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1話 主人公とモブの入学式1

勝手ですが前に投稿していた物を削除してから1からにしております。コロコロと変わっている部分があります

 今日から高校生になる藤咲 咲人(ふじさき さきと)で1週間前から両親とまた暮らせるようになった以外はただの15歳である。何故、両親と暮らせていなかった理由は大怪我をした際に祖父『守友(もりとも)朝晴(ともはる)』の家で約11年間ほど引き取られていた為である。時々帰って来ては泊まっていたのであの家を実家とは微塵も思っていない。あのクソジジィにはお世話にはなったが、両親を苦しめたことは絶対に許さん。


「咲人、入学式。おじいちゃん来るって」

「母さん……ノックして」


 ノックも無しで部屋に入ってきた人は母さん、藤咲花蓮(かれん)であのクソジジィの娘である。父さんとは駆け落ちをしたらしい。元々恋人同士だったのを無理に引き剥がして政略結婚をさせようとしたのを父さん……藤咲将狼(まさろう)が母さんをさらってここで結婚したみたいだ。僕が出来るまでの7年間は見つかっていなかったらしいけど、叔父夫婦の娘と同じ病院で出産してしまったのが原因で見つかった。しかも同じ日の二時間差でだよ。


「母さん、朝ご飯を食べよ」

「そうね。夜はごちそうを作るからね」

「楽しみにしておくよ」


 時々帰って来ていたとはいえ、10年間は長かった。本当にあのクソジジィは許さんし絶対に縁切りさせてやる。まぁそのことは追々計画を立てるとして今は朝ご飯を摂ることを考えないとな。今日は父さんと母さんの二人で入学式に来てくれる訳だし……あの家とは学校でも出来るだけ関わらないでおこう。あの二人がいる訳だし、避けていても関わろうとしてくるだろうからな。


「サキ、おはよう」

「おはよう父さん」

「なぁ一人暮らしとかさせるぐらいには余裕はあるんだぞ?」

「そうよ。咲人はあの家と関わるのは嫌でしょ」

「僕は二人と暮らしたかったんだけど」


 僕がそう言うと母さんと父さんは「ごめんね。二度と言わない」「ちゃんと俺らもサキと暮らしたいからな」と言って僕を抱きしめてきた。二人は僕が大怪我したことであの家に10年間も暮らさせたことを悔やんでいるんだろうな。まぁアレがまず両親を脅して、次に僕に選択肢を与えやがったからな。誰が悪いかと言うとあのクソジジィが悪い。はぁご飯が冷めるから食べよう。


「行ってきます」

「いってらっしゃい」

「気を付けてな」


 家を出るとお隣の桜木(さくらぎ)さんの二人が出てきた。確か母さんが昨日隣の娘さん……雪菜(ゆきな)さんっていう人も同じ学校に入学するって言っていたな。挨拶はしておこうか、お隣さんだし同級生でもある訳だし母さん同士仲がいいみたいだからな。あと昨日見かけた時に挨拶できなかったしなぁ。


「おはようございます」

「あら……お隣の花蓮さんの息子さんじゃない」

「母がお世話になっています」

「こちらこそ、私も雪菜もお世話になっています」


 (かなで)さんだったけ? 母さんがそのうち名前を呼ぶところを聞くことがあるだろうしその時に確認すればいいか。うちの母さんは美人系の人だけど……奏さんはゆるふわ系? の人なんだろうな。娘さんは……いやなんで僕を見て驚いた表情でいるんだ。何か昔にやらかしてしまったのだろうか? あの事故が原因で記憶がない所もあるみたいだからな。


「お母さん……私もう行くから」

「咲人くんと一緒に行ったら……ってもう行っちゃった」

「・・・昨日から避けられていますよね」

「ごめんなさいね。学校でも仲良くしてあげて」

「本人から拒否されないのであれば」


 雪菜さん本人が僕のことを嫌いであれば、避けるしかないので避けるけども。そういう訳ではないのであれば全然関わる気ではいる。何故か気にな___ってアイツとの待ち合わせ時間に間に合わない。僕は奏さんに「いってきます」と言ってから走って待ち合わせ場所まで行った。



