3、傾聴って大事
田中「うう今日も頭がいたいです安井さん」
安井「飲みすぎてはいかんぞ田中君」
田中「忠告を大事にします。ところで安井さんみたいにコンサルタントになるということは話上手にならないとダメですよね。安井さんはお話教室みたいなのは通われたのですか?」
安井「話上手か。話が上手なのにはいい事だと思うけど田中君、聞き上手は話上手という言葉は聞いたことあるかな」
田中「聞いた事あります。深く考えたことないけどよく考えてみると、どう意味なんですか?」
安井「本来の意味は本当に話の上手な人は、人の話をよく聞く人であり、だからこそ相手に応じた会話を話していけるからという意味なんだけど俺は、もう少し違う意味で取っている」
田中「どんな意味ですか」
安井「ことわざから違う意味なんていったらダメだけどね。この言葉のやりとりで話上手と感想を持つのが聞き上手の相手方、つまり話を話している側だと思うんだ。つまり聞き上手は上手く話を引き出すことで話を引き出されている相手が聞き上手を話上手に感じてるだろう」
田中「何となく分かります。聞き上手かは分かりませんが自分が話している時相槌が入ると話やすくなり気持ちよくなります」
安井「それに近いと思う。人は自分の話に一番興味があるから話していて一番楽しいのは自分の話を聞いてもらっていると感じている時だと思うんだ」
田中「ああ、それ分かります。意外と他人の自慢話なんて最初は聞くけどすぐ飽きてしまい興味がなくなるんですけど相手は嬉しそうにずっと話しています」
安井「うん。だから人は自分の話は楽しいんだ。だからコンサルタントは壇上でスピーチを話す訳じゃないから決して話上手になるために勉強するよりも聞き上手になる努力をすべきなんだよ」
田中「コンサルタントだから話上手にならないといけないと思ってました」
安井「キャリアコンサルタントは、あくまで主役は相談者だから大事なのは相手に話してもらう事。だから聞くことが大事。それを聞くに徹するから傾聴というスキルはが重視されてるんだ」
田中「傾聴ですか。相槌を打てばいいんですか?」
安井「話での相槌はとても大事だね。でもそれだけでは足りないんだ。傾聴の目的は相談者の本当の抱えている問題を引き出すことが目的なんだ。田中君はとても深い悩みがあったとする。誰かに相談したくても相手が守秘義務があるからといってすぐに話せるかな」
田中「言われてみると最初に守秘義務があると伝えられても、いきなり話せといわれても直ぐは無理かもしれないです」
安井「相談内容や相談者の性格にも大きくよるけど普通は話せない、もしくは相談されても本人が相談内容の本質がたがえている可能性はあるから、まずは聞くんだ」
田中「でも相手が話さず沈黙していたらどうするんですか?」
安井「ただ待つんだ。相談者は相談する為に自分の時間を使ってきてくれたんだ。軽い気持ちできてないんだ。必ず伝えたいことがあるんだ。待つのも一つの手段だと思うよ。待つことも出来ない相手からは信用は勝ちえない。最大の目的は相談者の信用を勝ち得て関係構築を目指すことが最初の仕事なんだ」
田中「傾聴一つにおおきな意味があるんですね。関係構築って大事なんですね」
安井「そうなんだ。関係構築っていうけど、まず相手に選ばれないといけない」
田中「選ばれてるんじゃないんですか」
安井「相談には来ていてくれてる。けど本当の意味の相談相手に選ばれてない。だから選ばれるために傾聴して心の声を聞くんだ」
田中「傾聴って心の声も聞くんですか!?」
安井「もちろん。超能力なんてないから心の声は分からない。けど相手の表情、顔色、言葉の間、声の抑制などを聞いて相談者の声を聞くんだ」
田中「だんだん難しくなりました。安井さんはそんなことできてるんですか・」
安井「自分で偉そうにいってて悪いけど、まだまだ勉強中だね。傾聴はそんな声にならない声を引き出す大事な意味もあるんだ。詳細はまた別の機会があれば話すね。次は関係構築に大事な共感について話していくよ」
田中「聞き上手の道は遠いんですね。今は頭一杯です。飲んでないのに頭がいっぱい、おっぱいなんて
ドカーン!
謎の爆発
安井「田中く~ん」