73話 拉致って来た!? 2
とりあえずは子守家にお邪魔させてもらった。今回は拉致された先輩Aをどうするかを決める為に関係者の皆さん(夜夢と月美さん除く)に集まってもらったのはいいんだけど……約1名めっちゃ睨んくる人がいるんだが完璧に演技が出来るはずなのにそれを忘れているのかってくらいに睨みつけてくるなぁ。佐藤がいる手前、ボロを出さないようにしているって感じか。
「___と言う訳になります」
何も聞いてなかった。他の奴らが対策をどうするとかしゃべっているから神月にもう一度説明をして……もらえない雰囲気になっているだが? これに関しては僕に非があるから何も言えないなぁ。誰か頼むから助けてくれぇ。・・・あとで聞き直せばいいか。そういえば雪菜さんに会えてないから会いたいんだけど。父さんや母さんは何度かお見舞いに来てくれたから会えたけどね。
僕が雪菜さんに会うのをもし誰かが邪魔しているのであれば片っ端から片付けていこう。だからまずはこの先輩Aの問題を終わらせないとな。盗聴器やGPSが付いていないかを調べたのかを確認したいが……神月ならしている可能性の方が高いし、わざとしていない場合は何も聞いてなかった作戦の戦犯になってしまうから気をつけて行動しないとな。
「咲人様、どう思いますか?」
「悪い聞いていなかった」
「今回の作戦の要は佐藤様と原様と言う話です」
「いいとは思うが二人は大丈夫なのか?」
神月に聞かれたから適当に答えてしまったが少し不安が残るな。イレギュラーがなければ二人で問題はないと思うが、あった場合は問題しかない。危ない橋を渡らすわけにはいかないので本人達に大丈夫かどうかを聞く必要がある。佐藤は「大丈夫だ。修行するからな」と自信満々に答えて……原さんはコクリと頷くだけだった。神月の方を見ると「鍛えさせていただきます」といい笑顔で言ってきた。
みかんさんよりはスパルタではないだろうから安心だけども大怪我させないようにだけ釘を刺せばいいか。先輩Aはずっと黙っているけど一体何どうしたのだろうかな? 怖がっているとかではなさそうだけども心配ではあるからなぁ。あとでそれとなく聞いておこうか。二重人格の場合はストレスで防衛本能が意思を持った感じって認識し直したが……間違えていなければいいんだよな。
「藤咲咲人様、今までの無礼……申し訳ございません」
「・・・神月なにを吹き込んだ?」
「私は何もしておりません」
「拙者でもござらぬよ」
「先輩以外は全員一旦外に出ろ。二人を連れて出ていけよ」
神月と子守に佐藤と原さんを連れて行くように命令して部屋には僕と先輩Aだけだった。急に土下座をしながら謝罪してくるから驚いてしまった。先輩Aの行動を見て思ったことが一つだけあるとしたら“奴隷”と同じような生活を送ってきたのだろう。ただ今は僕の思い込みでしかないから先輩Aの口から直接聞き出さないといけない。神月が拉致して来てくれたのはファインプレーだったのかもな。
頭を上げてほしいので伝えるがあげてこない。よく見たらガタガタと小刻みに震えているから絶対に何かさせている。これは“命令”じゃないとずっとこのまま頭を下げ続けているだろうなぁ。はぁ……佐藤か原さんは残しておいた方が良かったのかもしれないな。先輩Aの精神が安定するかもしれないから呼び戻すってことは今はしないでいいか。
「君は何も言わないんだぁ〜」
「西さんですね」
「そうだよぉ〜それでぇ〜」
「何があったのか話してくれませんか?」
「それはぁむりだよぉ。君はねぇ今から駒になるんだからさぁ?」
何も言わずにいたら頭を上げて来たと思ったら西さんに変わっていた。そして僕は何故か押し倒されてしまった。夜夢はここにいたらブチギレ案件だな。しかしこう見ると綺麗な顔立ちしていると思う。あの母親よりも手入れが行き届いているように見える。二重人格の形成には家庭環境が影響されるとかよく聞くが信用が全く出来ないな。現実逃避はこの辺にしておいて普通にピンチだね。
左足は骨折しているわけだしこのまま襲われても何言えず西さんの駒になるってわけね。簡単に僕を駒に出来ると思っているのはアレかな? 関わりが今まで無かったせいで見誤ってしまったのかな。西さんは馬乗りになっているし、力強いし両手は押さえ付けられているから対抗しようにも出来ないな。けどさぁ右足を動けるようにしているのは良くはないね。テストなら減点されるようなことだよ。
「じゃあいただき__へぁ?」
「よっと……これで立場が逆転しましたね?」
「へぇ〜君って大胆なんだぁ。知らなかったなぁ〜」
「そうでしょうね」
「認めるんだぁ」
「・・・今から吐いてもらいますね」
「やってみてもいいけどぉ出来ないよ」
右足を使って西さんを左側に押し退けて今度は僕が馬乗りの状態になった。一瞬本気で焦り顔をしたから抵抗されるなんて思っていなかったんだろうな。さてと本人に挑発されたのでやるか。西さんの心窩部………みぞおちの部分を軽く圧迫する。苦しそうに「そんなの……でぇ吐く……わけないよぉ」と言ってくるのでちょうど開いている口に手を突っ込む。
西さんが驚いた表情をした。別に僕は貴女に事情を吐いてほしいなんて言ってませんよ。わざとらしく悪い笑みを浮かべると西さんは抜け出そうとするが関節を念のために決めているので動けば締まるだけだ。抵抗を無視して僕は先輩に吐かせようと指を奥まで入れて行き嗚咽させる。こんな場面を誰かに見られてしまったら幻滅されるな。二人だけで良かっ__は? ドアが開く音が聞こえて来たので見ると……
「サキ、何やってんだよ!!」
「落ち着け。これには深いわけがあるんだよ」
「問答無用だ!!」
何故か乱入して来た佐藤にぶん殴られて西さんから退いてしまった。アイツ本気で殴って来やがったな。僕だって好きで拉致して押し倒して吐かせようなんてしてねぇよ。・・・言葉にするとヤバすぎることしかしてないわ僕。そんな考えていたら助けられた西さんは吐いてしまった。しかも佐藤に向かってやってしまった為、アイツはもろにくらってしまった。スッキリしたのか西さんは涙目でこちらを睨んできた。
「どんまい!」
「死ねぇ!!!!」
西さんにそういうと思いっきり飛び蹴りを喰らった。後から入って来ていたらしい三人からは「そりゃあそうされる」みたいな視線が感じたが無視だ。




