4話 文字解読と魔力制御
(名前)sideと書いてある場合
視点が変わります。基本は主人公視点です
(あ~あ。今日も俺の魔力を感じる事は出来ないか)
ミーシャが起こした一連の騒動から3ヶ月
母ルーナのキスにより魔力が使えなくなった俺は毎朝の日課
魔力を感じれる様になってないかチェックをして
当然の様に何も感じずに落ち込むという事をしていた
「アルマ様。ミーシャ様。お着替えしましょうね~」
俺が起きてから少し経つとマナが3人の侍女を連れて
俺達の朝の支度をしに来た
さて、今日も着替えさせてもらいますかね
俺は特に抵抗するなくメイドに身を任せ着替えさせてもらう
そして、次にマナがいつも言うのが…
「では、朝食のお時間です。参りましょう」
朝食の時間。参りましょうという言葉
その言葉の後に俺とミーシャはマナに持ち上げられる
そして、ダイニングに連れられて
そこで
「おはよう。アルマ。ミーシャ」テーブルの上座から父レイヤが
「おはよ~う。アルマ。ミ~シャ」折り返し右側ルーナが
「おはよう」ニッコリと落ち着きはらった挨拶をする兄アモンが
「おはよっ!アルマ!ミーシャ!」毎朝元気よい挨拶の姉シャーリー
そして、
「「「「おはようございます」」」」
家族の後に使用人達の深々と頭を下げた挨拶で出迎えられる
俺とミーシャは大体いつも朝は最後の到着でこの風景は見慣れたものだ
そんな朝の恒例を終えて俺とミーシャはシートベルトに似た固定具付きのイスに座らされる。
そして、いつもの様にレイヤが先陣を切り
「今日も新しき朝を迎えこうして1日の活力を得られる事に感謝を」
と唱える
すると俺とミーシャ以外の家族は手を合わせ目を瞑り俯く
これを毎朝やっている
そして、俺達家族と一緒に食べる事は無いが使用人達が食事前に同じ文句で同じ事をしていたのを見た事が何回かある
これは恐らくこの世界の「いただきます」だろう
数秒の沈黙の後にレイヤの「では、いただこう」という言葉を皮切りに皆が食事を始める
見た感じパンに黄色いスープに何かの肉と緑野菜といった
朝ならちょうどいい位の軽食
俺とミーシャには柔らかくなったパンが浸してある薄味スープ
あんまり味覚が発達していないのか。この体が味というものを理解していないのか美味いとは思わないが今の所文句はない
あれから3ヶ月
ルーナはミルクが出にくくなったらしく
俺達は柔らかくスープ上にした物をよく食す様になった
そんなかんなで、皆が食事を終えて
それを見計らい父レイヤが
「神が与えたもう力に感謝を」
「「「感謝を」」」
(感謝を……ってな)
「ごちそうさま」をいい皆が各々席を経つ
この後皆が何をしているのか?それはあまりよく知らない
そこまで、俺の行動範囲は広がっていない
だが、確実に広がってはいる
「アルマ様。ミーシャ様。参りましょうか」
マナの声に反応こそしないが、されるがままに持ち上げられる
俺とミーシャはマナのに抱えられてダイニングを後にする
俺とミーシャは食後に部屋に戻る…訳ではなく
「あいやーうんや!」
まだ発生は上手く出来ないので頑張って適当な発生で意思表示をする
「はい。かしこまりました」
そんな俺の主張はもう慣れた物でマナは察してくれる
俺が声を挙げたのは書室の扉の前
約2ヶ月前の事だ
それまで俺とミーシャは朝食の後には部屋に即刻戻っていた
しかし、ある日ミーシャが突然今日の俺の様に
ちょうどこの場所で何かを訴えかけたのだ
その時はマナは少し考えた風だったが
すぐに察した。「あ、絵本が気に入ったのか」っと
俺とミーシャはよく読み聞かせをして貰っていた
マナ。ルーナ。シャーリー。の主に3人にだ
その時間は俺の唯一の確かな娯楽で言葉を覚える為に真剣に聞いていた
その隣でミーシャも夢中で聞いていた風であった様子をマナは知っていたので
マナは察する事ができた。そして、それからはここ書室が俺達が2番目に長くいる場所となった
マナが扉を空けて3人で中に入る
そして、床に降ろされる俺とミーシャ
俺は1ヶ月前からやっと形になったハイハイで移動して
俺は1冊の本を指差し
「たいやーあーぶ!」
適当に発声
俺は言葉に「その本を取ってくれ!」っと込めたつもりだ
「はい。かしこまりました」
マナは既に何回も成されたやり取りに何の疑念もなく本を手渡してくれる
「あぶぅ」
俺が本を手渡されると
ミーシャが向こうで別の本を指さし発声した
「はい。かしこまりました」
フッ。今日も俺の真似をしたのか。可愛いやつめ
(さて、今日も始めますか。今日の本は~っと)
俺はページを捲っていく
(お、当たりか?)
