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1話「よくある話」
よくある話といえば、よくあるだろう?
世の中、
好き、或いはウマが合うやつが二割
普通、或いは興味がないやつが七割
嫌い、或いは合わないやつが一割
そんな話。
今のクラスでは興味がない奴らが九割を占めている
私は本を読み漁るのが好きだから、一人読み続けている。例えば純文学、哲学など…高校生が読むにしては古いと、言われかねない小説ばかり読む私についたあだ名は「哲学者」だった。馬鹿野郎、哲学者に謝れって言いたくなったが心の中で呟いた。
とはいえ、私は古い小説を読むのも好きだが…
「よし、ここか」
かちゃり、かちゃりと金属の音
足を動かせば金属の音がする空間。
ここはとある病院の「跡地」、謂わば「廃墟」
廃墟巡りをするのが好きである
廃墟巡りしているときは危険もあるが、追憶体験をするのが出来るから好きだ。誰も邪魔をせず、一人で見廻りながら、廃墟を探索する私は幼少期の頃を思い出す。
「あぁ、素敵だ」
と、感嘆を漏らしてしまった。
がシャリ!と金属の大きな音がする
振り返ると、同じクラスメイトで唯一と言っていいくらいに嫌いなやつが目の前にいた。