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47話 タヌキと死神? 3

 僕をイチゴパフェを頬張りながら二人の行く末を見守っていたが無事和解したみたいで良かったと思うけど、このクー母って元軍人だった場合は手続きとか厄介な可能性があるな。もしクー母だけ日本で暮らせないってことになった場合はどうするのかとかを考えていないかもしれないから……ジジィに連絡を入れておいてどうにかしてもらおう。


 保険としては役にはたつだろうから連絡を入れておいて損は一切ないだろう。大切な人たちと離れて暮らすことのしんどさは理解しているつもりだからな。僕が直接何かをする訳でもないけど、たまにはこういうことをしてもバチは当たらないとは思いたいなぁ。あのジジィも少しは徳を貯める訳だしね。


「そろそろ僕は帰るので」

「えっ! 会計くらいは大人がするから」

「祖父のカードがあるので大丈夫ですよ。それに……」

「お願いした方がいいと思う」

「そ、そうね。今度、何かお礼するわ」


 普通にここの値段は高い。まぁ理由としては個室は口止め料も入っているからその分、高くなるが絶対に外部には漏れない。個室に入れるのは常連かもしくは招待じゃないと入れない仕様になっているから余計に高くなる。普通の客席があるから初めての客でも通されるからそこは心配しないで大丈夫。


 個室の客で相当な稼ぎがあるだろうに……普通の層にもお客さんがいるんだから相当な手腕の持ち主だと思っていたけど、ここの店長はキャラが濃ゆいから出来れば会いたくないんだよなぁ。鉢合わせになった際は三時間くらい拘束されてしまったことがあるから今日は会いたくはない。ここを滅多に利用しないからそれくらいは我慢なんて出来ないから困っているだよ。


「あら? 久しぶりね、咲人ちゃん?」

「・・・店長殿、お久しぶりです」

「や〜ね、姐さんって呼んで」

「お断りします」

「釣れないわね。それで好きな子は出来た?」


 今最も会いたくない人に会ってしまった。店長こと最強のオカマ{自称}佐波マリン(さぶまりん)さん、46歳らしい。ちなみに本名は一切の情報が出てこない。オカマを目指したのがアニメや漫画に出てくるオカマキャラがカッコよかったからだそうなのですごいわ。


 まぁ別にそれは別にいいとしてこの人はどうして毎回会うと好きな子は出来たのか? と聞いてくるんだよ。無表情でいれば乗り切れるから何も言わなければいいだろう。「出来たのね」と言われてしまった。いつも通りに無表情で無言で居たはずなのにどうしてばれたんだ?


「気付いていないのね。顔が赤くなっているわよ」

「本当ですか?」

「嘘に決まっているでしょう。前の咲人ちゃんなら騙されなかったのにね」

「店員さん、料金は店長殿にツケておいてください」

「かしこまりした。咲人様、おめでとうございます」


 くそぉ……顔馴染みの店員さんに温かい目で見られてしまったじゃないか。あれもこれも店長が悪いからもうちょっと高いのを頼んでおけばよかったわ。軽く舌打ちをした後に「まだ部屋に連れがいるのでそっとしておいてあげてください」と伝えておいた。ここの店員も優秀なので「かしこまりした。何か一つサービスさせていただきますね」と言ってくれた。


 こうゆう気遣いが出来るからリピート客が増えてくるんだろうな。さてと冗談を言ったしちゃんと支払いをしないといけないな。普通に学校の正門で合流することに元々なっていたわけだしな。そろそろ行かないと間に合わなくなってしまうからなぁ。しっかりと余裕を持って行かないと。


「咲人ちゃん、支払いはしなくていいわよ」

「何を言っているですか?」

「その代わり今度好きな子を連れて来なさい」

「心配しなくてもいい人ですよ」

「アタシが気になるのよ。だから連れて来て」

「はぁ……分かりました。連れて来ますよ」


 僕がそう返事をすると「良かったわぁ」と言って喜んでくれた。僕に好きな人が出来るのがそんなに嬉しいものかとは思うが人それぞれだろうから何も言わないでおこう。ジジィから貰ったカードはあまり使いたくなかったし、ここの支払いしなくて済んだのはありがたい。・・・今度バイトを探してみるのもアリか。


 反対されなければバイトをするのでもいいな。父さんはともかく母さんは反対しそうで怖いから……どうしようかなぁ。日常的に何かに巻き込まれるから黒幕を締め上げてからになるか。それなら整理をしないとな。今の状況になっているのは意図的に誰かが仕組んだのはわかるけど……容疑者が一人しか思い浮かばないのはヤバイな。


 これで複数人いた時をどうするかって話になったらどうしようも本当はないから両方の対策を立てないと。最近は行き当たりばったりが多いがしっかりと計画を立てればどうってことはない。まずはユウのことをどうにかしないと、アイツには協力して欲しいことがあるからな。


「佐藤も実行側は危ないか。となると僕一人で動いた方がいいだろうな」


 危ないことをさせるのは僕的にはダメだ。この前の件でユウも他の人たちも弱すぎることがわかった。ある程度、渡り合えないと人質に取られて終わるから協力を頼むのは無理か。多少の無茶をするのは気が引けるけど、無理をすべきか。怪我しなければ何も問題はないとは思うけど。


「藤咲じゃない。一人で居て大丈夫なの?」

「・・・原さんか、口調が変わったな」

「まぁそうね。演技するのが馬鹿らしくなったもの」

「化けるのは上手いってわけね」

「勘違いしないでね。狐にはなれないわよ」


 狐にはねぇ……容姿はいつもと変わらないが口調はいつもより自信があるような感じだった。何か事情があって今回感じになっているって訳ね。これが素だとしたら僕はこっちの方が好きだな。まぁ雪菜さんには敵わないけどね。


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