俺は自らが求めいている本を見つけられたかもしれないと思いテンションを上げる
その本は。魔法を行使するにあたっての本…っぽい
俺は生まれてから半年で少しずつではあるが言葉を理解し始めていた
朝のマナの定例文句や「いただきます」や「ごちそうさま」を表す言葉が主な成果だ
そして、俺はこの半年間に幾度となく行われた絵本の読み聞かせで
【剣】・【魔法】・【倒した】など物語で登場した単語に当たりを付けて他の本と照らし合わせて少しずつボキャブラリーを増やすという作業をしていた
その成果がこれだ。
(魔法…を…何とか…するには…何処かを……わかんね…な。あ、集めるって書いてある。集めて…回す?かな?)
まだ、全然わからない
文字の解読って難しい
まだまだ時間は掛かりそうだ
(しかし、この本は本当に当たりかもしれないな)
全く読めなかったが、少し解読できた部分だけでも求めているものかもしれないと期待はできる
それに実体験もある。適当に当たりを付けて読んでみるが恐らく書かれている事は
(魔法を制御するには体の中心に魔力を集めて体に回す。つまり巡回させる)
ではないか?
と思う。正解かどうか?そんなものはわからない
が、短い間ではあったが母に魔力を封印されるまで確かに体の中で動いている物があった。
俺が魔力を行使出来なかった理由。それは
一点に集めよう集めようと思っていたからかもしれない
この【回す】というのが魔力をであるならば
もしかしたらという期待ができる
とにもかくにも、俺はこの本を自室に持って帰る事にした
ダメと言われても駄々こねやるぜ
俺はそんな事を思いながらも
わからない所は飛ばし飛ばしでページを捲り続けた
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マナside
(生後6モンツで本に興味を持つなんて驚きね…)
2モンツ前。朝食後の帰り道。この書室の前を通った時
いつもは物静かなミーシャ様が何かを訴えかけられた
私は最初。ミーシャ様が訴えかけてくるのは壁を破壊した魔力暴走と思われる事件以来だったので驚き慎重になった
しかし、蓋を開けてみれば
本に興味を持たれたらしい
ここを書室だといつ知ったのかは定かではないが
ここをミーシャ様は指をさされての主張。そして、私や奥様。
シャーリー様が読み聞かせをしている時も静かに聞いていてくれたので興味を持ってもらっているとは思ってはいたが
(ここまでとは…)
生まれて僅かながら自分から本を読み出すとは
(いや、理解している筈はないか)
まだ生後まもない赤ん坊だ
字やその意味を理解出来よう筈はない
恐らく絵を見たりして楽しんでいるのだろう
(……まぁ、アルマ様が読んでる本は絵なんて殆どない。【魔力循環の仕組みと増幅方法】なんて大人でも理解できない学術本なんだけど)
この部屋に最初にきた時には、読み聞かせをしたものだが次第に本を要求されて渡してみるとペラペラとページを捲り始めた
ミーシャ様は絵本を
アルマ様は何やら難しい本ばかり
2人が理解して本を読んでいるとは思えない
ただ、私には2人の将来が楽しみでならなかった
私は2人の傍付きになれて良かったとこころの底から思う
この2人の成長を隣で手助けできる。それが堪らなく楽しく。
これからもきっと充実した日であろうから
1ヶ月の英語訳わかってますよ?わざとですよ?
てなわけで読了ありがとうございます。
ここまでの話。非常にアルマの自己語りが多いですが本来は会話をもっと織り交ぜたいです。
しかし、喋れないので…
そういうのが読みやすいと思ってる皆様は少々我慢してもらうしかないですね
こういう問題もあるからさっさと飛ばすのかなーっと思ったり
てなわけで、良ければブックマーク。気軽に感想・評価よろしくお願いします