 走って10分くらいにあるコンビニで190㎝台の爽やか系のイケメンが居た。そのイケメンが僕と待ち合わせをしている佐藤 裕太(さとう ゆうた)だ。中学生の時にモテすぎて主人公と呼ばれていた。おそらく高校でも呼ばれることになるだろうけどな。ちなみに僕は……死神と呼ばれていたらしい。呼び名の出処を探すと黒井(くろい)生徒会長が呼んでいたのがわかった。


「サキ、遅かったな」

「お隣と話していたら遅くなった」

「あ……そうか。実家に戻れたって言ってたな」

「そうなんだよ」

「おばさんとおじさんに挨拶しに行くわ」


 ユウとは保育園の頃からの仲、いわゆる幼馴染って言う奴だ。事故にあってからも通っていた保育園は変わっていない。同じ時期くらいに一人だけ居なくなってしまったのが凄く残念だが、それ以外は何事もなかった。そういえばみんなして転園した子に会わせてくれなかったのは何故だ? 所々記憶が無い部分があるから知りたいんだけどな。


「・・・お隣さんって子供いたよな」

「いるな。雪菜さんって可愛い子が」

「へぇ~同じ高校だといいな」

「制服は一緒だったぞ」

「マジか!? 待ち合わせをサキん家しとけばよかったな」


 コイツ、僕が雪菜さんのことを可愛いって言ったから気になっているんじゃねぇのか? まぁ誰と付き合おうが関係はないと言われたらそうなんだが……なんか嫌だな。なんて思っていたらユウが「行くか」と言って僕を置いて走って行った。ここから歩いて15分程度だから走る必要はないだろうけど……何故か少しだけ嬉しそうにしていた。


 学校について正門に立っている教師に挨拶をして門を潜った。


「ここが俺らが通う高校かぁ」

「クラスはもう発表されているな」

「同じクラスだと助かるな」

「神社に行って祈っておけばよかった」


 ユウは「俺のテスト勉強の面倒は誰が見てくれるんだよ」と言うので無視してクラス表がある所まで歩いて行った。僕のクラスは……2組で、最悪なことにユウと一緒のクラスになった。アイツの面倒を見ないといけないのは凄く面倒なんだけど。まぁアイツ凄くモテるしそのうち彼女とか作ってくるだろうからその子に投げるか。


「ユウ、行くぞ」

「俺まだ見てない」

「同じクラスだった」


 僕の言葉を聞いたユウは嬉しそうにしながら僕の隣を歩く。コイツを見ていると犬の尻尾が見せてくるのは気のせいか? 気のせいだと思っておこう。じゃないとユウは調子にのるからな。まぁコイツのこういう風な顔を見れるのは少し嬉しくは思うからな。


「そういえばサキは部活どうする?」

「帰宅部」

「えぇ、サッカーやろうぜ」

「めんどい」


 ユウの勧誘を適当に流していたら教室に着いたドアは開いてあるので中に入って黒板に貼ってある座席表を確認する。は行だからユウとは遠くなるのは知っていたが……雪菜さんの後ろとは羨ましくは少し思うが別に気にしてなんてないし、悪い奴ではないからすぐに仲良くなりそうだな。僕は避けられているからそれはそれでムカつくが。


「座席表は全員見たな。さっさと座れ」


 いつの間にかチャイムが鳴っていたのだろうか。教師が教室に入ってきたのでとりあえずは座る。190㎝はあるだろう若い男性教師でガタイがめっちゃいい。男性教師は新井(あらい)慎二(しんじ)で担当教科が生物学、サッカー部顧問をしているとのこと。自己紹介を終えた新井先生は黒板に今日の流れをざっくりと書いた。


「じゃあ体育館に行くぞ。廊下に名前の順で並べ」


 言われるまま廊下に並び体育館に向かったその時にユウと雪菜さんが楽しそうに話しているを見てしまってモヤモヤした。ユウはコミュ力は相当あるし清潔感はあるからなぁ雪菜さんも警戒をそこまでしなくて済むんだろうな。僕も髪を切って話かけるべきか。切ってなくても整えるとかはあったのにボサボサのままだからな。目が隠れそうなくらい長い髪あまりよくはないのかな? 乱視だからメガネをかけているけどコンタクトに変えた方がいいのかも。


 なんて考えていたら新入生の入場が時間になってしまった。いつの間に移動できていたかも知らなかったんだけど? まぁいいか、ここからは入学式に集中すればいい訳だしな

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