3話「助け」
「警察に通報するとしてもなぁ…」
と私が、考えている矢先に三神が青ざめていた
そういえば、以前に三神は幽霊が見えるとかなんとか聞いた。私も母親の影響で見えやすいらしいが実際に靄くらいで大したものではなかった。何ならば、占いとかの霊力を高めるやつを控えているから見えない…謂わば勝ち組でもある
「三神」
「なぁ、佐川。」
「三神」
「この霊が助けを求めてるんだが」
「三神、私は見えない。」
「嘘だ!」
と、私の手を握ってきた三神とその後ろには女性がいた。嘘だろお前、なんであんたが手を握ると私まで見えるんだよ。ふざけんな
「「…」」
「なぁ、佐川」
「うるさい」
「佐川、俺」
「助けたいんでしょ?」
「いいのか!」
こいつはお人好しで人に騙されやすく、人に好かれやすいのもわかっている。誰よりもわかっているからこそ、諦めた。慣れとは怖いものだ
三神と五年関われば、大体わかってしまう自分が嫌い。しかしある意味女子にとっては嬉しいことかも知れないが、私は三神にとっては「嫌な奴」だから。安心してほしいなと心の中にしまって置いた
「さて、どう助けるかだけどさ」
「手立てあるのか?」
「ここは廃病院、訳あって調べてますという程で殺人事件とかについて調べてみよう。とりあえず周辺について調べないと始まらないから探索するよ」
「…あぁ!」
三神が隣同士で歩くのは何年振りだっけ?と考える、確かあれは中学二年の時だから三年振りだ。と笑みをこぼしながらライトを照らす