7話 逮捕!? 1
アレからに家に帰ると父さん達が僕を見るとアタフタしていた。左腕……手首から少し下あたりから血がドバドバと出ていたから慌てていたのか。それよりもお風呂に入って来ようと思っていたが母さんが心配そうに僕を見てくるので父さんに大人しく治療される。別にすぐになると思うんだけど、母さんに心配そうに見られると弱いな僕は。
「こういう所は母さんと一緒なんだな。サキは」
「そうなの」
「そうだよ。だからね父さんも物凄く心配なんだ」
「お父さん、サキの前で昔の話は恥ずかしいから」
「ごめんごめん」
あの事件以降、僕が少しでも怪我をしていると慌てている訳が分かった。死にかけた僕を見てしまったから次、大怪我をしたら死んでしまうのかって思ってしまう訳か。自分の子がね……死にかけていたらそりゃあ凄く心配してしまうようになるか。腕を怪我していたとは気づいていなかった。その理由は絶対に背中が痛いからだろうけど、5㎝くらいの傷だし気が付かないとダメだな。
「父さん、治療の前にお風呂入りたいんだけど」
「消毒と絆創膏くらいはする」
「こういう時はお父さんに従っていた方がいいよ」
母さんの言う通りかもしれないからここは大人しくしておくか。父さんは譲らない所は誰に対しても一切譲らない性格をしているからなぁ。言い換えれば頑固過ぎるってことになるんだろうけどそれは父さんの魅力かもしれない。あのジジィに対しても僕の親権に関して「俺たちの息子なんです。それは誰にも譲りません」と言ったらしい。治療を大人しく受けている間、母さんの様子がおかしいがあえて無視をする。
父さんの治療を軽く受けた後、お風呂に入るが物凄く沁みた。まぁ我慢は出来るけども流石に痛いから大人しくしておこう。そうだ、精神統一の修業の一環だと思っておこうかな? 怪我のことは別にどうでもいいけど、母さんの様子がおかしかったのは気になるなぁ。父さんがいつも通りでいたのもおかしいけど……なんで挙動不審なんだ?
「明日、ユウに相談してみるか」
考えるのを一旦やめてお風呂上がり、父さんの治療を受けなおしてそのままベッドへと直行した。その時に母さんの様子はいつも通りになっていたが相談はしよう。明日からは普通の授業が始まるから……ちゃんと……しな……いと。
朝、目を覚ましてリビングに行くと「よっ! 怪我したんだって」とユウが朝食を摂っていた。何故いる? と思ったけどもコイツだし……別にいいかと思ってしまったのは異常だな。ユウに関してはあの家でも普通に来ていたしメンタルが鋼なんだろうなぁ。ジジィですらユウには何も言わずにいることを許していたんだよな。
「ユウ、相談したいことがある」
「・・・分かった。いつがいい?」
「登校中で」
「了解」
ユウは朝食を摂り終わったみたく洗い物をシンクに置いた。僕も朝食を摂ってから制服に着替えて家を出るがその時に雪菜さんに会ったので挨拶をしたが会釈されただけだった。えぇ昨日少しは仲良くなれたかなって思ったのにさ……残念だよ。亜紀さんとは仲良くなったし涼音さんとも仲良くなったのに、なんで。
「お前ら、微妙な距離感なんだな」
「仲良くなったと思ったんだけど」
「・・・お前もそんな顔するんだな」
ユウは僕の顔を見てそんなことをいうが一体何のことかは分からない。キョトンとしていたら「無自覚か……」とユウに呆れられてしまった。そんなことよりは母さんのことで相談をしないといけないので昨日のことを話すと物凄くびっくりしていた。
「お前……そんなことしていたのか」
「何も驚くことないでしょ」
「・・・おばさんも大変だな」
母さんのことを理解したみたいでムカつく。なんで僕が理解できなくてコイツが理解できないんだよ。なんて思っていたらユウが「おばさんに心配かけ___何やってんだ!!」とどこかに行ってしまった。えぇ入学二日目で事件に巻き込まれるのか? とりあえずユウが向かった所に行くがうちの制服を着ている1jkがどこぞのDKに囲まれている。ユウは少し固まっているから突撃する前に僕がなんとかするか。
しかもDKに関しては6,7人いる。ナンパしようとしていて路地裏に連れ込んでしまってはいけないだろう。ここは警察に連絡を入れておいて7DKに話をしながら時間稼ぎをすればぁ!! スマホを取り出して警察に連絡を入れようとしたらユウが突っ込んでいった。あのバカは考えなしに突っ込んでいきやがるな。
「いいじゃぁん、サボってゲーセンに行こうぜぁ」
「えっ、いやぁ~、あっ」
「アンちゃん、この子、人見知りって奴じゃぁ」
「兄貴、この子挙動不審過ぎますぜ。どうします?」
ユウは突っ込んで行きjkの腕を掴んでいるDKを殴り飛ばした。5mくらいに吹っ飛んでいったのに僕はドン引きしているが……6DKはユウに殴りかかって行く。6人を相手にしておいても余裕そうなので僕が出る幕はないけども警察に電話した。事情を説明した後にjkの方まで行き、どうしてこうなったのかを聞いた。
「人見知りが激しくて、いつも通りに登校していたらコレね」
「はい……すいません。私、入学したばかりで」
「オレらも入学したばかりだから」
jkと話していたら真っ先にユウに殴り飛ばされていたアンちゃんと言われていた人が僕……いやjkに殴ろうとしたので右手を掴み、ひじ、喉、脇腹、みぞうちを殴って大人しくした。したら隣から「うわぁ」という声が聴こえてきたのでjkの方を見るとユウも含めて僕に対して、全員が引いていた。簡単に処理しただけなのに何故に?
「てめぇ、よくもアンちゃんを」
「いやなんでこっちなんだよ」
次々とくるDKを淡々と処理をしていく僕を二人は少し……というか大分離れている位置で見守っている。あと1人で終わるって時に警察がきたので1撃で仕留めてあげた。したら何故か僕が捕まった。7人くらい警察がきてくれた中の1人が「流石に警察の前で殴るのは良くないよ? 君は署に来ようね」と言われてパトカーに連れて行かれた。
パトカーの中で思った。確かに……ダメだし、そりゃあ捕まるよねぇ(笑) ごめん、父さん、母さん。不出来な息子で……




