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23話 面倒な・・・2

 3人を救出して10分後くらいにサイコさん達、警察がやって来てゴリ先輩以外は連れて行かれた。目を覚ましたゴリ先輩は何も言わずに座って俯いているだけだった。サイコさんや他の警官も何を言わずにただどうなるのかを見守っていた。竜樹がやって来て座って俯いているゴリ先輩に水をぶっかけて「頭は冷えたか?」と聞くが何も返ってこない。


 竜樹は隣に座りただ独り言のように……「お前と俺の出会いは覚えているか?」と昔のことを話し始めた。それを僕はアホくさと思いつつも聞くことに専念した。ここで何かを言うのは違うと僕でも分かるから大人しくただただ壁になることに徹した。雪菜さんやユウ、赤城は少し怪我をしていた為、治療を受けていたがここで受けたいとのことだったので、救急隊に皆さんが気持ちを汲んでくれたから受けさせてもらっている。


 僕は一切受けておらず肩は脱臼したままの状態で放置している。治すタイミングが分からなくなってしまったのと意識を保つ為に治さないでおいた。まぁ僕らのことに関してはどうでもいいだろうが……あっちは特に何も変化はないみたいだった。警官はすぐにでも逮捕したいだろうけど……それをサイコさんに止められているので何も出来ずにいた。流石に逮捕をしないってのはないだろうから心配はしていないが、ユウは少し心配ではあるな。


「親父からお前の無実を証明できる物を預かって来たんだが」

「なんじゃと」

「あの人も少しは反省しているらしいからな」

「・・・それでもワシの罪は消えんよ」

「償いは出来るだろ? 俺の右腕として」


 おぉ~感動出来るやりとりをしている所申し訳ないが主人公様はその空気が相当嫌いなみたいだな。最近は落ち着いてきたと思ったがそうでもなかったみたいだね。ユウは「なんなんですか。コイツは何も罰を受けずにのうのうと学校に来るんですか?」と声を荒げながら言う。赤城のことを考えてなのかそれとも……自分の父親のことを想ってなのかは分からないが、少し熱を出しているな。殴りかからないといいんだが無理だろうな。


 ユウは「ふざけんな! なんでこんなことをして許される」と二人の所まで行きゴリ先輩の胸倉を掴み殴ろうとしているので急いで蹴り飛ばし気絶させる。そして引きずって赤城に「コレ見とけ」と言って預けてから誰も居ない所に座り込んだ。周りを見ると僕以外は唖然としていたので「続きをどうぞ」と言って意識を手放した。その際に床が崩れてるほうな




「ここは……どこ」

「目を覚ましたの? おはよ」

「雪菜さん、ここは__」


 雪菜さんに手を伸ばそうとして気が付いたが手錠を着けられているんだがしかもよく見たら僕の部屋じゃんかさぁ。しかも鎖が長いのもあるのかと現実逃避をしたくなるようなことが目の前で起きている。僕の部屋ってことはちゃんと父さん母さんはいるだろうから知っているってことになるよねコレ。まぁなんでこういうことをしたのかを聞かないと。


「なんで? コレを付けているの?」

「サキくん、刺されていたんだよ」

「はぁ?」


 いや一体いつ刺されていたのかを気になるんだけど……刺されたところを探してみるがない。えぇ……と思っていると「冗談だよ。それでこれは私じゃないからね」とニコニコしている雪菜さんを見て再度、僕はえぇ……と思った。一体誰なのかと思うけども流石に両親ってことはないだよな。気にする意味はないからな。


 まずはこの邪魔な手錠を取らないといかないからなぁ。雪菜さんに机の引き出しにあるゼムクリップを一つ取ってもらって僕はそれで手錠を外した。雪菜さんに「えぇ……どうやったの!?」と言ってきたので「秘密」と笑顔で答えて二人に伝言を頼んで窓から外に出た。時々、ジジィの家から抜け出すのに窓を使っていたので呼びの靴はある。




 抜け出した後、コンビニで飲み物と軽いパンを買って公園のベンチで食べてどうしようか悩みながら空を見上げると知り合いの顔が至近距離であった。こういう時は決まって我が親友のことだろうなと思いつつ距離を開けて座るように言った。座るのを確認した後、赤城に対して「佐藤裕太が何をやらかしたのか ?」と聞いたらあわあわし始めた。・・・もしかしてマジで何かやらかしたのか?


