23.早い昇進はキャリアの成功?
田中「安井さん。僕はみんなに認めて欲しいんです。早く出世してキャリアアップを目指します」
安井「キャリアアップ最近よく聞く言葉だね。いいことだと思うけど、認めて欲しいから出世を目指すのかい?」
田中「はい。だって早く出世したら、みんな噂するじゃないですか。きっとモテます」
安井「確かに注目の人になるかもしれないし、女性には特別な目で見てもらえるかもしれないね」
田中「ですよね!やっぱり男は頑張って出世しないといけないと思います」
安井「頑張ってくれ田中君」
田中「あれ止めないんですか、安井さん」
安井「頑張るという若人を止めるほど野暮じゃないよ」
田中「ありがとうございます。安井さん。少し聞きたいんですがキャリアアップってどんな意味なんですか?」
安井「意味わからず使ってたのかい?」
田中「すいません。カッコいいから、なんとなく昇進って意味で使ってるんですが間違ってますか?」
安井「キャリアアップは田中君の言うとおり昇進や好待遇の職場に移動、年収が上がるとかそんな意味だね」
田中「じゃあ正しかったんですね。早めに出世してキャリア成功です」
安井「キャリアアップは良いことだと思うけど田中君早く出世することが現代ではキャリア成功とはいわないと述べてる人がいるんだよ」
田中「キャリア成功じゃないんですか?」
安井「田中君が成功だと思う分には正しいんだけど成功か失敗かは僕らが判断するべき事柄じゃないんだ。だから成功したとか失敗したとかはキャリアに関してはあまり考えない方がいい、という取りかたかな」
田中「それは誰の考えなんですか?」
安井「これはホールという人の関係性アプローチに基づいての理論から来てるんだ」
田中「ホール。落ちちゃいそうな名前です。でも関係性アプローチってどんな意味ですか。」
安井「人間関係面での良好な交流が相互の学びあいを導き出す結果、相互のキャリア発達を促すという考え方なんだ」
田中「人との関係を良好に考えた理論ですか。どんな話なんですか」
田中「ホールは「プロティアン、キャリア」が急速な変化を遂げる現在において自らの意思で変幻自在に対応していけるキャリアとしていて、そのプロティアン、キャリアの形成には「アイデンティティ」と「アダプタビリディ」が必要としているんだ」
田中「時代の変化に対応するキャリアですか、欲しいキャリアです」
安井「俺も欲しいキャリアだね。ホールはまず「キャリア」を四つに分類したんだ。
1.昇進
2.専門職
3.生涯を通じた職務の連鎖
4.生涯を通じた役割にかかる経験の連鎖
としたんだ」
田中「キャリアを分類したんですね。生涯に関わる経験とか長いキャリアです」
安井「ホールは更に独自の定期を設けたんだ。それが
キャリアとは成功や失敗を意味するものではない
キャリアとは早い出世や遅い出世を意味するものではない
キャリアとは行動と態度で構成されている
キャリアには主観的キャリアと客観的キャリアが存在する
キャリアとは過程であり仕事に係る経験の連鎖をいう
と定義したんだ」
田中「はあ、キャリアを、長い目で見て、何をしたかで考えると確かに早い、遅いは関係ないとは言わないですが、...成功とか失敗とかとは違うと言われると、そんな気がしました」
安井「あくまでホールの定義ではあるけど同意できるとこは多いにあるね。ホールの凄いところは彼のいうプロティアンキャリアと皆が思う伝統的キャリアとの違いを述べてるんだ」
田中「伝統的キャリアとの違いですか、どう違うんですか?」
安井「言葉にいうと
プロティアン 伝統的
前提となる環境 変化する 変化しない
主体 個人 組織
価値観 自由、成長 昇給、権力
成果 心理的成長 地位、給料
姿勢 仕事満足感 組織コミット
アイデンティティ プロ 私は何をしたいのか
伝統 私は何をすべきか
アダプタビリティ プロ 社会での市場価値
伝統 組織での生き残り
と違いを説いてるんだ」
田中「なんか伝統的キャリアは昭和の仕事感みたいな感じすごいします。けどプロティアンキャリアは個人主義の今風です」
安井「そおだね。こういった見比べるとわかりやすく違いが出るね。だからホールはキャリア発達の最終目標を「心理的成長」において人間関係を大切にした相互交流、相互学習がキャリア発達を促すと出張してるんだよ」
田中「安井さん僕わかりました。早く出世してみんなにチヤホヤするのが夢でしたけど、社内の人と仲良くやっていく方がいいです。ヨシ!早速仲良くなる一環のため遊びに誘ってきます」
走り出す田中
安井「田中く〜ん。遊びほうけるより出世を目指して早期に頑張るのは良いことだよ!」




