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72話 拉致って来た!? 1

 アレから神月に色々と質問されて答えての繰り返しだったのでマジで疲れたぁ。普通に学校に行った方が楽だと感じるくらいには疲れた。母さんがお見舞いに来ると連絡があったらしく神月は迎えに行っている。病室前には見張りが居るからここから逃げ出せないのが残念だ。まぁ逃げ出したところで行く場所なんて決まっているしギブスで固定されている訳だからそこまで速く走れない。


 そんなことをしたら今度こそ足を切断されてしまうから絶対にする気はないからね。父さんと母さんは喜んで世話してくるだろしそうなると一番困るのは僕では? そんなことにはさせたくないので僕は大人しく母さんを待つしかない。鎖に繋がれているからどっちにしても抜け出すのは無理なんだよね。力技でやろうと思えば……普通に出来ねぇわ。何これ硬すぎない? えぇ〜これじゃあトイレも行けねぇよ。


「咲人様、花蓮様が来られ……何をされているのですか?」

「トイレに行きたいんだけど」

「脱走しようとしましたね?」

「だからトイレだってば」

「花蓮様」

「さ〜き〜とぉ?」


 ひぃ!! 神月がドアを開けて母さんが入って来たのはいいが般若こような顔をしていた。ここから即逃げたいんだけどこの鎖がなかなか外れてくれないからどうしようもないんだけど、どうしたらいいのかな? 母さんの説教は今は聞きたくないから逃げたいのに鎖を外すことが出来ないってことがマジで最悪なのだ。ここから抜け出す方法を考えても逃げれるビジョンが浮かばないので大人しくしておく。


 母さんは諦めたと思ったのか「はぁ」と小さくため息を吐いて僕の所までやって来た。実際に怒られる事を覚悟したのだが一向に怒ってくる気配がしない。相当怒っていると思うので顔を見ずにいると頭を抱きしめられた。何が起こったのかが僕には分からないが……母さんを泣かせてしまったのだけは分かった。やっぱり心配をかけていたのだろう。僕もまだまだ子供だが心配をかけないようにしていたつもりなんだけどなぁ。


「咲人……母さん達は、頼りにならない?」

「・・・そうじゃないけど」

「母さん達は凡人だけど、貴方の親なのよ」

「・・・」

「息子が……怪我しているのを見るのは辛いのよ?」


 母さんと父さんには相当心配させてしまっているからそれをしないようにする為にはやっぱり相談すべきだったのか。ここまで苦しめていたとは思っていなかったから……いやこれは傲慢だな。しっかりとしないとではなくて「母さん、頼っていい?」と言った。怪我したことも辛いと思うけど、頼りになんてしていないような感じにしていた僕が悪かった。頼りにすごくなる人達を無視して他人に負担をかけすぎた。


 先輩Aに関しては母さんには頼りにくいから神月を頼ろう。母さんにも話は入ってもらってすれば何も問題はないだろう。先輩Aの母親が一番警戒しているのは僕だろうからそれさえどうにかすれば何も問題ないだろうから……母さんには申し訳ないけど、協力を今のところは仰ぐわけにはいけない。とりあえずは二人に事情を説明してみたのはいいのだが……反応がよろしくない。母さんは「難しい問題に首を……」と呆れていた。


「情報を集めるのに彼女では荷が重いです」

「なら誰がすんのさ?」

「・・・この件は私に一旦預けてください」

「時間は?」

「二日で大丈夫でございます。花蓮様、こちらを」


 何やら母さんにメモを渡して出て行ってしまった。本当に二日で事足りるのかが気になるけど、自信満々だったことを考えるといけるってことにしておこう。僕の心を読んだのかは分からないけど母さんが「神月は仕事できるわよ」とドヤ顔で言ってきた。なんかうざいと思ったけど母さんがそんなことを言うのは珍しいから本当のことなんだとは分かる。あと、そんな顔しても可愛くな___かもないな。



〜二日後〜

 今日は退院日だ。明日からまた学校が始まるんだけど……神月の奴は大丈夫なのだろうか。子守家の族長に監視役を交代してもらったのはいいんだけど……物凄く不服そうにしているのは何故? 来た時はテンションが高かったよね君はさ。なのに何故ここでテンションが下がっているんだよ!! ここは「退院おめでとう」とかがあるじゃんか。久しぶりに僕の世話を出来たことが嬉しかったのかよ。・・・それはないか。


「咲人殿は何を企んでいるでござる?」

「僕じゃないことは確かだな」

「神月殿は仕事は出来るが常識はござらぬよ?」

「そんなわけないでしょ」

「噂をすれば来ましたぞ」


 神月が何かを担いで猛ダッシュでこっちに向かっているんだけど、アレってもしかして先輩なのか!? いや勘違いって線も「咲人様ぁ〜拉致って来ました」と笑顔で報告してきやがった。誰も拉致してきてほしいとは頼んでねぇよ。情報やらを仕入れてくるかと思ったら先輩Aを持ってくるなんて誰も思わないし、予想なんてしていないよ。とりあえず族長に車をこっちに回してもらうようにお願いした。


 まずは神月に拉致してきた理由を聞かないと怒るに怒らないからな。変な理由であれば神月はメンバーを離脱してもらって違う人にお願いする。あの母親を警戒させないような作戦を立てようと思っていたのにこれじゃあ何も出来ないじゃないか。頼むから僕に苦労をかけないでくれないかな。これ以上なにをすれば良いのかが分からないんだよ。族長にお願いすればよかったとさえ思うようになってしまった。


「咲人様、ミッション1コンプリートです」

「さっさと乗れ。話は中で聞くから」

「承知いたしました」


 車に先輩Aを乗せる時に分かったことだけど気絶している。気絶させられたのか、途中でしたのかは分からないけど不憫だなとは思った。拉致って来た人間の関係者になってしまったので起きたら謝らないと。はぁ……何故に拉致をする。

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