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20話 一大事? 1

 竜樹と松川先輩のいざこざ? が無事解決した翌日……登校したら教室が騒がしかった。不思議に思い坂内に何があったのかを尋ねてみた。坂内はおろおろしながら「桜木さんが……呼び出されて今告白されているみたい」と言う。それで教室……特に窓側が騒がしいわけね。僕は別に気にしていないので自分の席に着く。


「サキ大丈夫なのか?」

「体調は普通だけど」

「いや……ならいい」


 ユウが僕の席にやって来ては変なことを聞いて来た。何があったのかは知らないが何を心配して聞きにきたのかな。とりあえずスマホを見ようと取り出すと「藤咲くん……大丈夫?」と赤城も聞いて来たので「何が?」と聞き返したら「ユキちゃんが今告白されているから。一大事でしょ」と言われた。あ~もしかしてコレって僕が雪菜さんのことが気になっているってことがクラス中に知れ渡っているのかな?


 教室を見渡してみるとこちらをチラチラと確認しているクラスメイトが大勢いた。なるほどね……面倒なことになってしまいそうな気がするからそうならないように「あぁそれね大丈夫。次はこうならないようにしておくから」と言った。赤城はポカーンとして教室が静かになってしまったので周りを見渡すと全員がこちらを見てポカーンとしている。何も変なことは言っていないので何故?


「サキ……暴力や脅しはダメだぞ」

「僕をなんだと思っているんだよ。そんなことしないよ」

「やりかねないからな」


 心外なことを言ってくるな。次はこうならないようにするのは出来るだけ登下校を一緒にしようと思っているだけだから。陰で買収したり暴力で分からせたりはしないし僕はそんなことをするようなタイプの人間ではないってことをユウは一番知っているだろうに。まぁそれは雪菜さんが告白を断ったらの話ではあるし……もし受けたとしたら物凄く後悔するんだろうな。


 ソイツをどうにかしておいてもいいのはいいんだが流石にそれは八つ当たりでしかないのでやめておくが面倒なことを自分自身でする主義ではないのでいいか。などと考えていたら雪菜さんが教室に入って来たのでドアの方を見ると気まずそうに目を逸らされた。・・・うん? これってもしかして告白した奴が来るパターンではないだろうか。そう思い僕は雪菜さんが入って来たドアとは別のドアからダッシュで逃げた。追いかけられているなぁ。


「待てぇ藤咲咲人ぉ」

「待つ訳ないでしょうが!!」

「なら俺様と決闘しろ」


 なんで分かったかと言うとユウが告白を断る際に何度も僕の名前を出してきたのが原因で流れを完璧に覚えてしまった。雪菜さんだから許せるけども決闘はしないからね? もうすぐ1時間目が始まる訳だしそんなことをしている暇なんてはないだからここは撒かないと放課後に決闘する流れになる。時々ユウがしていたのを「へぇ~大変だな」と思いながら見ていたので知っている。


「逃げるだけの奴が桜木さんに好かれているんだよ」

「それってほんとですか?」

「うぉ!! ホントだよ。本人が言っていた訳だしな」


 マジか……少なからず好意はあるのでは? と思っていたんだけど、loveではなくlikeの方だと思っていた訳だからな。良いことを聞いたのでこの人の決闘とやらを1度受けてやるか。そしてボロボロにしてからプライドを叩き折る。そういう風にした方が2度と雪菜さんに近づいても来ないだろうしこんな面倒なことをしないであろう。校庭まで来てしまったが3人しか人はいないので何があってもすぐに対処できるだろう。


「受けてあげますよ」

「いいのか」


 僕は頷き、その人の条件で決闘を受けることにした。この決闘で何があっても自分自身の責任とすること、教師に対しても相手が悪いということをお互いに言わないこと。負けた者は2度と勝った者に関わらないことを言われた。そして決闘内容は何をしてもいいので相手を地面につかせたら勝ちと言う内容でもし怪我をさせても責任は一切取らなくてもいいとのこと。・・・絶対に守らないタイプだな。


