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おまけ

小話3つ。

*シルビィの結婚相手


「そういえばテオ様。一度目の人生では、わたくしはどなたと結婚していました?」

「……シルビィは誰だと思います?」


「うーん、そうですねえ、幼馴染とか?」

「ふーん。幼馴染ですか。そうなんですね。へえ」


「なんですかテオ様、その顔。怖いんですけど。怒ってます?」

「べつに。怒ってませんよ。気のせいです」


「それより正解は?」

「さあ」


「さあ?」

「実は覚えてなくて。すみません」


「ええっ。もう、気を持たせるようなこと言わないでくださいよ。期待したじゃありませんか」

「幼馴染と結婚したかったですか?」


「違いますよ。ちゃんと結婚できていたかが気になっただけです。

 本当に覚えていらっしゃいません? ちらっとウワサとかは」


「覚えていませんよ。

 まあ例え覚えていても、いいませんけど。

 これがきっかけで、その相手を意識されでもしたら面倒ですし」


「ですよね!」



*親切な公爵様


「テオ様、ありがとうございます」

「何がですか?」


「わたくしの幼馴染に女性を紹介してくださったそうで。

 なかなか良縁に恵まれないと嘆いていたのですが、今回はうまくいきそうだと喜んでおりましたわ」


「ああ、あれ。お力になれたなら何よりです」

「ひょっとしてあの二人がうまくいくことは、一度目の人生で知っていたのですか?」


「ええ、まあ。そんなところです」


「なら、あの二人は運命の仲という訳ですわね。

 きっとテオ様の紹介がなくとも知り合っていたのでしょうけど、早く出会えば出会った分だけ、幸せな時間が増えますし。よかったですわ。

 本当にありがとうございます」


「いえいえ。お気になさらず」


 本当は、シルビィの幼馴染はテオドールが紹介した女性とうまくいったこともあったし、シルビィと結婚しかけたこともあったのだが。


 テオドールはそんなことはおくびにも出さず、善人の笑顔を保った。



*浮気


 面倒くさい女よね、と自覚しながらも、少しの嫉妬が欲しくてシルビィは尋ねてみた。


「テオ様は結婚後、わたくしに自由にしていいとおっしゃいましたけれど。

 もし、もしも、万が一、わたくしが浮気をしても許して下さるのですか?」


「もちろん。そういう約束ですからね」

「そう、ですか……」


「ただ、一つだけ条件があります」

「条件?」


「浮気するときは、事前に私に言ってからにしてください。

 浮気相手も連れてきて、ちゃんと私に紹介してくださいね」


「浮気の事前申告に、紹介!? なんですか、それ。変ですよ」


「変じゃありませんよ。

 だって、私はシルビィの夫ですから。

 妻が変な男に引っかかって不幸に見舞われたりしないよう、相手を審査しないと」


「はい?」


「ふふ、どこの馬の骨が、どのツラ下げて私にケンカを売りに来るのか。楽しみですねえ」

「……」


 面倒な質問を上回る面倒な回答が返ってきて、シルビィは喜ぶべきかがっかりするべきか、反応に困った。

お読みくださり、ありがとうございました!

ページ下部の『☆☆☆☆☆』よりご評価頂けると嬉しいです。


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― 新着の感想 ―
[一言] 永遠の片思いは辛いけど、好きな人が生きているだけで幸せとも思うので難しい選択ですね。
[一言] この七回目の人生は、2人が腰が曲がる程長生きして、ずっと一緒にいれる幸せな人生だと良いなあ。
[一言] 本来第1王子の策略で息子共々殺されてしまうのがシルビィの運命なので、それを捻じ曲げようとしても些細な事で本来の運命に引っ張られてしまうのでしょうね。 テオ様と愛し合うと〜ではなく、王位継承…
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