「ああああああ」

「落ち着け。マジで何をやらかしたのかを言え」

「佐藤くんが……雪菜ちゃんとデートしていたんだよ」

「あっそ」


 凄くどうでもいいことだったのでさっさと公園から出て行こうと思ってベンチから立とうとしても袖を掴まれた。「どどどどどどどしたらいいのかなぁぁぁ」とものすごく焦っているので無視をしようにもできない。仕方なく座り直してどうしようかと考えてみるが……特に何も思いつかないんだよな。面倒だから本人たちに直接聞いた方が早いが出来ないだろうから僕の家の住所を教えて部屋で二人で話してくれと赤城にお願いした。


 どうゆうことかと首を傾げている赤城を無視してそこからダッシュで逃げた。後ろから「待って」と言われたがそんなのは無視をしたい。少しの間は1人で居たいので赤城には悪いが雪菜さんに直接聞いてくれないかな。公園からある程度離れた所でどこかで見たことがある男組が「あ、あれってアニキじゃねぇっすか」と言って頭を下げてきた。止まると面倒なのでそのまま通り過ぎて、会いたくない人が横を通り過ぎたが無視だ。


「やぁ、どうしたのかな?」

「げっ! 黒井先輩」

「嬉しいなぁそんな反応してくれるなんて」


 見覚えのある男組をスルーしたら黒井先輩が走って追っかけて来やがった。しかも明らかに嫌がっているような雰囲気を出しているのに、なんでアンタは嬉しがっているんだよ。怖すぎるからさっさと逃げたいのにあまりスピードが出ないのは何故なのかな? しかも休んでいるから体力も普通にある筈なのに相当しんどいんだが……訳が分からないんだよね。


 流石に疲れたので黒井先輩に捕まってあげた。僕は疲れているので息が上がっていると「君が息を上げているのは珍しいね」と笑いながら一切息を切らしていない黒井先輩を睨み付ける。ここであることに気が付くがそこには触れないでおこうか。すげぇ面倒事に巻き込まれてしまいそうなきがするので絶対に触れない。


「丁度、君に相談があるんだよ」

「絶対に嫌です」

「今日、お見合いをさせられてしまってね」


 ほぉらぁ面倒事だったじゃねぇかよ。男装しているからおかしいとは思っていたんだよ。僕じゃなくユウにでも頼んでくれよマジで。そんな僕の心を読んだのか黒井先輩が「佐藤くんが解決できると思っている君はバカだね」と怒った分雰囲気で言われてしまった。ユウでは確かにコレに関しては解決は出来ないだろうけど、意味はおそらくそれ以外も入っているんだろう。


「私は君を信用しているんだ」

「それでもお見合いのことを相談されても」

「私は君を好きなんだよ。凄く嫌そうな顔をしているね」


 そりゃしますよ。アンタに惚れられる要素は一切僕はありませんし、顔はユウが好みって言っていたのを覚えているからな。まぁそんなことはどうでもいいからさっさと解決してこの面倒事を終わらせて帰るとしますか。動こうとしたら腹に痛みが走ったので服を捲ってみると、血が付いている包帯が巻かれていたドン引きしてしまった。マジで刺されてしまったのでは?


 それを見て顔を赤らめながら黒井先輩は「それで動けている君はなんだよ」と2,3歩下がりながら言い放った。コイツ引くか照れるかどっちかにしろよ。まぁ痛み止めと包帯を買えばいいか。それにこの人のお見合いの件もそれで断れるしやった。仕方ないので手伝ってあげようと思っていたが怪我しているのであれば仕方ない。


「手伝える範囲でお願いしよう」

「そこは諦める所でしょ」

「2日前のことは聞いたしそこまで頼る気はないよ」

「会話が出来な__は?」


 2日前だと……それまで僕は寝ていたのか!? 驚きだよ。

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