 信用できないのでこっそり録音されてもらっているので別に証拠は出来たのでいいが……コイツの目的ってもしかして雪菜さんと付き合いたいではなくて僕を潰しに来たのでは? どこかで見た顔をしているような気がするんだけど覚えていないのでそこまで重要な人間ではないだろう。ゴリ先輩の部下にこんな奴が居たような気がするんだけど……まぁその辺だったら竜樹に投げれば解決するか。


「決闘スタートだ」


 考えていたら勝手に決闘が始まってしまって慌てて構えるが相手の手にはナイフが握られていたので驚きはしたが一発で仕留めてあげた。流石にコレは問題すぎるし……この学校って結構ヤバイ奴らの巣窟なんだろうな。今、僕の後ろの方で写真を撮られたな。僕が逃げている時からずっと後をつけて来ていたのも分かっているからな。


 僕は後ろを振り返り写真を撮ったであろう場所まで走ったがそこは誰も居なかった。おかしいなと思ったが階段があるのでおそらくは上に上がっていったのだろうから対応はできるな。追いかけるのは簡単だけども流石に授業が始まるから追いかけるのはやめておこう。今から走って行けばギリギリ間に合うだろうから急ごうっと。ちなみに決闘を仕掛けてきた人は気絶をしているのでそのまま放置してあげた。


 なんとか間に合って授業を受けて……そこから何故か何もなくて昼休みになったら新井先生と竜樹に呼び出された。昨日も呼び出されていたのになんでまた呼び出されるんだよと思いつつも仕方なく付いていくが応接室と書かれている場所に着いたので、逃げようとしても普通に捕まった。二人して僕の腕を掴んでくるの流石に逃げるのは無理だった。


「入って来たか」

「サイコさん!?」

「咲人、ワシもいるぞ」


 あっ……もしかして本当に面倒なことに巻き込まれる奴だな。こういうのは僕じゃなくてユウにお願いしたいんだけどもそれは無理か。サイコさんは「まず君の友人の佐藤裕太にストーカーがいるみたいだ」と衝撃なことを告げられた。アイツまた誰かを助けて変な奴に好かれやがったな。実を言うとこれが初めてではないので困っている。ユウの母親から直接電話が来たりサイコさんが僕を訪ねて来たりすることは何度かあった。


 これまた厄介なのがストーカーされていることにユウは一切気が付いていない。まぁそれはいいんだけどもストーカーされえていることをユウにバレないようにしないといけないのが本当にめんどくさいから出来るだけやりたくないんだけど、なんでストーカーされているのか? 誰かを助けたなんて最近は聞いたことが無いからな。知らない間に助けているだろうから別にいいけどね。


「ジジィがいるのは解せん」

「まぁ話を聞けよ」

「てめぇもいるのが意味わからん」


 竜樹とジジィに関してはこの話に関わることは絶対にしないで欲しい。別にユウのことを心配してもいいし可愛がっていることもいいが……悪化させるだけなので本当に関わらないでほしい。二人に敵意を向けているとサイコさんが「気持ちは分かるが抑えろ」と言われた。我慢することに決めたのだが竜樹の「咲人を潰すための計画だからここにいるんだよ」の言葉で我慢できなくなってしまった。


「誰の指示だ?」

「藤咲、落ち着け」

「先生は知っているですね」


 いや先生だけではなく僕以外は全員知っているんだろう。思い当たる人物は二人はいるが僕を潰してなんになるかは知らないけど、潰そう。ユウはストーカーされているだけのでいいとして、いや良くはないんだろうけど、あの家は対応に慣れているので普通の所よりはマシではある。雪菜さんやその他に何かあってからでは遅い訳だしな。


「下手に動くなよ? 俺の調べではもう桜木雪菜にも手は迫っているからな」

「・・・僕は何をすれば」

「今回は何もするな。桜木雪菜とは出来るだけ一緒に居ろ」


 新井先生に目を向けると「ストーカーの件は護衛をつけてもらうことで何とかなる。本人にも言ってある」と言ってきたが雪菜さんには何も言っていないそうだ。それも今回は4日前から動いていたらしい。僕なら気付いていると思われていたみたいだが、全く気が付いていないと分かると参加はさせずに大事な人を守ることに専念させることにしたらしい。


 赤城……これは一大事だわ。

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