21.心の防衛機制
田中「安井さん!この前、仕事でミスをして佐藤さんに追求された時つい言い訳してしまったら怒られてしまいました」
安井「あらら、怒るのは良くないと思うけど田中君もミスを自覚してたら言い訳は良くないよ」
田中「分かってはいたんですが最近、褒められることが増えてきたから、つい認めたくなくて」
安井「気持ちは分かるけどね」
田中「はあ〜、子供に戻って泣きたい気分です」
安井「誰だって現実逃避して子供になりたくなる時はあるよ」
田中「偉い人ほど赤ちゃんプレイをしたがるのはわかります」
安井「なにそれ、初めて聞いたんだけど」
田中「僕調べですけど、普段責任感ある仕事で偉そうにしてる人ほど幼児に戻り母親に甘えたくなると思うんです」
安井「偏見だな。みんな誰かに甘えたいとは思ってるだろうけど」
田中「安井さん、そんな気持ちとか理論とかあるんですか?」
安井「理論じゃないけど、前にフロイトの話をしたよね」
田中「確か夢か占いでしたっけ?」
安井「そうだ、それで有名な人だね。フロイトはエゴ、エス、スーパーエゴと現実の狭間の葛藤をといたんだけど‥‥」
田中「すいません。話してる途中ですがエゴはなんとなく分かるんですがエス、スーパーエゴってどんな意味ですか?」
安井「そうだね。まずは、そちらを説明しよう。
エス 生きる上で中心となる存在。快楽原則
エゴ(自我)エス、スーパーエゴ、外部環境を調整する。現実原則
スーパーエゴ(超自我)良い悪いを判断する。道徳原則
という意味なんだ」
田中「エスって僕SMの意味かと、それにエゴって良く言いますけど、僕、我儘じゃないですけど我を通すみたいな意味で受け取ってました。
安井「一般的な意味あいとは違うから注意が必要だね」
田中「段階って聞いてみないと意味のすれ違いみたいなことありますね」
安井「そうだね。俺も話すにあたり注意しないとね。フロイトはこの三つが構造要因となり日常を生きるのに協力し合ってると提唱したんだ」
田中「なるほど。本能と道徳を自我で調整してるみたいなですかね」
安井「そうだね。普段はその三つが話し合ってるんだろうね。その前提が上手くいかなくなる時があるんだよ」
田中「上手くいかない時?」
安井「人は自己価値を低く感じたり自分の価値観や既知の事柄と反することは不快感を感じるんだ。それがエゴが抱える量を超えると半ば自動的に防衛機制が作動して自我のオーバーヒートやパニックを防いで心の安定を保つシステムごあるんだ」
田中「はあ人は心を守るために赤ちゃんプレイになるになるんですか?」
安井「それがそうなんだよ。赤ちゃんプレイもその心理の一つなんだ。人は自我を守るために無意識に防衛機制を行うけどその代表的な行動を説明すると
抑圧 受け入れがたい欲求を無意識に閉じ込めること。意識的に我慢する抑制とは別となっている。抑圧は全ての防衛機制の中でも最も重要な動きとされてる。
昇華 社会的文化的に望ましい行動。スポーツや芸術などに自己の欲求を移し替えること
置き換え ある対象に向けられた欲求を他の対象に向けかえること。昇華は置き換えの上位互換に近い
合理化 欠点を認めることが苦痛なため正当化して自己を納得させること
知性化 知性化過度に知的な行動で欲求を抑圧すること。合理化と違い、現実検討の正確さがある。
退行 苦しい状況から逃れる為に未熟な段階に戻り平安を得ようとする
同一化 ある対象の行動や考え方などを自分の中に無意識に取り入れること。その対象と同じ行動をとること
摂取 外界の対象の行動や考え方などを自分の中に無意識に取り入れること。取り入れる対象が限定される同一化は摂取の一種
投影 自分が持っている欲求を正視できず相手が持っているように責任転嫁すること
反動形成 抑圧するだけでは十分ではない強い欲求を処理するために心と正反対の行動をすること
補償 ある分野の劣等感を感じないようにするため他の分野で努力し優越感を感じること。
というのがフロイトが説いた防衛機制だ」
田中「はあ、心の安定はいろんな動きがあるんですね。じゃあ僕が先程仕事のミスの言い訳したのは合理化になるんですね。言葉だけなら賢そうになるんですが、フロイトさんの言葉ならミスを認められず正当化するために言い訳したんですね」
安井「そうなるね。」
田中「赤ちゃんに戻りたいとかは退治化ですか、苦痛から逃れる為なんですね。幼児退行してる人いたらバカにはできないです」
安井「そうだね。田中君も幼児になりたいかい?」
田中「冗談はよしてください。しませんよ。‥‥愛するひととならアリですけど」
安井「それはアリだね。それでどうするんだい」
田中「僕、謝ってきます。そしてちゃんとミスと向き合います」
走り出す田中
安井「俺も田中君を見習わないとな」
謎の声「いいわ。これもアオハルね」




