっかり忘れていた作者である。
...なんて言ったら、作者失格だよな。
忘れてはいなかったんですよ?
意図的に止めているんですよ?
実際、十四話を書いたままストックとしてストップしてますし。
......駄洒落とか、ツッコミ入れないで下さいね。
ちなみに、シリアスが書きたくて書きたくて仕方なかったので、我慢しきれず十五話も書きました。
本当の話です。
ヒントとして...十四話は斎藤さん(仮)にとって切ない話であり、十五話は初めて斎藤さん(仮)以外の人の目線で書かれた文章となっております。
斎藤さん(仮)が「ケイドロ」から離脱したら即、更新致しますのでお待ち下さい。
「ところで、作者。こいつら全員、ぶっ飛ばして良いんだよな?」
彼は車でサングラスのお兄さん達を吹き飛ばして行く。
...いや、それ殺人行為だから!!
「うん...そうすれば夢から覚めて、現実世界に戻れるはず...」
「そして春休みを小説でエンジョイ、って訳か。俺も本編で活躍出来るな」
彼は笑って言う。
まだ撮影(投稿)されていない十四話が、彼にとってあまりに切ないシーンだと言うことも知らず。
「そうなのか、作者!?」
彼は振り返り、叫ぶ。
「まぁ、原稿を支配しているのは私だから...って、前、前!!」
前方にはサングラスお兄さん三人によるバリケードが。
...ん? 人間米俵か?
とにかく、不思議な状態なのである。
「構うかよ、突撃だ!!」
そう言って、スピードを上げて突っ込む斎藤さん(仮)。
...うん、夢の世界で良かったよ。
「あの人達、死んじゃったかな?」
私は不安になって聞いた。
「さぁな。ま、俺はどちらにしろ設定は殺人犯だし」
...確かに。
「ねぇ...聞きたいんだけど」
私は彼に問うた。
「どうして、彼女を殺したの?」
その問いは、彼を沈黙させるのには十分だった。
「それは...」
斎藤さん(仮)は返事に詰まる。
そして、
「作者のお前が、一番知ってるだろうがっ!!」
...怒られましたとさ。
「ったく、別作品の世界だからってネタバレは無しだぜ」
珍しく正論な斎藤さん(仮)。
「はい、ごめんなさい...」
謝る江角。
だが、"twilight world"には必要最低限の設定しかない。
だから作者である私自身も、彼の殺人の動機は分からないのである。
「そうなのか、作者!?」
彼は驚いて言った。
ちなみに、その台詞...本日二回目です。
「そんなことはどうでも良い」
あ、良いんだ。
「俺があいつを殺した理由って...本当に、未定なのか?」
彼はもう一度、丁寧に問い直した。
まぁ、そうなんですよね。
ぶっちゃけ。
「なんてこった...」
うなだれる斎藤さん(仮)。
しかし車の運転は怠らない。
まぁ、そりゃそうか。
作品の最重要ポイントになりかねない部分ですらも、twilight(薄ぼんやり)にされていたら、その主人公も落ち込むだろう。
「話が進んだら、動機もはっきりするのか?」
落ち込みから回復したのか、彼は問うた。
「分かりません。でも私のことだから、斎藤さん(仮)に理由なく殺人を犯させることなんてしませんよ」
私は微笑んで言った。
こんな物騒な言葉、微笑んで言うべきではないのだろう。
だが...私は少しでも、斎藤さん(仮)を救いたいと思ったのである。
それ程までに、私は斎藤さん(仮)と言う男を気に入っていたのかもしれない。
一人の、江角作品のキャラクターとして。
「...分かった。今は、その言葉を信じよう」
彼は静かに、頷いた。
「しかし...まるで夢の世界だな」
それは貴方の頭の方では?
そんなツッコミは飲み込んだ江角。
「さて、金属バットはあの男に奪われたんだってな」
「はい」
正確には"奪い返された"だって?
ツッコミ入れちゃいけないぜベイビー達。
「と言う訳で...代わりの武器を用意しておいた。ほら」
そう言って、彼は私に"ある物"を渡した。
さて、江角の手に入れた新しい武器とは...?
乞うご期待(笑)