8.システマティックアプローチの流れ
田中「安井さ〜ん、ついに髪の毛がチリチリになっちゃいました」
安井「似合ってるよ田中君」
田中「こうなったら金髪にします」
安井「金髪いいね」
田中「これで僕も更にカッコよくなります」
安井「頑張って。応援してるよ」
田中「今日は何を教えてくれるんですか?」
安井「今日はシステマティックアプローチ。つまりキャリアコンサルタントに相談した時の流れを説明したいと思う」
田中「システマティックアプローチ!使いたくなる言葉です。どおいうやり方なんですか?」
安井「古くから行われてきた最も代表的なアプローチの手法なんだけどシスティマティック・アプローチに共通している流れは。カウンセラーとクライエントの間によい関係構築を作り共同してカウンセリングの目標を定め、計画を立て、その計画を達成するための方策を定めてそれを実行し、最後に結果を評価し、クライエントのフォローアップを行う一連の流れを言うんだ」
田中「最初出会ってから告白、デート、結婚みたいな流れですね」
安井「田中君は全てのイメージがそうなるんだね。
でも男女に例える流れは悪くないかもね。まずはお互いを知ってもらい。関係構築する。次にお互いの悩みなどを知ってから、この人ならと思えば結婚を目指す、そして結婚に必要な方策をお互い考える。無事結婚できた後に、結婚生活の感想を言い合う関係と考えると素敵な考えだしアプローチの言葉にロマンスすら感じるよ」
田中「僕は結構ロマンチストなんですよ」
安井「意外な一面だね。恋愛に例えると素晴らしいけど言葉足らずになるから少し補足して説明していく」
田中「ふふ僕の幻想には勝てないですがどうぞ」
安井「では説明するね1.関係構築、これは最初に何度も言ったけど一番大事な段階なんだ、ここを厳かにすると後で相談者の気持ちが違っていて修正が困難になるから慎重にするところなんだ」
田中「はい。傾聴と共感が大事なんですよね」
安井「その通りだ。2、問題把握、これはお互い関係構築ができたら相談者の問題、悩みを共有することなんだ」
田中「2人の共有の悩み、良いですね」
安井「3.目標設定、先程共有した問題についてお互い自己洞察を深めて相談者の「意思決定」を高めていくんだ」
田中「意思決定を高める?」
安井「そう、大事なのは相談者の意思だからね。意思決定がしやすい様に問題を俯角的にしていくんだ。そして4.方策実行、ここで大事なのは「自己効力感」を上げることだ」
田中「自己効力感?」
安井「自己効力感、わかり易くいうと自信だね。人は何かを新しく行うには力がいるんだ。そして行動目標は必ず相談者が決める必要がある。つまりキャリアコンサルタントはサポーター役でしかないんだ。相談者が自信を持てる様に支えてあげて自分で進路を選べる決断をできる様に情報を与えていくんだ」
田中「あれ、キャリアコンサルタントが信頼を選ぶ訳ではないんだ」
安井「コンサルタントだから、そおいうイメージがあるけど、あくまで相談者の現在の事情と将来の希望を聞いて今の労働事情などの情報を理解してもらってから判断、もしくは決断の補佐をするんだ。そして最後に6.結果の評価をお互いするんだ。行動した結果がどうなったかを話し合うんだ。そこで相談者が満足すれば最高のケース修了。もし判断が間違っていると判断したなら、もう一回目標設定のやり直し、最悪の場合、最初の関係構築からやり直しとなってしまう」
田中「そんなバットエンドは嫌です」
安井「俺もそんな結末は嫌だな。だけど最初で上手くいくとは限らない。何度でも諦めずチャレンジしていくのも大事だし。いつかは上手くいくことを信じてくれてるサポーターになるのもキャリアコンサルタントの仕事なんだ」
田中「不屈の精神ですね。僕もそのシステマティックアプローチで憧れの佐藤さんにアプローチをしていきます」
走っていく田中
ドゴーン!
遠くで何かが吹き飛ぶ音がする
安井「田中く〜ん